ルーシー 2014年 | 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

日々接した情報の保管場所として・・・・基本ネタバレです(陳謝)

監督 リュック・ベッソン

 

キャスト
スカーレット・ヨハンソン ルーシー
モーガン・フリーマン ノーマン教授
チェ・ミンシク マフィアのボス
アムール・ワケド          ピエール警部
チェ・ミンシク           ジャン/マフィアのボス
ジュリアン・リンド=タット



 

解説・あらすじ
『レオン』や『ニキータ』などクールなヒロイン像を打ち出してきたリュック・ベッソン監督と、スカーレット・ヨハンソンが初めて組んだアクションスリラー。体内に埋め込まれた特殊な薬が漏れたことで脳機能が驚異的に覚醒し、人間離れした能力を発揮し始めるヒロインの暴走を描く。通常は10パーセント程度しか機能していない脳が、100パーセントへ向かって覚醒していくヒロインを見守る脳科学者役に、オスカー俳優モーガン・フリーマンがふんする。
マフィアの闇取引に巻き込まれたルーシー(スカーレット・ヨハンソン)は、特殊な薬が入った袋を体に埋め込まれ運び屋にされてしまう。しかし、体内で薬が漏れたことで彼女の脳機能は驚異的に覚醒。脳科学者ノーマン博士(モーガン・フリーマン)が見守る中さまざまな能力が超人的に目覚める一方、少しずつ人間性が喪失し、自らを制御できなくなっていく。

 

予告編
https://www.youtube.com/watch?v=sx_bLvKF6o4

 

感想
平日だったので箱が狭かったが、それでも半分ぐらいの入りで、けっこうな人気の様子。
人間の脳は本来の10%程度しか利用されていないという。その研究を続けているノーマン教授。覚醒剤はPCH4と言って、妊娠した女性だか胎児だかの成分由来のものを合成で作ったもの。

ルーシーが覚醒する時の様子がなかなか迫力あった。
覚醒後のルーシーはまさに別人。バイオハザードのアリスほどマッチョではないが、けっこう萌え~。
利用率が段階的にアップする毎に映像で「20%」とか「40%」とか出すのは、親切なのかおせっかいなのか。

しかし脇役のモーガン・フリーマン、確かにその場に置くと適役ではあるが、このテの映画には必ず出て来る。監督もちょっと安易ではないかなー(トランセンデンス、オブリビオン、バットマンなどなど)。
覚醒のステージが上がるたびに出来ることが飛躍的に増え、その姿を追うのが映画的で楽しめた。

 

どんどん覚醒し、認識を高めて行ったルーシーが、命の危険も無視して、かき集めたPCH4を集中点滴。その後の映像は、どんどん過去に遡り、最終的には恐竜時代にまで到達する。
そこで冒頭シーンに出ていた原人と遭遇。「E・T」よろしく指と指を接触させる。大きく驚きその瞬間現在に引き戻される。
周囲のコンピュータ群に触手を伸ばして同化して行くルーシー。そして体全部が最終的に黒くなった時が「100%」。その時ノーマン博士の手許に差し出されるもの。手に取ると、ルーシーの体が完全に崩れ落ちる。博士の手に残ったのはちょっと大きめのUSBの様なもの。

えー、これで終わりかよ、とフラストレーションが溜まる結末でした。

 

あちこち検索したところでは「ルーシー」は「アファール猿人」の化石の名前。
http://nationalgeographic.jp/nng/feature/0611/

また、この化石がルーシーと名付けられたのはビートルズの「Lucy in the Sky with Diamonds」が関わっていたらしい(化石を見つけた時にこの曲が流れていた)。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%B6%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%82%AB%E3%82%A4%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%82%BA%E3%83%BB%E3%83%80%E3%82%A4%E3%82%A2%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%82%BA

 

結局、人類に知恵を与えたのは地球外の「ある者」という事をルーシーが突き止め、それをノーマンに伝えて消滅した、という話の様です。
でも終盤の表現は概念的で、そうは読み取れない。「2001年宇宙の旅」みたく高尚にいろんな解釈をさせようとしているのか。もう1回観るとその辺が汲み取れるかも(でもこれ以上金をかけるつもりはない・・・・・)
そういえば、オープニングも「2001年・・」のマネッコだったネ。類人猿が妙に人間のマンマで、却って不気味だった。
発想はよかったけど、料理の仕方がちょっと生焼け、そんな感じかな。でもテーマとしては好きだから、許そう。
ラストでサポートしていた警部が「彼女はどこへ行った?」と言った時、ケータイが鳴って、彼女からのメッセージ「私はどこにでもいる」。
これって電脳世界に吸い込まれて行った「攻殻機動隊」の草薙素子だよね。多少影響受けてるんだろうか。

 

しかしそもそも「覚醒剤」の力で超人的な能力に、まさに「覚醒」する、なんてブラック・ジョークやね。文部省あたりからチェック入りそう。