お友達・川上徹也さんの最新刊を購入し、読み終えましたので
今日はその紹介です。
この本は現大阪市長・橋下徹氏の演説と、悪名高いドイツの独裁者・ヒットラーの演説を分析した結果、
やはり共通点が多かったため、その危険性に警鐘を鳴らすものです。
具体的には仮想敵を作る、欠点を抱えた主人公を演じる、自分と国家を重ねあわせる、
などなど。
論より証拠。本書には本物の演説が掲載されているので、2人の類似性は疑いようがありません。
それでも私をはじめ、皆さんも「橋下氏が独裁者になる」という絵を
具体的にイメージできないのでは
ないでしょうか?正直なところ。
本書がいまいちピンと来ないのには理由があります。
それは今の日本が「平和すぎるから」です。
多くの人は衣食住に困らず、最低限の貯金があり、安定した収入を得ています。
だから、仮に橋下氏が巧みに煽動しようとしても、
見破ることができるだろうと、タカを括っているのです。今は。
とはいえ、ヒットラーが勢力を拡大し始めたのは、ドイツが平和だった時代ではなく
第一次世界大戦に負け、国内がメチャクチャだった時代です。
ハイパーインフレが起こり、パン1つが何万円もする異常事態。
大手企業は倒産し、町中に失業者があふれ、盗難や強盗など犯罪が急増する・・・そんな混乱期に
ヒトラーが「都合のいいこと」をふれて回ったから、国民は「見破る」ことはできなかったのです。
では日本はどうでしょうか?まだ数年は大丈夫ですが、近い将来、財政が破綻するでしょう。
もしも、日本国内が当時のドイツと同じような状況になったら、
確かに甘い言葉にそそのかれる危険は十分にあるでしょう。
ただ、100人に99人は甘えん坊なので、現実的には
「今のうちから気をつけようよ」と言ったところで
大半の人は聞く耳を持たないでしょう。目の前に危険が迫ってくるまでは。
だから、本書と一緒に、この本を読むのが良いと思います。
基本的には漫画なので薄っぺらいですが、「日本が財政破綻したら、どうなるのか」
かなりリアルに、そして要点をつまんでいるので、「わが身」として、とらえることができます。
特に「預金封鎖」は秀逸です。
実際、橋下氏も登場するのですが(苦笑)この漫画のなかで、
橋下氏がヒットラーばりの演説をしたら
民衆がどうなびくのか、それを想像しながら、本書の演説実例を読むと、さらに面白いと思います。