チャンミンを待つ、間。冷静な顔で話が聞けるか、それだけ考えてた。
俺が君の恋愛話にやきもち焼くなんて、君からしたらありえない。
涼しい顔で聞き流して、頑張れって伝えないと。
近づいてきてるのはなんとなく、わかってたけど。
声を駆けられたくて、気付かない振り、してた。
「あの・・・っ」
勇気を振り絞ったような、言い方で。
俺に声をかける、君。なんだか、新鮮な気分。
誘うのはいつも、俺からで。
おばあちゃんが亡くなったときは、助けてもらったけど。
だからといって、大きな変化もないままだった。
それなのに君が、こんな風に、時間を作って欲しいと、言ってくれるようになるなんて。
「わざわざ、お時間作っていただきありがとうございます」
君らしい、他人行儀な挨拶。ああ、でも。
他人、か。友達とはいえ、そこまで親しくはないと。
線を引かれているようなもの。
「なんか、食べようか。お腹、すかない?」
たしか、ラーメンが好きだとか、言ってた気がする。
お気に入りのラーメン屋に、連れて行った。口に合うといいんだけど。
チャンミンからは、何も言い出さないまま。
緊張、してるのかな。ちゃんみんがいるわけでも、ないし。
ふたりきりになったら途端に、何を話せばいいか、わからないのかも、しれない。
「何か、困ったことでも、あった?」
「え?」
「俺でよかったら、聞かせてくれないかな」
チャンミンは、何かを言いあぐねているようで。
行こう。それ以上は、チャンミンが自分から言い出してくれないと、どうすることもできない。
お金を出そうとするのを、制して。
特に話がないんだとしたら。
なんで、俺を呼んだんだろう?