TVのコンテンツ。 | ゴウブログ

ゴウブログ

シンガポールでがんばってます。


今朝の電車内で、こういう会話が聞こえました。


男性:「最近のテレビ番組ってさ、なんかクイズモノが多いんだよね。アレってさ、きっと制作側が視聴者を引き付ける番組が作れなくなってきたんだよ。しかも最近はコスト削減とか何とかで大がかりなセットもやらないから、観ててもつまんないんだよね。俺が若かった頃、TV番組制作に携わる時はいつも真剣にやってた。最近の若いのはなんかそのコンテンツを作るという真剣さがないような気がしちゃうんだよね。WebTVや携帯のワンセグもあるし、このままだとTVは無くなるかもね。」

女性:「へぇ~、そうですかねぇ」 (・・・と流す 笑)


50歳くらいの男性と、若い女性。上司と部下という感じでしょうか。広告業界の方々なのかは不明。



真剣さについては、僕は当時のことを知らないので何とも言えませんが、確かに最近はクイズ番組が多い。大がかりなセットも、筋肉番付とかくらいしかないのかな。(よく知らないけど 汗)


でも、男性が話したTV番組がつまらない理由には違和感があります。もちろん制作側の理由もあるのかもしれないけど、僕はそれよりも社会情勢やメディアの位置・価値が変化してるからそうなっているんだと思うから。力道山、紅白、ドリフ、たけし城、朝ドラ、連ドラ、月9などが流行ったのは、コンテンツだけでなく視聴者のスタンスも大きかったはず。一概にTV番組の制作側の怠慢だと片付けるのはちょっと乱暴じゃないかな。


TVは、今も昔も家庭内の重要なポイントで度々登場してきます。朝食時、夕食時、週末、年末年始、スポーツのイベントなどなど。今も昔も、変わらず家庭の中心になる時がある。情報源としてのTVの役割は大きく減ったものの、娯楽としての位置づけ、そして家族全員でそれを見るというのは、携帯やPCの画面にはまだまだ勝てないでしょう。


クイズ番組は、視聴者は番組の進行をまるで自分のモノと捉え、番組と一体感を感じることができます。夕食中の家庭であれば、みんなでアレだコレだと正解を予想して、楽しいし。「ぁあ~!間違えた~!わっはっはー!」とか 笑。クイズ番組を一人で携帯で見ても楽しくないし 笑


そういう、社会の中でのメディアの役割が急激に変わってきている中でコンテンツも変わってくるのは至極普通なこと。その中で「昔と比べてアレだねぇ」という比較に関しては、基準や前提条件をきちんと持った上で比較しないと、間違えた結論が導き出されそうです。(今回で言うと上記「TVは無くなるかも」という部分)


TVのように決められた尺がなく、インタラクティブ性があり、ニコ動やUストのように一度に大勢が見ることができ、即時性な口コミがあるWebも、家庭内におけるTVの役割にはまだまだ追いついていません。(TVのWeb機能は置いといて)


TVのコンテンツは、そういう社会的な位置づけ・立ち位置・価値などを考えた上で視聴者とのStoryやContext作りが大切なんだと改めて感じるとともに、Webコンテンツについても考える良い機会になりました。


50歳くらいのおじさん、ありがとうございました。