『だんだん』、出雲弁で「ありがとう」。
昨年度のNHK朝の連続テレビ小説。
主人公が介護職を目指す物語、、、という触れ込みもあったからちょっと期待していたのだけど、話は一向に介護現場に来ず~。途中で断念してしまっていたので、ちょうど先日あった総集編、好都合と途中から所々をみてみた。
なんだか、かいつまんで観ると、すごいお話だった。
親父の吉田栄作はボクサーの夢に挑戦、マナとカナの双子の娘も刺激されて自分の夢をおいかける。ストリートミュージシャンと祇園の舞妓、やがてアイドル・デュオで大ブレイクしたと思ったら、マナは介護職を経て看護師へ、そして同じく芸能プロ辞めて医者になった夫と離島の診療所へ。
カナはソロで売れず場末のキャバレーから再び舞妓へ。そして元のマネージャーと結婚して祇園を守る。親父はシジミの漁師を続ける…。
芸能プロの部長、円広志がうまい。真面目な顔でセールスを企画「舞妓の格好をしてポップスを歌うんや!」とか。カナは祇園の魂を売るようなことはできまへん、会社辞めますとか。
お話の展開といい、シュールな世界ぎりぎり…。ギターにジーンズの3人組に着物の人が加わって気持ちよさげに歌うミスマッチ感。まるで「グレースケリー」と「頓知」のよう…。
監修の先生仕込みのケアスキルは、「車いすの利用者に対して、中腰になって目線を合わせる」といったところに現われていたが、お尻が出てちょっと不自然。
ずっとその格好で固まっているので脚が震えてきそう。あれはむしろ腰を下ろしたり、膝を突いてやや下から話したり、腰を浮かして背中に触れながら話すなどの方が無理がない。
また老人ホーム(特養?)のはずがテーブルを囲んで折り紙に興じるところや利用者層などはデイサービスっぽく、何よりセリフのある2人だけ車イスに乗せられっぱなしなので、イスに移乗したいところ。
数ヶ月経ってお一人亡くなってからの訪問でも、1人の姿が消えたほか場面の様子は変わらず、テーブルの上とか参加者とか、まるで同じ日に続けて撮ったかのようにピッタリいっしょ。
変化に乏しい老人ホームの実態を描くにしても、ちょっとやり過ぎだ。
デビュー前からボランティアで行っていたとはいえ、トップアイドルのお仕着せの仕事の空疎さに目覚め、再びより人間的な職場として介護の現場に戻り、介護福祉士の資格も取得するという展開は悪くない。
多忙でホームへの訪問を先延ばししている内に、亡くなるお年寄り。ショックを押し殺しながらも仕事なので歌うマナ。やっぱりどこをみて、何のために働いているかって大事だ。
介護職からさらに看護師へ転身を図るところの理由は、総集編ではよくわからず、できれば介護の仕事でキャリアを図って欲しかったが、、、離島の診療所でギターを弾いて歌っているあたり、好きな歌+施設仕込みのレク調で、フツーの看護師さんとは異なる、介護や生活にも理解のあるナースを演じていた。
平均視聴率は16.2%。
少し「慰問風」だったり、ボランティア色が出たり、お約束の福祉の雰囲気が顔を覗かせるのは、ちょっと残念。
だけど、介護職がドラマのヒロインにもなれるというのはいい。
今回はとにかく相次ぐ転身のストーリー展開と、それに合わせたマナとカナの目まぐるしいコスプレ?ばかりが印象に残ったので、次はじっくりと、利用者やご家族との人間模様に介護職の成長を描くドラマを、転身はせいぜい施設から小規模ホーム、在宅などとの間に止めて、期待したい。
朝は爽やか過ぎるから、銀河テレビ小説あたりで…。ってもうないか。
じゃ月9か、大河ドラマで!
だんだん!
↑05年のTBSドラマ。和田アキ子が訪問介護事業所「おっきな手」の所長という人情モノ。高田純次が事務。ここでヘルパーしたら面白そうだけど、ドラマは面白くなかったです。
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