かえるの魔法使い(2)~皆一緒に空を飛ぶ~ | 怜菜のブログ

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pickles探偵デカゲロくん見てね!

1 広太郎先生のお話


今日、蛙野広太郎先生が、校外学習をするって言ってたけど・・・・・・なにするんだろ。あ、そうだ。相手の心がわかる魔法、使おうかな。

「相手の心よ、我に伝われ!」

攻撃の魔法と呪文が違うから、難しいけどね。

『カエルノコウタロウセンセイノ、ココロヲヨミトリマス。

・・・・・・コウガイガクシュウデハ、ソラヲトンデ、モリヤハヤシ、マチニイキマス。』

はいはい。よく分かりました。で、空を飛ぶってことは、ほうきが必要なわけで。ぼく専用のほうき、実家なんだよね。あ、そうだ。こういう時こそ、瞬間移動魔法使おう。

「我の心体よ。実家に動け!」


ふう、着いた着いた。あ、お母さん。

「あら?しゃぼゲロ?まさか瞬間移動したの?」

はい!そうです。瞬間移動魔法で、ほうきを取りに来ましたよ。

えっと、ほうきは・・・・・・あそこだ。

これを持って、魔法学校に戻らなきゃ。

「我の心体よ。魔法学校寄宿舎に戻れ!」


2 三人で遊ぼう



「今日は、校外学習です。持ち物、揃っていますか?自分のほうき、魔力が無くなった時に使う魔力回復アメ、ロープ、ランプです。そして、今日は、空を飛ぶための特訓です。」

「はーい。」

ふーん、そうなんだ。一応、全部揃っているけどね。魔力回復アメ、いる?ロープは「ロープ魔法」を使うときに使うんだよね。ランプも、いらなくない?

「それでは、バスに乗ってください。」

バス、いらないでしょ。瞬間移動魔法、使えばいいでしょうが!も。全く。広太郎先生って非常識。


そして、到着!しかし、酔ったぁ。こんな酔うなら瞬間移動魔法使った方がマシぃ。ねえ、「我の心体よ。校外学習のところへ動け!」って言えばねぇ。

「それでは、十時に広場に集合。」

はぁ!?広場、どこ?

「しゃぼゲロくん、わっちゃんと一緒に行動しよ。」

わっ。びっくりした。わたゲロくん、いたの?

「あ、あと、ふさゲロくんも。」

「しゃぼゲロくん、一緒に遊ぼ・・・・・・」

うん!大歓迎!

「じゃ、空、飛ぼ。」

「え・・・・・・」

どしたの?

「ぼく、空の飛び方知らない。」

大丈夫。今、教えるから。

「ほうきにまたがって、指を鳴らして。」

ふさゲロくん、ぽあぁっと宙に浮いた。

「降りるときはもう一回。」

すると、ふさゲロくん、降りてきた。

「じゃ、もう時間。広場に行かなきゃ。」

と、言ったんだけど、どこ?

「こっち!」

あ、わたゲロくん、助かる。


3 みんなで空を飛ぼう!


「では、空を飛ぶ方法は、ほうきにまたがり、指を鳴らします。」

それ、ぼくがふさゲロくんに言いました。もちろん、わたゲロくんも知っています。なので、心配ありませんよ~!

「では、一回やってみましょう。」

もうぼくとわたゲロくんとふさゲロくんは一回やりましたけど。

もうみんな無我夢中で空を飛んでいるような・・・・・・

「じゃあ、実際に進んでみましょう。行きたい方向は、大体魔法がわかってくれます。」

みんな広太郎先生と一緒に飛んでいますけどね。広太郎先生、操ったでしょ。

そんなの、バレバレですよう。


「ここで、みんなと魔法で戦ってみてください。しかし、本気にはならないように。」

「はーい!」

「あれ?ふさゲロさんがいませんね。どこでしょうか。」

あ、本当だ。いない。

「相手の居場所よ、我に伝われ!」

わお。聞いたこと無い呪文。でも、すぐ出来そう。ラッキー。またひとつ覚えちゃった。

「まさか!」

え?どしたの?じゃ、ぼくも行こうかな。

「先生、どうかしたんですか?」


4 まさかのハプニング


「しゃぼゲロさんはここで待ってなさい。」

「いや、どうしたんですか?って聞いてるだけです。」

んもっ。「相手の心がわかる魔法」、使えっ。

「ふさゲロさんが、飛ぶ時、失敗してコントロールが効かなくなっているんです。助け出さなければ、一生、ここをさまよいます。」

わっ!それは大変。じゃなくて、そんなこと言っている場合じゃないんだよ。助けに行かなくちゃ。

「いえ、行ってはいけません。危険ですから。」

気がついたら、ふさゲロくんを救いにぼくはほうきに乗っていた。

「しゃぼゲロさん!ダメです。」

うるさいっ。このしゃぼゲロをナメるなっ。

絶対にふさゲロくんを救い出して見せる!


よーし、行くぞ――――――!

ぼくは魔力回復アメをポケットに入れ、ふさゲロくんのもとへ!そこでまた広太郎先生の声が聞こえた。

「しゃぼゲロさん、無茶なことをしないで下さい!あなたは生徒ですよ!まだ未熟ですよ!」

未熟で悪かったねっ。今度から広太郎野郎って呼ぶぞっ。ぼくの大事な親友を見捨てるもんですか!あんたなんか、大事な生徒を見捨てているくせに!あんたにそう言える価値は無いぞっ!

「あ・・・・・・!」

ぼくは、思わず声をあげてしまった。だって、ふさゲロくん、時速八十キロぐらいでビューンって飛んでいるんだもん。こんなんじゃ、自分で止められない。コントロールさえ、出来ない。それでもぼくは絶対に・・・・・・


5 ふさゲロくんはどうなる?


それじゃ、まずはどー考えても「速度を落とす魔法」でしょ。あ、ふさゲロくん、この魔法、知らないのかも。

「そなたの早さよ、遅くなれ!」

自分にかける時は「我の早さよ、遅くなれ!」だけど。

すると、やっぱり遅くなった。でも、これだけじゃ救えない。こうなったら、「時間停止魔法」でしょ。そして、ふさゲロくんの怪我が無くなるように、「治療魔法」をかけるんだ。

「この世の時よ、止まれ!」

やっぱり、この世の時間は止まった。もちろん、ふさゲロくんも。

よし!次は「治療魔法」だ!

「そなたの傷よ、癒され!」

あ、でも、これでも救えない。もう一度、「速度を落とす魔法」をかけるべき。今度は、ゆっくりにしよう。

そなたの早さよ、遅くなれ!」

あ、でも、「時間停止魔法」、解除しなきゃ。

「この世の時よ、動き出せ!」


――目の前には、ふさゲロくんがいた。

「しゃぼゲロくん、ありがとう・・・・・・」

「ごめん。ちょっと遅れちゃった。」

「ううん。大丈夫だよ。」

ふぅ、良かった。ふさゲロくん、行こっ。

「で、広太郎先生はどこ?」

あ、もしかして、広太郎先生、怒っているかもしれない。あの優しい広太郎先生が、初めて怒るかもしれない。ぼくが、第一号?

――どうか神様!広太郎先生が怒っていませんように!


6 広太郎先生の初めての姿


ああ、やっぱり。広太郎先生、怒っていた。でも、怒りとありがたみが、混じっていた。

「しゃぼゲロさん!あれだけ言ったのに、何で行くんですか!あなたはまだ未熟です。危険です。しかし、ふさゲロさんを助けてくれたことだけ感謝します。」


「しゃぼゲロくん、すごい!今度わっちゃんに「心の映像魔法」、見せて。」

「心の映像魔法」は、そのときの見たもの、聞いたもの、心の様子が映像で伝わってくる。

でも、広太郎先生に怒られたことを見るなんて・・・・・・わたゲロくん、変わっているような・・・・・・でも、そう考えたら、ぼくも危険なことをしたんだから、変わっているのかも。

すると、わたゲロくんは、「心の映像魔法」の呪文を唱えちゃったんだ。『今度』って言っていたのに、今なのか!

「相手の思い出よ、我に伝われ!」

ああああああ~。やめてー。

映像をみているわたゲロくんは、何だか状況が分かっていないけど・・・・・・

わたゲロくん、見終わった後、すごいこと言ったんだよ。それがもう衝撃。だって、「しゃぼゲロくん、意外と腹黒いんだね。」って言ってたんだよっ!

まあ、「うるさいっ。このしゃぼゲロをナメるなっ。」って、思ったけど。しょうがないんだよ。心のなかの言葉まで伝わっちゃうんだもん。「今度から広太郎野郎って呼ぶぞっ。」って思ったのも、伝わっちゃったんだもんね・・・・・・

ああ、これでわたゲロくんから避けられたらな・・・・・・絶望だ。


7 果たして、わたゲロは?


夕方、わたゲロくんの所へ言って、「ねえ。」って言ったら、「何?しゃぼゲロくん。わっちゃんと遊ぼ。」って普通に接してくれたんだ!絶望が、一気に希望に変わりました!


それで、わたゲロくんと、遊んだんだ。

「じゃ、勝負!」

「じゃあ、わっちゃんから。天の魂のバリヤーよ、我が身を守れ!」

あ・・・・・・「無敵バリヤー魔法」、かけましたか。これに効く魔法は、「バリヤー消去魔法」だけ・・・・・・でも、また「無敵バリヤー魔法」、かけられちゃうよ・・・・・・

あ!そうだ!「バリヤー消去魔法」と、なにか攻撃の魔法、合わせちゃお♪

じゃ・・・・・・闇!

「天の魂のバリヤーよ、我が身を守れ!、闇の祈りよ、我に操れ!、二つの魔法よ、我の魔法になれ!天の魂と闇の祈りよ、我が身を守って操れ!」

「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!すごい―――――・・・・・・」

ギヒヒ。勝ったぜ。あ、こういうところがわたゲロくんの言っている「腹黒いところ」なのかも。