【イタリア映画祭】」「処女の誓い」まだ女性が付属品のように思われている地域があるんですね。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

イタリア映画祭、1作目は、「処女の誓い」を観てきました。


ストーリーは、

女性の地位が低いアルバニアの山村。自由を求める少女ハナは、伝統的な掟に従って終生処女であり、男として生きることを誓う。だが、成長するにつれて抑えきれない感情が生まれ、イタリアに旅立つ。アルバニアとイタリア、過去と現在、男性と女性といった対照を描きながらも、それをあまり感じさせないように描いています。

というお話です。


処女の

アルバニア北部の村で育つハナとリラ。その地域は、古い慣習に縛られていて、女性は、制限が厳しくて、外に出て遊ぶ事は出来ず、男性のやる仕事を女性がやってはいけないと決められています。活動的だったハナは、父親(叔父ですが。)が銃で狩りをしていれば、自分もやりたいと思い、馬にも乗ってみたいと言って、外に出てしまいます。


その度に村の男性の怒られ、このままの生き方はイヤだと思い、男性と同等の権利を得ることが出来る「宣誓処女」をする事にします。これは、生涯純潔で女性的容姿を封印する事を誓い、男性・マルコとして生きる事を許されます。

処女の

一方、リラは、こんな村で、顔も知らない男性と結婚させられるのを嫌い、好きな男性と駆け落ちをして、イタリアのミラノに行ってしまいます。それから14年ほど経ち、ハナがリラを探して、訪ねてきます。ハナは、男として生きていても、アルバニアの村で満足出来ず、やはり息苦しさを覚えて、父親が亡くなったのを機に、イタリアに出てきたのでした。

リラは、今さら自分を訪ねてきたハナに嫌な顔をしますが、ハナは頼るところが無いので、そのまま居候させて貰います。リラの夫も協力をしてくれて、仕事を見つけ、段々と都会の生活に慣れていくハナ。リラの娘のヨニダに付添い、シンクロナイズドスイミングの教室に顔を出すようになったハナは、そこで女性としての目で男性を見るようになります。

女性を捨てて男性として生きていたハナは、段々と、女性としての自分を取り戻し、自由を手に入れて行きます。そして・・・。後は、映画を観て下さいね。

処女の

いまだに、こんなに女性を付属品のように思っている地域があるのですね。家から出てもいけないし、外で遊んでもいけない。家の中にいて、決められた人と結婚するまでは、純潔を保って、結婚する時は、目隠しをされて、戻ってこれないように出されるなんて、もう、許せませんっ!オイオイ、いい加減にせーよって言っちゃいますよ。女性にだって、意志があるんだから、ペットのような扱いは止めて欲しいよね。

そんな世界に生まれてしまったハナとリラ。大変だったんだろうと思うけど、もし、それしか知らなかったら、それで納得してしまっていたかも知れません。でも、ハナもリラも、そこでは息苦しくて耐えられなかったんですよね。ハナは、男になっちゃうなんて、驚きました。でも、別に、身体は女のままだし、心だって女なんだから、この”宣誓処女”なるものって、体裁の良い男たちの誤魔化しなんでしょうね。五月蠅い女を、こうやって黙らせて、同じように働かせる理由付けみたいなもんかも。

処女の

ハナは、身体は女のままだし、心だって女なんだから、女の幸せが欲しくなっちゃうのは当たり前だろうし、子供の頃は良いけど、いい年齢になったら、女に戻りたくなるよね。当たり前ですよ。でも、アルバニアの村に居たら、それは出来ない訳でしょ。マジで可哀想だと思いました。

そんなハナも、イタリアに出てきて、自分を見つめ直して、女としての自分を受け入れる事が出来てきたんじゃないかな。ヨニダの姿を見て、青春を謳歌している女の子が目の前に居て、自分が出来なかった自由をこの子は手に入れているということが、彼女を納得させたような気がしました。こんな苦しみは捨てていいんだって思ったんじゃないかしら。


処女の

私は、この映画、お薦めしたいと思います。自由を楽しんでいる私たち女性とは反対に、同じ世界の中で苦しんでいる女性も居るのだと言う事を知ることって、大切だと思います。何にでも、相対するものがあり、それぞれに良い部分があるんだと思います。自分に合った世界を見つける事が、幸せにつながるんだよね。うーん、考えてしまいました。まだ、公開は決まっていないようですが、観れる機会があれば、ぜひ、観てみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ





イタリア映画祭 2016     http://www.asahi.com/italia/2016/