夜話622坂本繁二郎の二科展ポスター
古い冊子『中央美術』のカット。
発刊は大正六年だが月日を記録していない。
第四回の「二科美術展覧会」は大正六年九月に催されているから十月号ではあるまいか。
坂本 三十五のときである。
説明に「坂本繁次郎」とあるが当時は「二郎」と「次郎」は同一に通用していたたようだ。
坂本を論じるものに「次郎」がわりと多い。
本人もあまり気にしていなかったようだ。
「二男」と「次男」とは同じ意味
さてポスターのパレットらしいものを手にした髭ヅラの男は誰だろう。
此の時の二科展には坂本には珍しい半裸の女性を描いた『洗髪』を出品。
薫夫人をモデルにしたという。
印象派からの脱却に苦闘した絵である。
(敬称略)