1 ネタを考える
メガゲロととくゲロはネタを考えていた。
「どういうネタがいいかな。」
「メガゲロくん、ぼく、こんなの考えてみたけど。」
とくゲロはネタの本をメガゲロに見せた。
「あはははは!」
メガゲロは無理やり笑っている。そんなこと、とくゲロに分かるわけがない。
「面白かった?」
「じゃあ、デカゲロくんに見せに行こうよ。」
「ちょっと待って。練習しようよ。」
え?こんなあまり面白くないギャグを?
「アルミ缶の中にあるみかん!」
「箸の端っこには橋の絵があった!」
「あ!虹が出た!今は二時」
ほんとにこれで大丈夫なのかねぇ・・・・・・
2 デカゲロの反応は?
「はーいはいはいはい!」
「メガゲロと、」
「とくゲロの、」
「漫才ショー!」
「ねえねえ。この前ね、料理、面倒くさいから、缶に入っているものを食べたの。
それがね・・・・・・『アルミ缶の中にあるみかん!』だったの!」
「この前、お魚食べている時ね、箸を使ってたの。その箸の先の方に・・・・・・『箸の端っこには橋の絵があった!』んだよ。」
「昨日、雨ザーザーだったでしょ。雨上がりに虹を見たの。『あ!虹が出た!今は二時』だったよ。」
「どうもありがとうございました!」
「どう?」
「うん、寒い!」
とくゲロはしょんぼり。
「なんで?メガゲロくんは面白いって言ってくれたよ。」
(本当はとても寒かったです・・・・・・っていうか、ぼくのせいにしないでよ。)
メガゲロは心のなかで叫ぶ。
「とくゲロ、アイデアマンかと思ったら、意外と寒いギャグを考えつくなんてねぇ。」
「だって、ネットに載ってた。」
「がくっ。」
デカゲロ、すってんころりん。
「自分で考えてよ。」
「ふぁ~い。」
3 本番に出すネタは?
そして、二人で話し合った結果、こんなネタに。
「ねえねえ。メガゲロくん。」
「何?」
「いちごって、緑色でしょ。」
「違うよ。いちごは赤色だよ。」
「なんで?」
「いちごは、もともと緑だけど、熟すと赤くなるの。トマトも、緑色だけど、熟すと赤くなるの。」
「じゃあ、緑色のものは熟すと赤くなるんだね。」
「うん。」
「じゃあ、ぼくも緑だから熟すと赤くなるんだね。」
まあ、さっきよりは面白いと思う。でも、かえる界では、漫才はかなりウケるらしい。
「デカゲロくんどうお?」
「うん!とっても面白いよ!」
「じゃあ、これで決まり!!」
4 果たして、ウケるか
メガゲロととくゲロは漫才ショーを開催するホールに来ていた。
「なんか、ドキドキする。」
「ウケるといいね。」
「あと三十分で開始だよ。」
メガゲロととくゲロはそわそわ。そこに、デカゲロが入る。
「二人とも、頑張ってね。」
昨日から気になるが、なかゲロはどこ行ったのやら。
「なかゲロくんは、実家に行っているんだって。」
「ふーん。」
「ねえ、メガゲロくん、あと十分だよ!」
「あ!」
そして、始まり始まり。
「どうも!」
「メガゲロと、」
「とくゲロの、」
「漫才ショー!」
「ねえねえ。メガゲロくん。」
「何?」
「いちごって緑色だよね。」
「違うよ。いちごは赤色だよ。」
「なんで?」
「いちごは、もともと緑だけど、熟すと赤くなるの。トマトも、緑色だけど、熟すと赤くなるの。」
「じゃあ、緑色のものは熟すと赤くなるんだね。」
「うん。」
「じゃあ、ぼくも緑だから熟すと赤くなるんだね。」
あはははは!
はははは!
観客は大笑い。メガゲロたち、大成功。
5 漫才ショーを終えて
二人は楽屋で一安心。
「漫才、大成功だね。」
「お笑い芸人、できるね。」
「でも、ぼくたち探偵だよ。」
「あ、そうか。」
「出来るときにやればいいんだよね。」
すると、そこに、
「メガゲロ!とくゲロ!頑張ったね!」
「うん!」
「精一杯頑張ったよ。」
「ぼく、観客席から見ていたんだ。前に座っているお客さんがね、『かえる界で、最高の漫才だね。』って言っていたんだよ!」
「わーい!」
「ぼくたち、人気だね。」
そろそろ落ち着いてもいいのだが、二人は落ち着きがない。
「ねえ、マネージャーさんから聞いたんだけどさ、サイン会、やるらしいよ。」
「本当!?」
二人とも、大はしゃぎ。そんなに人気の漫才だなんて・・・・・・
6 二人のサイン会
「はーい。こちらに並んでください!」
「とくゲロの列はこっちへ。メガゲロの列はこっちへ。」
「はーい。こんにちは!」
「握手したい人はどうぞ。」
「あまり気を遣わずに。」
結果、サインの色紙は、千枚用意していたが、足りなくなり、五百枚の追加でやっと足りるほど、人気だった。
まさか一回の公演でこんなことになるとは誰も予想はしていない。
でも、漫才が人気だったら、本職の探偵の仕事が無くなってしまうとデカゲロが心配している。
「ねえ。二人とも。」
「漫才、いつやるの?」
「事件がないとき。」
「うん。分かった。」