笑いの基本です。。。
お笑い分析研究50号同内容。
□□□□□□はじめに□□□□□□
9月、LINEニュースにゆーびーむ☆さんという女性芸人の記事が載りました。
そこで紹介されていたのは、
MBSの番組の未公開ネタ動画。
《吉本興業チャンネル【○○7~斎藤工が選ぶ7組の芸人~】 未公開ネタ集 『ゆーびーむ』 - YouTube-(https://youtu.be/p9vKNeOohyg)》(→こちら)……
だったのですが、現在、非公開?削除?で、見ることが出来ません。
多少違いますが、《MASEKIGEINOSHA ゆーびーむ☆「相田みつをvsゆーびーむ☆」(https://youtu.be/5ITX8UbHNz0)》(
→こちら)が同じネタです。
ぜひ、見てみて下さい。
ご存知無い芸人さんかも知れませんが、コメントの内容が気になったので、取り上げます。
下記文章は、上記2つの動画の内容が混在しています。
□□□□□□対決□□□□□□
「"相田みつを"の詩と対決する」というパロディネタ。
登場からハイテンションで馬鹿っぽい。
吉本興業チャンネル版では、
緊張するから、手のひらに「人」を書いて飲み込んで落ち着こうって事で、
「イケメン・イケメン・イケメン。ペロリンチョ!」
ね!!!くだらないでしょ???
MASEKIGEINOSHA 版では、
「ペロリンチョ!意味は無いですよ!」
何れにしてもくだらない。。。
これ、大事です!
続けて……
最近の自分の天才ぶりを証明するため、
みんなの前で、相田みつをと対決して圧勝してみせるという……
「つまづいたっていいぢゃないか、人間だもの」
に対抗して、
「つまづいたっていいぢゃないかヒールだもの」
「自分のうしろ姿は自分じゃ見えねんだなあ。」
に対抗して、
「自分のうしろ姿を自分で見えたら髪巻くの楽だなあ。」
「夢はでっかく、根はふかく。」
に対抗して、
「夢は逆玉、ベストは石油王。」
「アレもコレもほしがるなよ。」
に対抗して、
「アレもコレも買ってくれないんだったら別れるよ。」
ピカソとも対決。
ピカソの絵を出して、
「ピカソ、絵ぇー、下手ー。」
自分の、全く上手ではない絵を出して、
「ゆーびーむ☆の勝ちー。」
□□□□□フォーマット□□□□□
もちろん、基本的には「相田みつを」vs「ゆーびーむ☆」の落差が面白い訳です。
「相田みつを」と比べて、「ゆーびーむ☆」の下方評価。
具体的には……抽象的に表現しますが、
< 基準 >:含蓄があり、簡単に理解出来る訳ではない、相田みつをの深遠さと比較して
< ズレ >:含蓄の無い、文字通りの意味しか無い、ゆーびーむ☆の浅薄さ
<ツッコミ>:「奥深さのカケラも無いわ!」
もちろん、それを勝ったと言い切る主張はディスコミュニケーション。
< 基準 >:勝ったと主張する根拠は見当たらないにも拘わらず
< ズレ >:勝ったと主張する
<ツッコミ>:「何処が勝ってんねん!」
個別にフォーマット化すると、上記の通りですが、
全体的にみて、ゆーびーむ☆の価値観、言動そのものが笑い。
つまり、世間では評価されている事を理解せず、評価する能力の無い所が面白い。
「世間」と「ゆーびーむ☆」で比較した、下方評価の笑いです。
< 基準 >:理解している世間
< ズレ >:理解できないゆーびーむ☆
<ツッコミ>:「お前が解ってないねん!」「そう思ってるのお前だけや!」
□□□□□□徹底□□□□□□
これらをさらに面白くするのが、間に挟まれるボケ。
墨で書かれた文字だけの相田みつを作品に対抗して、
作品をカラフルに彩って、
「カラフルで超かわいくない?白黒ダサいよね!夏だよ、夏!」
相田みつを作品を見せて、
「字、汚いから(私の)勝ちー。」
「みつを」という名前を「ダサい」といい、
「リュウセイとかがいいよね。カッコいいいー!負けそー!」
カッコいい名前の人に「アレもコレも欲しがるなよ。」って言われたら「我慢する!」、
でも、「我慢してたら、誕生日にシャネル買ってくれそう!」
最後は、
「天才だからぁー、、、気ぃ使わなくていいって。。。差し入れとか要らないからぁー。。。お金ちょーだいっ♪♪」(吉本興業チャンネル版)
「(ピカソに対抗した絵を)描きながら思った事……彼氏欲しい!!!」(MASEKIGEINOSHA版)
冒頭の「ペロリンチョ!」も同じですが、
そこにあるのは、徹底的な軽さ、バカバカしさ、中身の無さ。
しかも、ただのバカバカしさの提示ではなく、
それはあくまでも、自分を低く見せる手段。
つまり、自分の浅薄さを強調することにより、相田みつをとの落差を際立たせるため。
だからこそ面白い。
そもそも、「私天才だから!」「相田みつをと対決……」って言ってる事が、バカでしょ?
□□□□□□反論□□□□□□
このネタのコメント欄に、
面白いか否かではなく、
「失礼だ」
「やめた方がいいネタ」
「相田みつをもピカソも基礎は上手い……」
といった意見があるのに気付きました。
相田みつをやピカソをバカにしていると感じたのかも知れません?
そもそも笑いは落差。。。
自らは、「浅薄」で「文字通りの意味しか無い」作品や「バカバカしい言動」を提示して、笑いを獲ると言う事は、、、
相田みつをの詩が、
「深遠」「奥深い」「表面的に理解されるものではない」
等と、多くの人に思われているという事が前提となっています。
リアルな事を言えば、「相田みつを」や「ピカソ」を、世間一般が理解、評価しているとは限らない訳ですが、
少なくとも、理解、評価されている価値観の存在が前提。
本人もネタの冒頭で、
「みつをくらい、知っといてよ。」(MASEKIGEINOSHA版)
「みんな知らないかも知れないけど、いい詩書く人。」(吉本興業チャンネル版)
って、律儀にフォローも忘れてません。
□□□□□□笑いとは?□□□□□□
そもそも、ズレを生み出すのが笑い。
「A=A」と言う前提があって、
「A=A」と言っても笑いは獲れないので、
「A=B」と言って笑いを獲る。
それが、ディスコミュニケーション。
< 基準 >:「A=A」にも拘わらず
< ズレ >:「A=B」と言う
<ツッコミ>:「Bと違うわ!」
「A=A」は当然の前提なので、
今更、
「Aは実は、Aなんだよねぇ」
って批判されても、、、
「分かってるわ!」
としか言い様が無いし、
「AをBと言ったら失礼だと思う」
と、否定されても、、、
「それが笑いや!」
としか言い様が無い。
そんな事言われたら、全てのディスコミュニケーションの笑いが不可能になってしまいます。
それにこのネタは、ディスコミュニケーションに加えて、
自分を下方評価させて笑いを獲ってるんですけど……
□□□□□□最後に□□□□□□
ゆーびーむ☆さんはマセキ芸能社所属。
他のネタは、「MASEKIGEINOSHA」のチャンネルにアップされてます。
他のネタを見て、面白いと思うかどうかは、、、
、、、あなた次第 。。。(^o^)/
□□□□□□リブログ□□□□□□
リブログは、ゆーびーむ☆さんの当日のブログ。
ノリはこんな感じ?
広瀬すずと並んじゃうアンラッキー(^_^;)