長年使い続けて来た、16オンスのグラブ。
男どもの汗と血とワセリンをたくさん吸い込み、重くなっています。
どれだけの若造をこのグラブで殴って来た事か。
もうボロボロなんです。
私「葉子、葉子はいるか?」
葉子「ここよ。アキバくん」
私(グラブを差し出しながら)「こいつを、こいつをよもらってくれ、あんたによ、もらって欲しいんだ」
葉子(グラブを受け取り)「・・・」
日干ししていないからこれ使うと、指先から獣の死骸のような匂いがしちゃうだけなんですけどね~。
ほんでもって、新しいグラブを買いに行きました。
SBSの真っ白なグラブ。
これが返り血で、真っ赤になる日もそう遠くはないよね。
ケケケ。
紀ちゃんに言われました。
紀子「アキバくんは淋しく無いの?同じ年頃の若者が街に海に山に青春を謳歌しているというのに・・
・」
私 「俺は負い目や義理だけでムエタイやってるわけじゃねえんだ。ムエタイってのが好きだからやっ
て来たんだ。紀ちゃんの言う青春を謳歌するってのはちょっと違うかもしれねえけどよ、俺は今
まで何度も燃えるような充実感を味わって来た。血だらけのリングの上でよ。ほんの瞬間にせよ
眩しいほど真っ赤に燃え上がるんだ。燃えカスなんて残りやしない。真っ白な灰だけだ」
紀ちゃん、行っちゃったよね。
こんなセリフ言ってみた~い!と常日頃考えているへっぽこ草ムエタイやっている40歳の私、嫌いじゃないね!