リン酸塩はどのくらい体に悪い? | ギモンの科学(仮題)

リン酸塩はどのくらい体に悪い?

今日は、リン酸塩について。

リン酸塩リン酸は、生物にとっては必須の物質で、
ATPなどのエネルギー伝達や、
DNAなどの遺伝情報の構成、細胞膜の構成など、
きわめて重要な役割を担っています。

食品添加物としての用途は、
コーラなどの飲料などに酸味料 として、
ハムなどの食肉製品に結着剤として使われます。
(結着剤は、肉の風味・色・肉質・保存性を向上させます。
食品添加物には、結着剤と言う分類自体がないため、
表示される場合は、物質名で表示される場合が多いです。)

さて、このリン酸塩、摂り過ぎると
カルシウム の吸収を抑えて、
骨粗鬆症(骨粗しょう症)の原因になるとして、
こんな感じで、かなり嫌われています。
セブンイレブン リン酸塩未添加への取り組み

さて、実際はどうなんでしょうか。

リン酸塩が体に悪いかを考える上で、
一番問題になりそうなところとしては、
どのくらい添加されているか分からないところだと思います。

で、調べてみると、
コーラでは、リンとして11mg/100g、
食肉製品では、30mg/100gくらい添加されるようです。
コーラはグリコ栄養成分ナビゲーター
食肉製品は食品工業(食品の専門雑誌)の記事
それぞれ調べました。
製品によって多少変動はありますが、
そう大きく違うことはないと思います。

このリン酸塩の添加量がどれくらいかと言うと、
食肉自体に含まれるリン酸量の0.5%~10%です。
例えば肉100gと同じリン酸リン酸入りのコーラで摂るには、
1~20リットルを飲まなければいけません。

リン酸塩を添加していることで、
カルシウム とのバランスを崩しているとは言えるでしょう。
加えないほうがいいとも言えるでしょう。
しかし、加えたとしても、その量は、
本来食品から摂る量に比べれば、かなり少ないんです。

さらに言ってしまうと、
リン酸塩を添加物で多少摂りすぎるより、
カルシウム の摂取不足のほうが、よほど深刻です。
牛乳や小魚、葉物の野菜を多く摂りましょう。

まとめると、
リン酸塩は、食品に添加される量は少ないので、
大げさに嫌う必要はないです。
まず、カルシウム の摂取を心がけたうえで、
それでも心配な方は気にしましょう。

2009.7.20追記
リン酸塩リン酸を混同したような書き方になっていたので、
若干文章を書き直しました。
関連記事として、コーヒーとリン酸塩で実験 がありますので、
こちらも読んでもらえるとうれしいです。