今日は、”告白”の試写会に行ってきました。
ストーリーは、
とある中学校の1年B組、終業式後の雑然としたホームルームで、教壇に立つ担任の森口悠子(松たか子)が静かに語り出す。「わたしの娘が死にました。警察は事故死と判断しましたが、娘は事故で死んだのではなくこのクラスの生徒に殺されたのです」教室内は一瞬にして静まりかえり、この衝撃的な告白から物語は始まっていく……。
というお話です。
原作の感想を書いた時も、怖いという感想を書いたと思うのですが、映像になると、またそれを上回るような怖さがありました。もちろん、原作は、文字を読むということで、頭の中での想像がMAXで怖さがあったのですが、映像になると、その子供の表情や、先生の能面のような顔、母親の盲目な愛情が、画面いっぱい、こちらに訴えてくるので、怖さ倍増なんです。この映画は、ぜひ、観るべきだと思います。
但し、病気の方への配慮が大切だと思う方や、子供を守るだけの愛情が大切だと訴える方にとっては、この映画は、それから外れているので、ダメな映画だという意見も出るかもしれません。でも、守るだけ隠すだけが良いことではないんです。もっと公にして、誰もが知識を広げ、子供に対しての大人の態度を考えるべきだと思うのは間違えでは無いはずだと思います。この映画を観て、病気へ理解を広げることも必要だし、子供に対しての認識を変えることも必要だと考えました。

まず、子供たち、大人をなめるなと言いたいです。実は私も、子供の頃、大人なんて、適当に良い子の顔をしていれば、いくらでも利用できるくらいに思っていました。確かにそうです。でも、大人は大人で、そんなこと、許容範囲に入っているんです。ある一線を超えてしまった子供には、トンでもない制裁を与えようと思えば与えられるし、与えることも有り得るのだと。子供は、それを判った上で、悪いことをしたりする必要がある。それが、人間が社会に適応していく勉強なんだと思います。そういう事を、この映画は、とても解り易く、私たちに訴えてくれているように思えました。
大人は、大人としての制裁の与え方があります。相手が子供でも、バカにすることなく、対等だと思って相手をしてやることも、子供の為になるのではないでしょうか。大人が真剣にならなければ、子供に伝わらないことも多いのだと思います。

そして、子供たち、確かに頭の良い子や天才と呼ばれる子、たくさんの子供が居ると思いますが、どんなに才能があろうとも、大人の経験値に勝てるものはありません。最初の1,2回は、大人を騙せても、大人には経験値があります。必ず、子供を上回り、撃退することになると思います。但し、大人が子供をなめてかかっていると、負けることもあると思いますけどね。
大人と子供、どちらも人間です。バカにするのではなく、どちらも真剣に付き合えば、分かり合えるのだと信じています。この映画の子供たちは、普通の中学生です。どこでボタンを掛け違えたのか、大人と上手く関われなくなってしまった子供と、その犠牲になった大人のお話です。いつ、自分の周りで起こるかもしれない出来事なので、私は、ぜひ、皆さんに観ていただいて、考えていただきたいと思いました。
一応、笑える場面もあるんですよ。担任だった森口の代わりの教員ウェルテル(岡田くん)のKYぶりが素晴らしいです。原作を読んでいるからか、とても笑えました。でも、周りの方は笑って無かったかな・・・。
私は、とてもお勧め映画です。原作をほとんど曲げずに映像化してあり、表情が見える分、恐ろしいし、すごい迫力の映画になっています。私は、すごくお勧め映画です。ぜひぜひ、ご覧になってください。
余談ですが、私も、美術の教員免許を持っているんですけど、この話を知って、教師という職業がどんなに精神的に大変なのか、少し解かりました。今更ながら、教員の職に就くのは難しいなと思った次第です。教職員の皆様方、大変だと思いますが、がんばってください。m(__)m