さあ、いよいよメイン!
華名 vs真霜拳號。
プロレスファンは馬鹿が好き。
プロレスに対して他人が見れば馬鹿と思われるほど真面目だったり、一途だったり、一筋に打ち込んだり、あるいは逆に考えられないほどハチャメチャだったりするような選手が好き。
その意味で華名もやはり「愛すべき馬鹿」なのだと思う。
ずーっと考えていた。
女vs男。
京都大会の対戦相手は真霜拳號でなければならなかったのか?
答えは「そうだったのかもしれないし、そうでなかったのかもしれない」。
普通に考えればSMASHの初代ディーバ王者となったばかりの華名が、これほど勝つ確率のきわめて低い相手と対戦するなんてリスク以外の何物でもない。
華名は神取忍ではないしシャーク土屋でもない。180センチ、100キロの真霜と闘って、勝てる見込みなんてほとんど無いし、簡単に華名が勝ってもそれは「プロフェッショナル・レスリング」のポリシーに反する。
勝ち負け以上に、試合そのものの価値が問われる点でもリスキーなカードだった。
そして真霜にとってもリスクが大きな試合。K-DOJOの看板王座を保持する者として勝って当然、勝ち方、試合内容も問われる。
果たして試合で真霜は、容赦なく強さを見せつけた。余裕を見せる場面はあったが、決して華名のことを舐めてかかってるようには見えなかったし、礼を尽くすかのように華名を苦しめた。
真霜はこれまで、実に様々な団体に参戦し、それこそ様々なスタイルの選手と対戦している。その積み重ねが、誰が相手であっても観客を喜ばせる試合をするプロの技術を培っていた。
終わってみれば、やはり真霜拳號の「強さ」を思い知らされる一戦だった。
「勝率を上げる試合よりも、無謀と思われても立ち向かう姿を見せたい」。
うん、記憶頼みなんで正確じゃ無いケド、そんなことを華名は語った。
TAJIRIが語った「負けると人気が落ちる? そんなの関係ない」という言葉を思い出した。
勝敗にこだわるのは当たり前かもしれないけれど、ファンは負けたからといって離れはしない。
プロレスラーとして、プロの何たるかを見せてくれる選手にファンは惹かれるのだ。
無謀な闘いであったかもしれないが華名は、強さを求める自らの姿勢を京都のリングでハッキリと示してみせた。
強さを求めていれば強い相手と闘いたくなる。それは、ごく当然のことだろうし、相手が男であろうが女であろうが関係無い。
真霜を相手に厳しい闘いを終えた後もファンサービスに努める華名。
華名がプロレスラーとして強さを求めるのだから「女子プロレス」の枠内で収まりきらないのは当たり前なんだろう。
無謀かもしれないし、馬鹿かもしれない。けれども今、彼女のプロレスを求めるファンが確実にいる。確たるニーズがある。
彼女が強さを求め続ける限り、華名のプロレスは面白くあり続けると感じた京都の夜でした。
以上。
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