イタリア映画祭、2本目は、「ローマ法王の休日」です。
すごい人気で、前売り券は売り切れ、当日券も、あっという間に売り切れたようです。でも、これ、7月21日から公開されるんですよ。みんな、早く観たかったのかな。
ストーリーは、
ローマ法王死去。この一大事を受け、新法王選出のためヴァチカンに集まる各国の枢機卿たち。彼らは全員、心の中で必死に祈りを捧げていた。「神様、一生のお願いです。どうか私が選ばれませんように」。そして新法王に選ばれてしまったのが、ダークホースのメルヴィル。彼は大観衆を前に演説をしなければならないが、あまりの緊張からローマの街に逃げ出してしまい…。巨匠モレッティが描く、法王版・ローマの休日。
というお話です。
法王を決めるコンクラーベ。もちろん、予想枠なるものがあって、大体が、その予想されていた人の中から選ばれるはずなのですが・・・。法王の仕事は過酷を極め、個人の意思で自由に動くことはまかり通らないし、まして、その重圧となると、もう、予想がつかないほど重いと思います。だって、世界の中のキリスト教徒のトップですよ。彼らの事をいつも思い、祈らなければならないのだから、そりゃ、辛いですよ。だから、実は、皆さん、あまり選ばれたくないと思っているんです。そして、投票はいつまでもまとまらず、枢機卿たちは、ある程度話し合いをして、まったく予想されていなかったメルヴィルという枢機卿を法王として選んでしまいます。
選ばれたメルヴィルは、まさか自分が選ばれるとは、まったく思っていないし、もう、どうして良いやらということで、パニックに陥ります。そりゃ、そうですよねぇ。ぼんやり座っていたら、明日から国王になるんですよって言われても、はぁ?って感じですよね。あまりにもパニクってしまい、ヴァチカン広場にいる信者への挨拶も出来ずに、部屋に閉じこもってしまい、枢機卿たちは、彼が落ち着くのを待つのですが・・・。
とっても面白いコメディでした。法王を決める大変な選挙を、こんな風にコメディにしても良いのかしら。ヴァチカンは、了承したんだろうけど、本当に面白いです。偉大な法王や枢機卿も、本当は一人の人間なのだということが、とてもかわいく描かれていて、良かったです。可愛いって思ってしまいました。
実は、途中で枢機卿たちがバレーボールの試合を始めるのですが、これ、あんまり意味が解りませんでした。まぁ、バラバラの枢機卿たちが、コミュニケーションをとって、仲良くなるというのは解ったのですが、それだけなの?ちょっと、ここら辺で、ウトウトしてしまいました。
でも、全体的には、面白いテーマだし、法王に使命されたメルヴィルの気持ちは重く、それに反して、枢機卿たちの期待、教徒たちの期待は大きく、このバランスが微妙に良くて、楽しめました。ちょっと今までに無い内容なので、とても楽しめると思いますよ。ひとつだけ言うと、私、最後に、”ええ~!!”って叫んでしまうようなエンディングでした。こんなことあって良いの?驚くと思いますよ。
私は、単館系の映画が好きな方には、お薦めしたいと思います。派手な話ではないので、大型シネコンなどでやる映画とは違います。でも、雲の上の人というイメージの法王様が、なんだか近い人なのかもって思えるような、ステキな映画ですよ。私は、楽しめました。ぜひ、楽しんできて下さい。7月公開です。
・ローマ法王の休日@ぴあ映画生活