ピンクのポンポン★89-6
尚、ピンクのポンポンの時計は、今も去年の夏のソロツアーで止まったままなので、登場人物が過去の出来事を考える時、1年の時差が生じますので、ご了承下さい。
§☆§★§☆ V⌒⊥⌒V ☆§ ★§☆§
夕方、予定よりも早い時間に、姑がケーキ持参で現れた。
ケーキを私に手渡すと、靴を脱ぎながら、姑が先に謝ってくれた。
「本当、ウチのバカ息子、今日が大切な日って分かっていながら、何をやっているんだか!
今日じゃなくて、明日、アポを取って行けば、我が子の誕生日はちゃんとお祝いできたのに。
本当、私と主人の教育が悪かったんだわ、ごめんなさいね」
「いえ、こちらこそ、せっかく来て頂いたのに……」
「いいの、私も主人もバカ息子じゃなくて、孫に会いに来たんだから。じゃあ、お邪魔しますね」
玄関先での立ち話が終わり、やっと、姑がスリッパを履いた。
姑と二人で台所に立ち、後は仕事が終わってから駆けつけてくれる姑を待っていた時、再び、私の携帯が鳴った。
同期の女性からで、最初のもしもしの声を聞いた瞬間、良い話ではないことは察することができた。
§☆§★§☆ V⌒⊥⌒V ☆§ ★§☆§