今日は、ショートショートシアターに行って、「なでしこプログラムとアートプログラム」を観てきました。
なでしこプログラム
エドガーとエリザベス (Edgar & Elizabeth) オーストラリア
シャイな新人コピー係、エリザベスからのSOS!やって来たのはどもり気味のコピー機修理工、エドガー。二人はお互いを意識しながらも、敵対心むき出しのコピー機に悪戦苦闘する。
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とってもかわいい、一風変わったラブストーリーでした。面白かったですよ。17分半くらいのものですが、内容もよく、設定も面白かったです。満足した作品です。それにしても、凶暴なコピー機って・・・。笑える。
鏡の中 (On Reflection) フランス
女優の卵のアナはオーディションに明け暮れるも、いつも失敗ばかり。ある日鏡の前で悪態をついていると、鏡のなかのもう一人の自分が話しかけてくる。
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これ、ショートフィルムなのに、映画に負けないほどの内容でした。サスペンスです。ちょっと雰囲気は、ブラック・スワンっぽいかな。ストーリーも映像も、よく出来ていました。22分半ほどのフィルムですが、これを2時間の映画にしても、作れてしまうと思います。エンディングで製作中の映像が流れるのですが、長編映画と同じように作っていました。ショートにしておくのは勿体無いほどの作品でした。
ストーーーップ! (Noooooo) ドイツ
青年がベルリンの街を歩いていると、上から何かが落ちてきた。驚いて頭上を見上げた彼は、そこで起こっていた出来事を見てさらに仰天する。屋根に駆け上がり、若い女性を助けようとする青年。彼は彼女を救えるか?いや、最後に助けを必要としたのは彼なのかも…。
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こういう女、居るよなぁって思うような、イヤな女が主人公でした。死ぬ死ぬとか言って、男を引き止めるとか引っ掛ける女です。酷いよねぇ。でも、笑えますよぉ。11分ほどのフィルムなんだけど、ツッコミを入れてしまうほどの内容でした。ま、真面目に観ていたら、笑えないかも知れないけど、私は、居る居るそういう女って、目一杯笑ってしまいました。
アートプログラム
NEXT FLOOR カナダ
豪華絢爛の晩餐会。美食を求める11人のゲストは召使たち。まるで虐殺のような、このグロテスクな晩餐で、発せられる唯一の言葉「Next Floor」。
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これ、以前も観た作品です。前の感想を読んでね。
Coming Clean オーストラリア
デニスはお風呂場に残された一本の毛で、妻の浮気に気づく。自分も浮気をしてやり返そうとするも失敗した彼は、脱毛サロンから盗んだ毛と風呂場の石けんを使って、妻を負かそうと企む。
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毛を石鹸の上で動かすアニメーションで、面白いけど、子供には観せたくないなぁ。アニメーションとしては、よく出来ていると思いました。内容は、たいして無いんです。
720 Degrees バングラデシュ
カメラの前で回る地球。その上で、人そのものや人間関係が変化していく。歴史は移ろい、時間ははかなさを映し出す。人間の結びつきと、人々の現実に対する認識の違いを探究する物語。
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これも、アート的なフィルムで、内容という内容は無いんです。観ていて、不思議な感覚ではありました。
灯花 日本
吹雪によって電柱から落ちてしまった電灯と、その灯りのぬくもりの中で芽吹いた一輪の花との「きずな」を描いた物語です。冬の厳しい寒さのなかで、お互いに共感しながら必死で寄り添う二人の姿を見守ってください。
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このプログラムの中で、唯一感動出来る作品です。アニメーションとしても、アートとしても美しいし、言葉は無いのに、感動させてくれます。
Conversation Piece イギリス
ある日曜日の朝、大事な花瓶が欠けていることに気づいたジーンは、夫のマウリスにあの手この手で白状させようとする。劇中で流れるのは、ジャズ界の名手レックス・スチュアートが1966年に即興で演奏した『カンバセーション・ピース』。コルネットの音色に、夫婦のセリフをテンポよく乗せたユニークな作品。
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音楽がセリフになる、面白いフィルムでした。とってもおしゃれで、アート的ってこういうものじゃないかなぁって思いました。私は、好きな作品です。
MEAT 日本
肉で出来ている人間は、肉を愛でながら肉を叩き、蹴り、引きちぎり、焼き、喰らい、肉を排泄しながら肉を欲す。肉は脳。肉は涙。逃げる肉。踊る肉。悶える肉。肉は生きている。奴らは死んだ。希望行きのバスは逆戻り。永久連鎖の肉物語。
<マチュア・コンテンツ>:この作品には性描写・暴力描写などが含まれています
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見たことのある絵で、きっと有名な方の作品なんだと思うけど、私は、観ていて気分が悪くなりました。途中で観るのを辞めたかった。絵もグロテスクだし、内容も、人間を肉に加工して、その肉を人間が食べて、排出して、その排出物を肉ちして食べるみたいな、そんな感じで、もう、気持ち悪いったら・・・。人に不快感を与えるものは、アートじゃないと思うんですけど、有名な人が作ると、アートとして売り出されてしまうんでしょうね。ハッキリ言って、芸術=アートって、以前も書いたけど、お金を出してくれるパトロンが居れば、芸術になってしまうんですよね、どんなに酷くても。無理やり価値を持たせて、お金儲けする為の道具なんだと思います。
それにしても、酷いフィルムだった。二度と観たくないです。
と言う訳で、楽しい作品、面白い作品、イヤな作品、色々あった2プログラムでした。「なでしこプログラム」は、とてもお薦めしたいプログラムでしたね。どなたが観ても、楽しめると思いますよ。
ぜひ、ショートショートフィルムを楽しんでください。
「ブリリア ショートショートシアター」 http://www.brillia-sst.jp/