今日は、「ジーン・ワルツ」の試写会に行ってきました。
試写の前に、サプライズゲストがあり、映画に出演している、桐谷美玲さん がいらっしゃいました。とってもスリムで、可愛い方でした。初めての妊娠、出産の演技で、理解するためにＤＶＤを何度も観たそうです。浅丘ルリ子さんや菅野さん達と”山手線ゲーム”で撮影の合間に楽しんだそうですよ。
ストーリーは、
医療の最高峰、帝華大学病院の医師・曾根崎理恵（菅野美穂）。天才医師である彼女は、廃院寸前の小さな産婦人科医院「マリアクリニック」で院長代理も勤めている。しかしそこではあるうわさが…それは禁断の“治療”とよばれる行為について。病院に通うそれぞれ事情を抱えた4人の女性たち。その謎を嗅ぎつけ、同じく帝華大学病院に勤めるエリート医師・清川吾郎は理恵の周辺を探り始める。果たして病院に隠された計画とは…？
というお話です。
私は、原作を既に読んで、楽しみにして行ったのですが、はっきり言いましょう。原作の意図しているものとは違うものが描かれていました。原作は医療サスペンスミステリーで、子供が欲しいけど産めない女性が、最後の希望として人工授精をという話で、では人工授精もダメな場合、最後はどこに行き着くのかというお話なんです。でも、その行き着いた先には、恐ろしい問題も待ち構えているというサスペンスミステリーなんですが、その恐ろしい問題などは、全て消されていました。やはり、映画として万人の目に触れる事を考えると、ダークな部分は消さなければならなかったのかなぁとガックリです。
確かに、この原作をそのまま映像にしたら、婦人団体などから反感を買うかもしれないという内容なので、解らないでもありません。ですから、この映画を観る前に原作は読まないほうが良いかも知れません。映画だけを観るのでしたら、ちゃんとまとまっているし、命の誕生は奇跡で、とても幸せな事だという話で終われます。映画鑑賞後に原作を読むと、まったく違うダークな内容に、驚いて、超楽しめると思いますよ。
現在の産婦人科医の置かれている状況がどれほど大変なのかということが、とても良く描かれていて、やっぱり国に考えてもらわないと、これから出生率なんて下がっていく一方だと思いました。一般人の妊娠に対しての認識があまりにも低いので、どれほど危険な事なのかということが分かっていなくて、結局、産婦人科医に負担が行ってしまっているんです。命を助けようとしているのに、医療ミスだと言われ、罪に問われたり、全く理不尽なことばかりです。こんな事ばかりだったら、産婦人科医なんてやるより、整形外科医になって楽したいと思うのは当たり前ですよね。産婦人科医は、リスクがありすぎるということを、考えさせられます。
不妊治療に関しては、お金も掛かるし、必ず妊娠に至るとは分からないでしょ。無事に着床しても、子供が健康に育つとは限らない。そして、そもそも、本当に自分の卵子と夫の精子だったのか、生まれるまで確認が出来ない。カッコウの托卵のような事をされているかもしれない。考えれば考えるほど、恐ろしいです。
今も色々問題になっていますが、代理母というシステムは、日本では倫理的理由で自主規制がかけられており、行なわれていません。この映画の中では描かれていませんでしたが、１０ヶ月もお腹で育てていたら、自分の遺伝子を持った子供ではないと判っていても愛情が沸いてしまいますよね。手放したくなくなるかもしれない。
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題名は、ジーン・ワルツなのですが、ワルツというと、円舞曲で楽しいけどちょっと小悪魔的な雰囲気があると思うのですが、この映画は、小気味良く４分割されているようなテンポで、規則正しく波が打ち寄せてくるように思えて、ワルツというより、ソナタっぽいなぁと思いました。毒が無いんです。 - 色々な問題を孕んだ映画ですが、描かれているのは、命を大切にということなので、あまり考えずに観に行ってください。そして、観た後に、この原作を読んで、色々な事を考えていただけると良いと思います。
- 海堂先生の原作、とても面白いので、お奨めですよ。
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