花容/花守 46 | 沼から出られない

沼から出られない

元トンペン、現在アニメ沼。ハイキュー!!、 東リベ、呪術廻戦。新規開拓中。
旦那22年秋に認知症診断
本人希望ありオス柴りゅーをお迎えし、凶暴化により訓練出すもあまり変わらず(金返せ)
旦那23年春に胃がんステージⅣ診断、抗がん剤中断、緩和へ移行。24年4.22永眠

チャンミンを待つ、間。冷静な顔で話が聞けるか、それだけ考えてた。
俺が君の恋愛話にやきもち焼くなんて、君からしたらありえない。
涼しい顔で聞き流して、頑張れって伝えないと。

近づいてきてるのはなんとなく、わかってたけど。
声を駆けられたくて、気付かない振り、してた。
「あの・・・っ」
勇気を振り絞ったような、言い方で。
俺に声をかける、君。なんだか、新鮮な気分。

誘うのはいつも、俺からで。
おばあちゃんが亡くなったときは、助けてもらったけど。
だからといって、大きな変化もないままだった。
それなのに君が、こんな風に、時間を作って欲しいと、言ってくれるようになるなんて。


「わざわざ、お時間作っていただきありがとうございます」
君らしい、他人行儀な挨拶。ああ、でも。
他人、か。友達とはいえ、そこまで親しくはないと。
線を引かれているようなもの。

「なんか、食べようか。お腹、すかない?」

たしか、ラーメンが好きだとか、言ってた気がする。
お気に入りのラーメン屋に、連れて行った。口に合うといいんだけど。
チャンミンからは、何も言い出さないまま。
緊張、してるのかな。ちゃんみんがいるわけでも、ないし。
ふたりきりになったら途端に、何を話せばいいか、わからないのかも、しれない。

「何か、困ったことでも、あった?」
「え?」
「俺でよかったら、聞かせてくれないかな」
チャンミンは、何かを言いあぐねているようで。
行こう。それ以上は、チャンミンが自分から言い出してくれないと、どうすることもできない。
お金を出そうとするのを、制して。

特に話がないんだとしたら。
なんで、俺を呼んだんだろう?