肝臓に効くツボ 2 | てんゆうでござる! -鍼灸と易占と?-

肝臓に効くツボ 2

久しぶりにツボのご紹介。

以前『肝臓に効くツボ』として”肝兪(かんゆ)””太衝(たいしょう)”を書きましたが、実はもう一つ”期門(きもん)”というツボがあります。

紹介が遅れた理由として
1.”期門”の位置が日本のものと古典のものとで違いがあったこと。
 これは一部ニュースでも取り上げられましたが、WHO主導の下、2006年に統一見解がまとめられました。
そして
2.”期門”の位置が肋骨付近にあるために非常に描線が多くなるため、イラストを描くことから逃げていました。
 はい、これは私の問題でした(爆)

さて、この期門というツボですが大分昔、マウスの血液中にインクを注入して、期門に相当するところにお灸をしたマウスと何もしないマウスの肝臓の解毒作用を比べるという実験がありました。
お灸をしたマウスの解毒効果が著しかったことを覚えています。

また今は無き”発掘!あ○あ○大○典”でも、肝臓に効くツボとして紹介されていました(実際に鍼灸治療でも効果があるので、この件は捏造では無いと言えるでしょう)


ではツボの位置です。
期門1.”みぞおち””へそ”を結んだ線の上方から指3本分位の点を取ります。

2.この点から体の横に向けて平行に線を引きます。

3.この線と乳頭線(乳頭から垂直に引いた線)の交わる辺りで、肋骨と肋骨の間(隙間)にあるのが”期門”になります。

今回統一されるまでに使われていた期門は図に示した辺りになります。
ここを刺激しても肝臓への効果はあるのですが、むしろ骨(肋骨)の下縁から上(胸)の方に向かって指を揃えて押し上げた際、堅くて指が入っていかなかったり、「うえっ」となるようでしたら(東洋医学では胸脇苦満:きょうきょうくまん と言います)肝臓の調子が今一つという目安にもなります。


期門は、肝臓疾患の他、胃の不調、嘔吐や吐き気、咳、みぞおちから左右に広がる肋骨付近(季肋部:きろくぶ と言います)の不快感・膨満感、胸から脇にかけての痛みなどに効果が期待できます。
古典には”熱を伴う治りにくい風邪”にも効果があるとありますが、これは検証できていないので太鼓判は押しません。

さて刺激方法ですが、痛みや急に現れた不快症状は爪楊枝やボールペンなど先の尖ったもので、2回/秒くらいのリズムで30秒程度つついてみて下さい。
肝臓を含む慢性的な消化器症状は、お灸の方が良いでしょう。タバコ灸(10回くらい)やせんねん灸のようなもので刺激してみて下さい。
またお酒の場へ出陣前に、ここにエレキバンなどを貼ってから行くと、いつもよりお酒の負担が軽くなるかもしれません。

でも”道交法”が先日厳しくなったばかりです。
原則として健康のためにも飲み過ぎには気を付けて下さい。