久しぶりにちょこっと読書。
ちょっと一休みさせていただきました。
- ユージニア/恩田 陸
- ¥1,785
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かつての悲惨な殺人事件
由緒ある豪邸
そして、盲目の美少女・・・
設定から恩田ワールド炸裂!
事件の構造は、京極夏彦「絡新婦の理」と似ています。
しかし表現は万華鏡のような恩田的世界観。
同じ材料でもくるりと回すと違う世界が見えてくるのです。
恩田さんはときどきめちゃくちゃ実験的というかチャレンジングな表現にトライしますが、これもその傾向があります。
もう1冊。
- 令嬢テレジアと華麗なる愛人たち/藤本 ひとみ
- ¥1,890
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巷でうわさのテレジアも読んでみました。
老公妃が孫娘に自分の若かりしときの武勇伝を語って聞かせるという設定(オイオイ!)で
タイトル通り、美少女テレジアのラブアフェアが延々と・・・
テレジアは、今でいうパリスやリンジーのような存在のようです。
だってセックスが好きなんだもん
男性を自分の美貌で思いのままにするのが楽しいのよね
というあっけらかんとしたもの。
誰かに似ていると思ったら『セックス・アンド・ザ・シティー』のサマンサだ!
そうこうするうちに時代は革命期へ。
ロペスピエールの独裁に腹を立てたテレジアは、彼女らしい方法でレジスタンス活動をするのです。
つまり、自分の体を武器に、革命の幹部たちを次々とたらしこんで、
無実の人を救う交通許可書を手に入れたり
死刑を回避させたり、自分も投獄され死刑直前に助けられたりと大活躍します。
ついにはロペスピエール失脚させる原動力となり
「テルミドールの聖母」と呼ばれるようになります。
アンジェリーナ・ジョリーとかが演じたら良さそうです。
そして最後に孫娘にこう語ります
辛くてしかたのない時、もう行きづまってしまったと思えるときには、こういう言葉をおもいだすこと。
それはね、どんな深刻な状況の中にも、必ず笑えるような要素が混じっている、ということ。それは暗闇の中の光です。それを見つけ出して、ちょっとでも笑っているちに力が戻ってくるわ。そしたら、また始めることができる。
人生には、行き止まりなんてないのです。ただ自分がそう思ってしまっているだけなのですから、ちょっと笑ってね、心をほぐしてやればいいのよ。そうすれば、どんな辛さからもなにかを学べるわ。それを力にして、未来を切り開いていくのよ。
とてもまっとうな言葉ですが、彼女の気合いの入った自由奔放な半生を読んだあとに、語られるとちょっとじーんします。
ところで、話題になっているマンガ版のテレジアはこちら。
- 欲望の聖女令嬢テレジア 1 (1) (フラワーコミックス)/森園 みるく
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・・・あんまり「美少女」じゃないような気がします。ただのエロい人でしょ。
文庫版のテレジアの肖像をみてくださいよ。
若き日の名取裕子さんみたいな清々しい美貌じゃありませんか!
- 令嬢テレジアと華麗なる愛人たち (集英社文庫 ふ 14-7)/藤本 ひとみ
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マリー・アントワネットの時代だから、まわりはみんな厚化粧だったはず。
そこをテレジアはあえて素肌の美しさを際立たせるためにごく薄い化粧しかしなかったとか。
それで中身はあんなエロエロ・・・そりゃーモテたでしょうよ。
ああ、歴史物って面白い~!