私本気でしんどいんだよ?
見たらわかるでしょ!?
それなのに、さっきからガミガミと説教をたれるコイツを誰かどうにかしてください・・・・。
「おい!聞いているのか!?」
「聞いてるよ!だからちょっとボリューム下げて!!」
「そんな口答えする元気があるならもう心配は要らんな!」
「どんな了見だよ!!」
本当に何しに来たの!?
お見舞いに来たんじゃなかったの!?
そんな説教しに来たなら帰って欲しい。
「いまさら何言ったってさ、もう風邪引いちゃったんだから仕方ないじゃん!」
「そんなたるんだ精神をしてるから風邪など引くんだ!」
「たるんだ精神で結構です!だからもう帰って!!」
「何!?」
「弦一郎がいると余計に悪化しそうだよ・・・。」
風邪なんて引いたのは小学校の低学年以来で、
体が弱ると心も弱っちゃうのか、弦一郎に逢いたいな・・・なんて思ってた。
お見舞いに来てくれたと聞いてすごく嬉しかった。
逢いたかった弦一郎に逢えてすごく安心した。
なのに・・・・・。
部屋に入ってくるなり、説教、説教、説教の嵐!!
それでなくても頭痛がするのに余計に頭が痛くなるし、
なんとなく熱も上がってきた気がする・・・・。
もうこれ以上弦一郎の顔を見てられなくて、頭から布団をかぶると、
慌てた弦一郎が、さっきまでとは全然違う優しい声をかけてきた。
「す、すまない・・・。ついつい説教くさくなってしまった・・・。」
「『くさく』じゃなくてモロ説教でしょ?」
「むっ・・・。すまない。」
「やだ。許さない。」
布団の向こうでオロオロしているだろう弦一郎を思い浮かべると笑がこみ上げてきたけど、
必死でそれを絶えながら、布団から半分だけ顔を出した。
「反省してる?」
「病気で床に伏せている者に声を荒げるなど・・・・配慮が足りなかった・・・。」
「そんな堅苦しい侘びなんていらない。」
「ではどうしろと・・・?」
どこまでも律儀で、どこまでも真面目な弦一郎。
そんな弦一郎が好きだけど、こんなときくらいは甘やかして欲しい。
半分だけ出していた顔を全部出し、私は瞳を閉じて唇を突き出した。
「何をしている?」
「キスして。」
「なっ!?」
「キスしてくれたら許してあげる。」
別にいまさら照れるような仲でもないくせに、
キスひとつで真っ赤になる弦一郎に堪えきれず噴出せば、
「か、からかったのか!?」とさらに顔を赤くして怒り出してしまった。
「からかったんじゃないよ!」
「ではなぜ笑う!?」
「弦一郎が照れるから。」
「て、照れてなどおらん!!」
「じゃぁ早くキスしてよ。」
「し、しかしだな・・・・」
「キスくらいで風邪がうつるようなたるんだ精神してないんでしょ?」
「当たり前だ!!」
「ならは・や・く!!」
こんなに我侭なのも、こんなに積極的なのも、きっと熱のせいだから・・・。
そんな言い訳を心でしながら、
もう1度瞳を閉じ、顎を上げて唇を突き出した。
ワガママなキッス
(む?顔が赤いぞ?熱が上がったのではなかろうな!?)
(そうだとしたらそれは弦一郎のせいでしょ!!)
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風邪引きシリーズ第2弾。
なんか甘いのかギャグなのかわからんくなったけど、
真田ならこんなんもありだよね?ww
午前中に病院に行って診察を受け、
子供達は無事に通学許可証をもらいました!!
これで来週から学校&幼稚園に通えます!!
私は「お母さんはもうひと頑張りですね。」と言われました・・・。
はい。頑張ります。ww