うちのDVDレコーダーが勝手に録画していた番組で、数学界の稀代の難問「リーマン予想」についてやっていた。とにかく数学苦手な私だがこの番組には魅せられてしまった。
まず、構成がうまい。最初はランニングマシーンで汗をたらしながら走っている77歳の男性のショットから始まる。この年になってこんなに体を鍛えているのはなぜ?と誰しもが思うようなシーンである。
ナレーションがまたうまくてこの老人が何かと闘っていること、そして、その戦いの道は死屍累々であることのみを語る。つねづね、私は自分のやりたいことをやりぬくためには体力が必要だと考えているので(リズミックボクシングをやっているのも半分はそのためだ)、この老人の闘いの相手とその戦いの内容がとても気になった。
番組はリーマン予想(素数の出現順番に関する仮説)の説明とそれを解き明かすための数学者の苦悩を中心に進む。中にはこの研究にのめり込み過ぎて統合失調症になってしまう学者までいる。
そして番組は、後半になって意外な展開になる。
この数学上の証明困難な仮説と最新の幾何学、物理学の真理とに共通点があるというのだ。
この世の真理とは実はそんな風に一つの法則にしたがって居るものなのかもしれない。
最後のシーンは最初に出てきたランニングをしていた数学者が論文を提出するシーン。
今後少なくとも2年はこの論文があらゆる角度から検証されるということだ。
その間の彼の気持ちを考えると学者というのは本当に強靭な「力」が必要だと思う。
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