(きいつ)の「朝顔図屏風」を見ました。
江戸時代の末期、今から150年前の画で、画面いっぱいに青紫の朝顔の花々
が描かれていて、その”ポップ”なデザインがグラフィックなデザインにも通じ、
アメリカ人は大好きな画だそうです。
日本独特の茄子紺色で、ベルベットのような質感と鮮烈な青がアメリカ人に
衝撃を与えたそうです。
アメリカでは、朝顔の花は”ジャポニズム”として日本を象徴するものとして
愛されているとか・・・・
ティファニーの店とか服のデザイナーが、朝顔をモチーフにした作品を作って
いるとか・・・・
またしても、日本の画がアメリカへ流出して日本より先にアメリカで大評価を
得ているのです。
其一の「朝顔図屏風」は、基礎を踏まえた上で個性をぶつけた斬新なデザ
インの集大成として、その鮮烈な青紫の色が幻想的なイメージをもたらすという
ことです。
尾形光琳・鈴木其一・神坂雪佳らの琳派の画風は、”ポップ”らしいです。
江戸モダニズムとでも言うのでしょうか。
そうなると、私が一番好きな江戸琳派の祖・酒井抱一のいわゆる花鳥風月は
琳派の中では異質なことになります。
抱一は、雅で装飾性豊かな琳派的表現と、江戸文化独特の叙情性や粋を
凝らした美意識を融合させた<江戸琳派>を確立した人です。
とても繊細で奥深い精神性を感じさせる画で、私の大好きな画家です。
鈴木其一は酒井抱一の弟子です。
現代日本を代表する日本画家で”現代の琳派”といわれる石踊達哉氏の
「野分」(のわけ)という画のリトグラフを以前一目ぼれして買いましたが、
いわゆる花鳥風月の世界がステキでとても気に入っています。
その画の中には、萩・桔梗・われもこう・女郎花・・・などの秋の草花が描かれて
いて、私は大好きです。
画の中の青海波だけは、現代風なアレンジでモダンに描かれていますが・・・・