蒸気が百年前より少しでも強くなったわけではない。
しかしそれは今では、ずっと良く利用されている。
/ エマーソン
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「スクリプト」で差がついた日米ゲーム開発の生産性
http://it.nikkei.co.jp/digital/news/index.aspx?n=MMITew000006022009&cp=1
一応突っ込んでおきます。
1・スクリプト=インタープリタ 「ではない」
2・スクリプトで開発が効率化されるのはトライ&エラーが可能だから 「ではない」
前者は単に言葉の解釈の問題。「スクリプト=インタープリタ」っていうソフトは多いだろうけれど、スクリプトそのものの定義とは違う気がします。
まあ、それはいいんですが後者は違っていると思うんですな。
ゲーム業界の人は判ると思いますが、そうでない人が誤解するといけないので一応書いておきます。
※ツッコミがあればコメントでどうぞ。特に現役ゲームプログラマーさんからお待ちしております。
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ものすごく大雑把なたとえをします。
プログラマーは「エンジンから車を作る人」です。
古い時代のゲーム業界ではこの人が毎回エンジンから全部作ってました。
でも、時代が進化してエアコンやホイールやタイヤの種類が複雑化してくると「全部作るのめんどくせーよ!」となるわけです。
大体、素晴らしいエンジンを作れるからといって、ホイールを選ぶセンスがあるとは限りません。
じゃあもういいよ!となって、エンジンだけを作るようになったわけです。
一方、レベルデザイナーは「パーツを買ってきて、車を組み立てる人」です。
エンジンをゼロから生み出すのは無理だけど、買ってきてくみ上げるくらいならなんとかなる。
そうして優れた製品を生み出す訳です。
つまり、分業した訳ですな。
両方出来なくても、片方出来れば製品が出来る。
習熟しなくてはいけないスキルがそれぞれ減った結果、それぞれの人材の総量が増えた。
だから、大量生産が可能になったんです。
トライ&エラーの時間はあまり関係ありません。たぶん。
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ではそんな素敵な効率化を、何故アメリカは出来て日本は出来ていないのか?
それはまた次回。
え?アタリマエで面白くない?
ギョーカイの人には3回目あたりで面白くなる予定です。しばらくお待ちを。