12月25日夕方
京都駅で新幹線を降り
タクシーにのって、マダムテレサの宿泊する
旅館に向かう。
一言も話さないタクシードライバー。
嫌な沈黙が続く。
こんなに旅館まで距離があったかな？
そう思いながら
タクシーメーターをみるが、
わざとか、偶然なのか
タクシーメーターの前に
ずーと手を置く運転手。
いつまでたっても、
メーターの金額は見えない。
イタリアのタクシーが
平気でぼったくるので
メーターが見えた途端に
ものすごい金額に
なっていたらどうしようかと、、、
日本にいても不安になる。
片手運転するドライバーに悪意を感じながら、、、
無事、
トリップアドバイザーで外国人に
人気の旅館に到着した。
タクシー料金1700円。
マダムに聞いたら、
タクシーで1000円くらいの
距離だったらしいが、
ま、、、
渋滞やタクシーの大きさなどもあるから
許せる範囲でほっとする。
マダム達に会うのは6年ぶり。
6年前のマダム家族⬇︎
タイの料理学校で知り合ったマダムは
フィリピンの富豪の娘。
気性が荒く、
いつもパワー全開の彼女は私より6歳年上。
Mr.は←旦那さん
ベトナム人とフランス人のハーフで
フランス大使の息子。
幼い頃、
神戸にも住んでいたことがある。
私より10歳年上。
温和な感じで素敵なMr.
現在は、
フランス系の飛行機を作る会社の
役員さん。
そんな2人が
ロスアンゼルスで恋に落ち、
結婚して産まれた息子マー君は現在15歳。
バンコクの高級住宅地にすむ
マダムの家には
犬担当のメイドが1人と
家事担当のメイドが1人
運転手が1人一緒に住んでいる。
そして、私は
タイに行くたび、
数週間づつ何回も
マダムの家に居候して
タダ飯、タダ泊する常習犯である。
タイ料理が好きな私のために
私が居候する時は
タイ料理専門のメイドまで
臨時で雇ってくれる
優しいマダムだが、、、
自分の思いが通じないと
ヒステリックになるところも
マダムらしい。
そんなマダム達とは、
いろんなところを旅行した⬇︎ 6年前 チェンマイにて
手前はマダムの友達、
某国 大統領の娘とフランス人富豪の旦那さん。
ついでに、
今よりひとまわり顔が小さい私。
あぁ、、タイムマシーンがほしい。
マダムテレサから、、、
facebookにメッセージが、、
12月21日から1月2日まで
日本に行くけど、
あなた日本に今年はいるわよね？
嬉しい反面、、、
頭の中で、
札束が羽をつけて飛んで行く画像が流れだす。
タダ飯 タダ泊の常習犯の私が、、
日本に来ているマダム達を
接待しなくてはいけない、、、
とっさに、
年末は忙しい時期で、
京都まで行く時間がないかもしれない、、、
と、嘘をついてしまった私。
新幹線代＋お土産代＋夕食代＋宿泊代＝世界周遊飛行機チケット代
京都一泊旅行 ＜ 世界周遊旅行
だよなぁ〜と、
翌日
申し訳ない思いで
マダムの返信をみると
12月25日クリスマスの夜
祇園のお店を予約しておくから。
じゃ！
嘘の言い訳は無視され
予約まで勝手にしちゃう
マダムらしい強引さ。
祇園かぁ〜〜
また、頭の中で札束が舞ってゆく
舞妓は見たいが、、、舞う子はなぁ、、⬇︎
1人20000円〜30000円×4人は覚悟かな？
マダムから
追加のメッセージ。。。
あ、夕食はご馳走するから。。。
と、言われてたが、、、
でも、ひとりぼっちのクリスマスより
マシだよと自分を洗脳して
とりあえず、
お土産を買いに走る。
地元の搾りたて日本酒に
マダムにはグレードの高い抹茶
マー君へは地元のチョコ菓子詰め合わせ。
宇治抹茶で有名な京都に行くのに
なぜ？
愛知の抹茶なのか？
とお思いでしょうが、
実はあまり知られてないけど
抹茶生産量は
西尾という、
地元愛知が日本一なんだよね。
私の住む街は
すぐ隣が静岡県で
東から緑茶が攻め込み
西から抹茶が攻め込んで
お茶文化が盛んになった土地柄なのよね。
だから、お茶専門店が沢山ある。
若い頃はこんな私も
お茶道習って
着物着て、
初釜は必ず参加してたわ。
足を骨折して以来
正座のできない
おばちゃんになっちゃったから、
もう、お茶会は無理ね〜〜。笑。
話は戻って、
タクシーをおりマダムの部屋に向かう。
マダム達にはカジュアルな旅館だが、
泊まりたかったホテルが予約できなくて
3泊だけ旅館に泊まるんだとか。
マー君が、
川の字に敷かれた布団を見て、
うわっ。とため息。
布団を引っ張り出し
Mr.とマダムから離れようと
しているあたりが
ティーンエイジャーらしかった。
ママに甘えて
あんな小さかったマー君も15歳か。
時間って、
あっと言う間に流れるのねって、
マダムを見ると
6年前とちっとも変わっていなかった。
さすが、
アンチエージングが命のマダムである。
土産の日本酒を飲み
大丸デパートに
抹茶のお菓子が欲しというので
見に行き、
予約してある夕食に向かう。
あ、、
祇園の店、予約とれなかったから、
旅館の近くの店にしたからね〜！！
そうなの？
と英語で答えながら、
残念そうに演技はしたが、
多分、安堵の微笑みが
浮かんでしまったはずである。
数枚のお札が、舞い戻る映像が、、、
頭に浮かぶ。
久しぶりに会って
ご機嫌なマダムと錦市場を歩く。イメージ⬇︎
近頃の錦市場は外国人に人気のようで
英語で魚の説明が書いてあったりするんだね。
6年ぶりの記念撮影⬇︎2人とも真っ黒クロスケ
ほろ酔い気分で向かった夕飯は
京都の町屋風 料亭だった。
母子の会話は英語またはタガログ語
Mr.とマダムは英語
メイド同士はタイ語と
いろんな言葉が飛び交う。
この家族、
日本語はわからないので
どの店に入っても
コース料理をホテル経由で予約する。
毎晩わからず食べているらしい。
ワクワクして楽しいんだとか。
なんで大根ばかり、
日本人は食べるんだ、、、
と質問され、、、
えっ？そんなに大根食べてたっけ？と
思わぬ質問にびっくりしてしまった。
毎晩コースに出て来るから
そう思ったんだろうね。
マダムにつられて、
私までもがハイテンション。
今夜の宿泊代は浮かせるために
京都のおちぐに連絡して
急遽、
泊めてもらう約束もしたので
マダム達にも会えたし、
ちぐにも会えるし
この町屋風料亭ならば
1人2万円もしないだろうと、、、
安堵のおかげで、
パワーアップ。
会話の中で
Mr.が、昨日は神戸時代の幼馴染の
和歌山の別荘で過ごし、
今日は君に会えて
明日はジェイル（刑務所）
で知り合った
京都の友達と会えるから
今年のクリスマスは最高だなと
ぽそりと言う。
ハイテンションだった私が
一瞬、、、パワーダウン。
マダムの耳元でちっちゃな声で
質問する。
ねー！？
Mr.ってどんな罪を犯したの？
マダムが聞き返す。
excuse me?
なんですって？？てな感じだろう。
だっていま
jailジェイルで知り合った友人に明日会うって、、、
言わなかった？
マダムがMr.を呼び、
choco←私が
Mr.に質問があるらしいわよ。
貴方、ちゃんと説明してあげなさい、、
と真面目な顔して言うもんだから、、
いやいや、
なんでもないです。Mr.
気にしないで、、と慌てる私。
マダムが、
さっき言ったことMr.に言いなさい！
と強引になるので、、、
あのぉー、
マー君の前でなんなんですが、
さっき、jailジェイルで知り合った
友達に会うって
いいましたよね〜？？
Mr.の笑いが止まり
君の言っている意味がわからない、、
どう言う事か？と真面目顔になった。
やばい。。。
変な質問したからさ、、
気分損ねてしまったか？と焦る私。
ジェ、ジェ ジェイルでって、、、
真面目な顔をしていた
マダムが、
ウシシシッと吹き出し笑う。
えっ？なになに？
動揺する私に
演技も我慢の限界に達したわ。！！と笑う。
ねーMr.
明日会う日本人は
どこで知り合ったか
彼女は聞いてるみたいよ。
教えてあげなさい。
Mr.が
ジェ ジェ ジェァーアルといい、
気がついた。
jailジェイルじゃなくてJALジャルだよと。
爆笑する
Mr.とマダムにつられ
マー君までもが
お茶を吹き出した。
あ、あ〜〜ジャルJALねぇー！
発音が良すぎて、
ジェイルjail刑務所かとおもって
焦っちゃったぁ〜。
JALで知り合ったとは、
Mr.の仕事関係の繋がりだった。
ひさびさに、
みんなで爆笑して
楽しい夕食。
トイレに行くふりをして
クレジットカードを店員さんに渡す。
レシートを見たら
4人で30000円程度だったので、
ふぅー。
デザートを食べ、
ほろ酔い気分でレジに向かい
ブラックカードを差し出すMr.
店員さんが
困っていたので、
Mr.に今日はクリスマス。
日本のサンタからの
プレゼントだから
帰りましょ〜！
と言うと、
それはさすがにダメだぞー、、、
とMr,
いやいや、
タダ飯 タダ泊の常習犯が
また、タイに行くから
美味しい蟹ちゃんご馳走して〜〜ね
と甘えて、交渉成立。
帰り際、
あ、渡すの忘れていたけど
はい、これお土産⬇︎
不思議な色の不思議な服と
ハンドクリームやリップバーム⬇︎
そしてこんな物まで入っていた⬇︎
さすがに⬆︎これは頂けませんと
お返しすると、
マダムが強引に私の鞄に詰め込んだ。
マダムの後ろから
Mr.がウインクをする。
マダムがご機嫌なうちに
貰っておきなさいの合図である。