スサノオで~す
今日も僕らは神社へ来ていた。
ジャボン!
ペチョ!
ペチョ!!
ゴクン!!
ピッ!!
ジャー!!
ゴトン!!!!
ス「何してんの?」
あ「手水」
ス「あぁ、手水ね。擬音がキモい」
あ「擬音がキモいて!」
ス「て、いうかさ?」
あ「ん?」
ス「お前そもそも、何で神社で参拝する前に手水をするか知ってる?」
あ「身を清めるため?」
ス「そうやねんけど、何で身を清めるのか知ってる?」
あ「失礼の無いように?」
ス「その答え、お前の頭や」
あ「どゆこと?」
ス「ちょっと足りん」
あ「上手い!座布団一枚!!って、くぉらぁ!!」
それはそれとして
ス「前、日本の神さまにとって一番尊い行為。
それは『産霊(ムスヒ)=新たな生命を産みだすこと』って言ったやん?」
あ「うん」
ス「そして、その生命を産みだすために、
『自分自身の生命も明るく、楽しく、元気いっぱいにすること』が、神が人間に一番望む生き方やってことも言った」
あ「うむ」
ス「じゃあ、その逆に神々が一番嫌うことは?」
あ「手がカサカサになること」
ス「それは『手荒れ』や。確かにイヤやけど」
あ「『穢れ(けがれ)』です」
ス「そう。『穢れ=気枯れ』。
要は『元気(生命力)が枯れてしまうこと』。
その状態になると、人間も植物も動物も、新しい命を産みだせないってことやねんけど。
ここからさらに踏み込んだ話が1つある」
あ「?」
ス「古来より、人間は穢れた状態の時に罪を犯すと考えられていた」
あ「と、いうのも?」
ス「そのまんま。
本来の人間というのは、尊く、心清らかで、美しい。
罪を犯すのは、『穢れに包まれて、何かしらの過ちがあった』っていう考え方。
要は究極の『性善説』。それが『神道』やねん」
あ「ほう」
ス「ただ生きている以上、誰しもが様々な場面で怒りや恨み、嫉妬、今でいうストレス、様々な『穢れ』をまとうことがある。それが人生の災いを招く。
それを祓って『元の素晴らしい自分に戻りましょう』っていう場所が、『神社』やねん」
あ「穢れを祓う?」
ス「そう。そのための1つが手水。『穢れを祓う』方法ってのはいくつかあるけど、最も代表的なのが『禊』な。
古事記にも書いてるやん。黄泉の国に行った俺の父ちゃんイザナギが、地上に帰ってきて、黄泉の国でついた穢れを祓うために河に入って禊しましたっていう話」
あ「それで穢れが祓われた時に、あなた含む偉大なる三貴神(アマテラス、ツクヨミ、スサノオ)が生まれたって時の話ね」
ス「そうそう。まぁそれは別の話として、神社の手水はあの『禊』を簡略化した作法ってこと。清らかな水で、心身の穢れを祓う」
あ「なるほど。それで僕たちのみなぎるパワーが復活するわけか」
ス「まぁそれもちょっと語弊があるけど(笑)
要は神社で神が人間にパワーを与えるっていうより、元々あった自分の中の素晴らしい自分が復活するっていう意味では間違ってない」
あ「主体はあくまで自分ってことね」
ス「そうそう。あんま長くなってもあれやから、これぐらいにしとくけど。
手水の他にも、神社には『穢れ(気枯れ)を祓う』っていう観点で見てみると、見えてくることがたくさんある。
掃除が徹底されて凛とした空気、
境内の鈴の音、
賽銭、
鳥居をくぐる時の心構え、
お祓いの時に神主さんが振る紙垂の音。
全てどこかで『穢れと祓い』が関係してる。
『穢れと祓いを知れば、神道の本質が見えてくる』っていうほどな。まぁ、ここら辺はまた今度話すわ」
あ「よっしゃ!じゃあ気合い入れてもっかい手水してきますわ!!」
ス「ちゃんと心を込めてな。俺に趣を感じさせろ」
チャポン(柄杓を入れる音)…
ペチョ…ペチョ(右手、左手水をかける音)…
ゴックン(口に水を含む音)…
ピュッ(水を出す音)…
シャー(柄杓を洗う音)…、
コットン(趣深く柄杓を元の位置に戻す音)…。
ス「やっぱお前の擬音キモいわ(笑)」
ス「まぁ、最後に手水舎よく見てみ」
現在『歴史部門』第2位!!
↑↑↑↑↑
―――――――――――――
※『笑って、泣いて、神話を学ぶ』、日本の国の始まりと神々のルーツを知る史上最古の連載ファンタジー『アウトロー古事記』、第1話目はこちら☆
※インスタグラム、twittterでは日々のより細かい日常を発信していますどうぞこちらもフォローしてくださいませ
インスタグラムID⇒arakawayuji0325
twitter ID⇒@arakawayuji
※ゴミ拾いや普段の講演活動について分かる映像はこちら
※講演会や書籍情報、各種お問い合わせについてはこちらからどうぞ
⇒『荒川祐二オフィシャルサイト』