週末。 いつものように息子たちはパーティやらなんやらへと消えて行き、主人と二人だけ。
高めのヒールを履き、ルージュの口紅を塗り、二人だけでお洒落なレストランやバーに出かけるのもたまにはいいけど、
やっと蒸し暑いフロリダの夏も終わり、夜空の下で過ごすが心地よい季節。
部屋着にすっぴんで、主人とデッキに向かう。
冷蔵庫の残り物やチーズをかき集め、
500円くらいのワイン、主人はレッド、私はホワイトを一本ずつ。
モロッコのスパイシーなソーセージを、庭のカシの木の落ち木でいぶり焼き。
息子たちの学校の話や会社での出来事を、うだうだ、くすくす、二人で喋り、
インターネット・ラジオから流れる、スローなアフリカやアラブの音楽を聴きながら、黙って暖炉の火を眺め、
静かに時間が経っていく。
友達が顔を出す。
料理好きな彼は、グリーンオリーブ入りのモロッコのミートローフ持参。
低い、ゆっくり喋る彼の声を聞いていると、ワインと火照りのせいで、ぽーっとしてくる。
私は毛布に包まり、うとうとと。
「ほらほら、二階に上がって寝ないと。」と、主人に起こされる。
パーティに顔を出さないといけないと言っていた友達の姿は消え、
チーズもワイングラスもテーブルからなくなり、からになったワインボトルが床に二本並ぶだけ。
主人が片付けてくれたらしい。
夜中に帰ってくるだろう長男のために、ランプだけ灯し、
「飲酒運転しなくていいからいいわ。」と笑いながら、主人とよたよた階段を上がる。