「恩讐の彼方に」 菊池寛 | 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

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主人の妻と姦通し、その妻と共謀して主人を殺した男。女と共にどんどん堕ちていく人生、最後には追いはぎで旅の若夫婦まで手に掛け、その自己嫌悪から女の元から逃げ出す。
放浪の末に寺に身を寄せ、僧に諭されて出家する。
街道の難所で多くの人が命を落としている事を知り、岩を穿って道を作ろうと行動を始める。


文壇の大御所として有名だが、作家としてのスタートはやや遅い。ちょっと前昼メロにもなった「真珠夫人」で圧倒的人気を得、通俗作家としてまず成功した。「文芸春秋」の発刊者。
標題作は確かに感動的な話であり、かなり有名な作品でもあるがどうも表層的に流れ、深く心に迫るという様な感動は覚えず。山本周五郎の方により親さを感じる。


*事実はお坊さんが寄進を集めて、一種の事業として完成させたことの様です。