夜話2385 秋山真之の道楽
先日「坂本繁二郎先生の秘話」と題して講演会を催した。雑誌「黄櫨」の主催である。
四十人ばかりの人が集まつてくれた。その時 夏目漱石の「道楽論に触れた」。
漱石が朝日新聞の記者としての第六回文展を見ての論文を参考にした。
漱石は坂本の「うすれ日」を激賞するについて坂本の「道楽」のみごとさに触れていた。
「道を究める喜びを道楽」として漱石はこの坂本の絵を激賞したのである。
老生いま病床にある
漱石と秋山は旧友。
漱石の名は出てこないが秋山の海軍論の中に司馬は「秋山」の思想を「道楽」と書いている。
秋山は赫赫たる日露海戦いの勝利のさなかでも将来は宗教家になりたいとの希望を持っていたと司馬は書いている。
「道楽者」として秋山と坂本は共通していて嬉しかった。
そういえば司馬は作家になる前宗教に関係ある小新聞社の記者だったな。
「道楽」という言葉の真意を漱石・坂本、秋山以上に知っていたのだろう。
「道楽」という言葉は仏教語。
あと数カ月で百歳になる拙者
「道楽」を極めるにはおそすぎるかな。坂本先生は笑ってておられるだろうなぁ。