納豆3 | 流れ星ネコのまた旅日記

納豆3

 日本に帰国する方から、納豆作成キットをいただきました。
 帰国時には、皆さん、残った食材を残留日本人に分配します。
 お別れは悲しいのですが、悲しみの中の悦びが、この食材分配の儀式です。
 そして、その方から私が譲り受けたのが、納豆作成キットでありました。

 納豆キットは、ダンボール箱、保温用発泡スチロールがメインツールですが、用縦横10cmほどの、例の発泡スチロール製納豆容器(製造者ラベル付)まで用意してある周到さです。

 まあ、チュニジアにおける納豆の権威と言っていいでしょう。5kgほどの大豆を納豆にしたそうです。
 私などせいぜい500gですから、たかが知れています。

 納豆のココロは、「蒸し」と「発酵」です。
 「蒸し」は4,5時間。「煮る」という短時間勝負の方法もありますが、大豆の風味という観点から、ここはやはりじっくり蒸します。
 パリジェンヌを前にしたmさんのようにたっぷりふやけたら(あ、mさん、ごめんなさい)、このフヤケ野郎を熱いうちに清潔な容器に盛り、やおらナットウキナーゼの白い粉末は散布します。
 ここのポイントは「清潔」です。納豆菌以外の雑菌が繁殖しないよう、熱湯消毒です。

 次に「発酵」です。
 40℃、湿潤な環境で半日から1日、ナットウキナーゼの健やかな成長を祈ります。

 この温度と湿度保持が難しかったですね。
 私の場合、温水ヒーターの上に乗せたのですが、どうも湿度管理がいまいちでした。
 表面に白い粉が散って、もちろん粘り気も出たのですが、かき混ぜると思わず
 「うりゃあ、どうだあ!」
 と叫びたくなるような、あの千脇肉躍る糸の粘りがでません。

 サラサラと、淡白な、納豆でありました。

 そのおとなしい納豆たちを炊き立てのごはんに乗せ、ココロ静かに、しみじみと食べるチュニジアの夜でありました。

 
 そこで、納豆作成キッドをいただいた納豆名人ですが、実はこの方、洋裁の専門家、マダムミコさんでありました。
 洋裁のプロがなぜ納豆か・・・・という問題はほっといて、彼女はカンボジア、中国、チュニジアと世界をまたに活躍されております。やはり「衣力」は「胃力」に通じる、ということでしょうか。


 納豆のパッケージです

 おとなしい納豆たち