ウィリアム テンプソンです!

履くのも磨くのも楽しい靴、シェットランドフォックス ケンジントンⅡを磨きました!

メッキ状とまではならないですが、かなり光らせました。


ここまでどうやるのか、いつも説明している以上に詳しく書いていきたいと思います!

何もしていないケンジントンⅡです。

テカっていますが曇りも目立ちますよね。


基本的にスッピン状態にしてからの方が、艶も綺麗になりますし、普段との違いを感じられますし、栄養補給とかも出来るので、私は何も残さずドスッピンにします!


落とすのに三十分掛かるとは思っていませんでした。。
ステインリムーバーよりサフィールレノマットの方が強いので、あまりにも大変な場合はそちらをオススメ致します。



昔は面倒臭いとか、艶出しが大変になるとかいう理由で、あまりちゃんとした汚れ落としをしていませんでした。
ただ、スッピンにした靴に鏡面磨きをすると透き通った美しい艶が生まれるという事に気が付き、ちゃんと落とす様になりました。


この後保湿のデリケートクリーム、色と油分補給のサフィールノワールクレム1925、艶出しのシェットランドフォックス ハイシャインクリームを塗りましたが、詳しくは書きません。

モウブレイ デリケートクリーム後



この靴からハイシャインにしていきます。


とりあえずの目標は、全体を鏡面磨きにする事と、爪先は前回のチーニーくらいの鏡面にする事です。

ここまでするのに、ただハイシャインクロスにワックスと水をつけただけではありません。
ピカピカ靴磨きさんに教えて貰った物を紹介します。丸で自分で考えた事の様に書きますが、分かりやすくする為ですからどうかピカピカ靴磨きさん、お気を悪くしないで下さい(^_^;)。


まず用意する物です。

・ワックス(固めと柔らかめの二種類あると便利)
・ハイシャインクロス
・水
・アルコール(エタノール等)
・氷水
・脱脂綿

この七つが決め手となります。



ワックスは、アーティストパレット等では駄目です。
あれらは油性クリームという物ですから、ワックスの様なギラギラな鏡面には出来ません。

ワックスは、下地で柔らかめのワックス、仕上げで固めのワックスを使うので必要になります。

柔らかい方が革の凹凸を埋めやすく、
固い方が艶出しには良いのです。

ただこれに関しては、エタノールがあれば硬度を変える事は出来るので、一つでも平気です。

エタノールを入れるのは、ウィスキーで磨くモルトドレッシングや一本1000円もするハイシャインウォーターと同じ原理です。磨きやすくなります!



ジャズでも流しながら優雅に磨いた方が光ります。私は小学生の頃から好きなグレン・ミラーを聞きながら磨きましたよ。



まずは何もしていないこの爪先をご覧下さい。


こいつに少し多めのワックスを指で塗っていきます。


塗り終えてもまだまだ磨き続けるとこうなります。


それをネル生地で磨くのですが、ただの水で磨くのではありません。

こちらの瓶のフタに入っているのは水道水です。

消毒用エタノールがあります。

これにスポイトやら何やらして、さっきのフタに入れます!一度出したエタノールは、容器に戻しては汚れてしまうのでいけないそうです。

だいたい最初は5:5位にしました。少し濃い目ですが、下地は柔らかい方がやりやすいので、この位にします。

ネル生地にワックスとアルコール水溶液を付けて爪先に塗っていきます。


何回か繰り返しているとこんな感じになりますので、面を変えてアルコール濃度を40%位に下げて磨きます。

時には優しく、時には強く、水を増やしたり減らしたり、円を描いたり上下にサッサカしたり、感覚で覚えなければならない事ばかりです。
ピカピカ靴磨きさんの言う
キャベツの千切り的な感覚でやるしかありません。

まだ曇っていますが、頑張ってネル生地で磨き続けて下さい。

脱脂綿を用意します。化粧のコットンパフとかではなく、脱脂綿です。

それをを氷水に浸し、何もかもが天国に召されるかの如く強い力で絞り、放っておきます。あとは自然に乾燥させて軽く湿らした位になるのを待ちます。氷水にするのは、冷たい方がワックスが固まりやすくなり、艶出しが楽になるからです。

濡れたままでやると必ず艶がなくなります。

ネル生地ではもう光らないという様な艶になりましたら、脱脂綿技を使います。

手袋をすると鏡面を傷付けずに済むので良いそうですが、私はしていませんね(^_^;)

折ってこの様にスタンプみたいにしてから磨きます。

普通に磨いて平気です。
最初は弱めの力で、だんだん強くしていくと良いのだとか。いや、実際そうです。


私自信慣れていないので脱脂綿技には時間が掛かってしまいます。

脱脂綿でやったってこの位の艶しか出ない時もあります。一度間を置いてやると光るかもしれませんので、諦めずに根気よくやりましょう。

脱脂綿技の詳しい方法はコチラから

次の日にやったらここまで光る事もあります(逆の靴ですが)。


これで完成です!



…今回使ったワックスは、、

ダイソーのワックスです!!
もちろんあの100均のやつです!

臭いですが、サフィールノワールと交互に使ったりすると良い気がします!
それにかなり使いやすく、簡単に光らせられます!

ジャズによって臭いも緩和される感じさえします。


それでは最後に、シェットランドフォックス ケンジントンⅡの靴磨き後の写真を続けてどうぞ。






この靴は丸いチゼルトゥみたいな感じ、少し磨きにくいのですが、ここまで光ったのは初めてです!

ショーウィンドウにありそうな写真を。

ピカピカ靴磨きさん、本当にありがとうございます!
またお電話しましょうね!(^^)


動画  靴磨きの基本 フルメンテナンス 道具紹介

動画 フルメンテナンス ケア編

動画 フルメンテナンス ポリッシュ編



フルメンテナンスの詳しい方法はコチラからどうぞ!










鏡面磨きの下地を簡単に作る方法はコチラからどうぞ!





靴磨きの依頼も承っております!
churchs173@gmail.comまでご連絡下さい!
詳しくはコチラをご覧下さい!



一般的ではないアルコール水溶液と脱脂綿、皆さんも是非お試し下さい!
それでは!


~追記~
鏡面磨きをすると革に悪いと言いますが、そんな事はそうありません。
通気性を損ねると言うのは、そもそも厚い芯がある爪先の靴にありません。
油分、水分は三ヶ月に一回くらいのフルメンテナンスで汚れ落としをすればしっかりと浸透します。
クリーナーはしっかりと使えば革を荒らしません。

ですから厚塗りしようと薄塗りしようと塗らなかろうと、革は変わりません。クラックも、しっかりとケアしていれば入りません。(ちなみにクラックは、足に合っていない部分に深いシワが入り摩擦が起こる事で、乾燥してしまうのが原因で起こります。)

むしろ塗らなかったり薄すぎたりした方が、ぶつけたときに革に傷が入ってしまう可能性もあります。

「顔に化粧をしたままは良くないというのと一緒」という考えは大間違いです!
革は既に死んでいて、化粧をした所で荒れたりしません。保湿したらわざわざ置いて空気を浴びせる必要もありません。呼吸しないからです。
定期的に落とすことは前提で、そうしなければワックスを塗っていようと塗っていなかろうと、革は油分などが不足していきます。鏡面磨きをしたからこうなる、なんて事はありませんよ!

皆様、どうぞおかしな情報に惑わされない様に気を付けて下さい。


それでは!