photo by Jake Clennell
私が日本人として初めてプーナの道場を訪ねたのは1980年のこと。
道場で最初に覚えた言葉は、‘Observe yourself.’(自分自身を観察しなさい)というB.K.S.アイアンガー師の言葉でした。
まず今の状態を観察し、ポーズの後で、外側と内側から観察をする。そこでの「気づき」がとても大切だということです。この言葉は「ヨガ哲学の真髄」だと思います。体と心と呼吸を整え、自分の変化に気づいて内面から変わっていくことが必要なんですね。
生涯一ヨギだったアイアンガー先生は、自分はグルと呼ばれるよりも、「一人のヨギとして人生をまっとうしたい」というお考えでした。そして、「自分の師は何も教えてくれなかった。自分は自分のグルであり、弟子であった」と。
クリシュナマチャリア師によって遠くプーナに送られ、貧困な時代もあり、それでも志を失わずに奥様と実験を繰り返し、ヨガのプロップスを生みだしました。
先ごろ上映された映画「聖なる呼吸」(Breath of Gods)を観るとわかりますが、義兄クリシュナマチャリア師はアイアンガー先生のフロンティア精神を見抜いてプーナに行かせた━それは深い愛情で後継者をパタビジョイスとアイアンガーに分けた師の慧眼だったのです。
~ヨガの専門誌Yoginiのインタビュー記事より抜粋~
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