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道を知っていることと実際に歩くことは違う。

映画「マトリックス」/アンディ・ウォシャウスキー、ラリー・ウォシャウスキー




昨日の日記を書いた後、いろいろ巡回していたら島国さんも同じトピックで書かれていましたよ。

日米ゲーム開発の差はスクリプトの所為なんかじゃぁないよ。
http://dochikushow.blog3.fc2.com/blog-entry-1071.html

内容はどうであれ、みなさんツッコミどころを見つけた様子で。



昨日の話の要約。

「スクリプトのメリットはトライ&エラー、ではなく分業化して人材確保出来る点だね」

一行で済みました。
で、今日は「何で日米で開発環境が異なっているのか」という点について。
長いです。しかも歴史から入ります。
業界古参の人には念仏ですが、間違っていたらご指摘の程を。酔っぱらいながら書いてますし。

もう誰を対象にしてるかわからなくてなってまいりました!えー。



アメリカのレベルデザインを紹介する上で、欠かせないソフトがあります。

15年くらい前、アメリカで発売された DOOM という PC ゲームです。
今で言う FPS のハシリですが、当時の 3D ゲームの中では群を抜いて素晴らしかったので世界中でヒットしました。
あまりに素晴らしかったので、

「ちょ、これ、スゲんじゃね?」

というマニアが寄ってたかってゲームデータを改造して遊び倒しました。
最初はテクスチャを書き換えて「敵キャラを女の裸に差し替え」とかで遊んでた(世の中の男はそんなもんです)訳ですが、そのうちに「地形も書き換えちまえよ」と生み出されたのが「レベルエディター」です。これを使えば、地形そのものも書き換える事が出来たので、マニア達がウホウホ言いながら地形とキャラを書き換えて、勝手なゲームを産み出していきました。

DOOM の開発元や、他の FPS メーカーはその盛り上がりに目を付けます。
「ユーザーが勝手に盛り上がってくれるのなら、最初から開発環境を付けちまえ」と各社がダーッと開発環境(レベルエディタ)を公開して自社製品を盛り上げようとしました。この頃にはスクリプトやイベントドリブンなどの基本的な仕組みが組み込まれ、簡単なゲームであればレベルエディタのみで作れる程の機能になったのです。
その試みは成功し「レベルエディタを使って作られた商用ゲーム」まで登場する有様でした。

やがて開発が大規模化すると、レベルエディターを使ったワークフローが徐々に確立していきます。
それが「レベルデザイナー」という職業の登場につながっていきました。



一方、日本はどうか。
そのころはファミコン~スーパーファミコンでの市場モデルが完成し、2Dゲームが円熟の極みに到達していました。
各社で2Dチップを敷き詰める「マップエディター」が産み出されましたが、そのツールは社外に出る事はありませんでした。「マッシュアップ」とか「エコシステム」なんて言葉の無い時代ですから、コンシューマービジネスでツールを公開するなんてのは考えの埒外だった訳です。

そこに登場したのが「初代プレイステーション」です。
結論から言うと、そのときに日本では「企画職は3Dツールを触らない」という文化が決定づけられたように思います。

レベルエディターなどの文化が存在しない日本では、いきなり3DCGツールのデータにプログラマが直結する開発形態を取らざるを得ませんでした。企画の人間が関係するのは、紙(仕様書)と口(コミュニケーション)だけです。
この二つを重視する文化は、今でも企画職に根強く残っていると思います。

やがて、ゲーム開発規模が大きくなってくると、パラメータや各種イベント挙動を「スクリプト」という簡易言語で行うようになります。なるべくプログラマが特殊な作業をしなくても良いように、アウトソーシングした訳です。
プログラマが企画職に押しつける形で発生した「スクリプト」という仕事は、「スクリプタ」という新たな職業を産み出します。

また、このころ「レベルデザイン」という言葉が輸入されました。
それを聞いた日本の企画職は「階層のデザイン?ダンジョンのレイアウトか?てことは俺が考えてるな……俺はレベルデザイナーだな!」ということで、日本にも多数のレベルデザイナーが生まれた訳です。



ここで言いたいのは「日本人にレベルデザイナーなんていねえよ」という話ではなく、米国と日本の企画職の仕事内容が異なり過ぎて「スクリプトを入れれば効率化される」という単純な話では無くなっていますよね?という主張な訳です。

「スクリプト」という単語一つとっても「プログラマが直接読み込むスクリプト」「レベルエディタが管理するスクリプト」では違いますし、そもそも「レベルデザイナー」という言葉の定義すら違う。そんなのを一緒くたにした上でプランナーを捕まえて

「スクリプト」で差がついた日米ゲーム開発の生産性
http://it.nikkei.co.jp/digital/news/index.aspx?n=MMITew000006022009&cp=2
> 欧米圏との最大の差は、レベルデザイナー的な役職である日本の
> プランナー職には、一般的にプログラムの知識がない人が多いという点だ

ってのはさすがに乱暴にも程があるだろう!と思う訳で。



ここで終わると、逃げたみたいでいやなので、明日は「どうやったら米国に勝てるか?」って話を書きます。
てか、勝ち負けとかもうどうでもいいけど、逃げるのはイヤだ。



日記をもっとコンパクトに書きたいなあ。
コツがあれば知りたい……
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