常総市の大水害 - 国交省の不作為③ | 追憶の骨 (bones)

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音楽や映像だけでは残せない、あの時の僕たち。


(ANNnewsCH 9月12日)


「ソーラーパネル水害」について一部でテレビ報道があった。

やはり常総市の大水害は国交省の不作為が大きく関係している。


■ ソーラーパネル水害の現場

もう一度、場所を確認しよう。

(ANNnewsCH 9月11日)

画像で黄色のポイント地点「若宮戸地区」、ここがソーラーパネル水害の現場だ。その少し下にある「決壊場所」は、自衛隊ヘリ救出シーンの「新石下地区」だ。

(News-i 9月12日)

これがソーラーパネル設置状況、そして堤防の掘削はこんな感じ。

(ANNnewsCH 9月11日)

この結果がこの状況。

(ANNnewsCH 9月11日)

「堤防決壊場所より先に冠水」

堤防のない若宮戸地区は、堤防が決壊した新石下地区より先に水害が起きた、この事実はとても重要なので覚えていて欲しい。


■ 地元の危機感ともうひとつの顔

ソーラーパネル設置工事が行われたのは昨年の事だ。

(News-i 9月12日)

自然堤防が掘削されている事に危機感を覚えた住民たちは、常総市役所に苦情を入れる。掘削工事には市への届出義務がない、この話は常総市役所にとって寝耳に水だったようだ。

常総市役所は管理者である国交省に要望書を提出する。


ここで、この記事を読んでほしい。

 建設場所は私有地だったが、「生命や財産を失う不安があった。それらを守る権利が国民にはある」と声を上げ続けた。しかし、同年5月には、同市石下庁舎の職員に「何かあれば自己責任で逃げてください」と切り捨てられた。「鼻つまみ者にされたんだ」。役所に味方にされず、逆井さんは地域で孤立していった。

 近隣住民の50代女性は建設業者に脅されたという。「危ないから山を崩さないでと言ったら『あんまり騒ぐと、ここに住めなくなるよ。いいんですか』とすごまれた」と振り返る。

これが地元のもうひとつの顔だ。


■ 国交省の責任逃れ

常総市は要望書を提出したという事は「国交省は知っていた」という事だ。それでなくても1級河川沿いでは国交省のパトロールカーが頻繁に巡回している。

(News-i 9月12日)

昨年7月、国交省はこの現場に土嚢を設置した。

「とりあえず土嚢を積んでおけば大丈夫だろう。」

国交省の中の誰かがこう判断したのだ。

報道の中には「工事が始まる直前だった」かのような印象を与えるものがある。しかし実際には、まだ土地収用の段階、堤防工事の完成は20~30年後の予定なのだ。

それまでの間、土嚢で済ませるつもりだったのか?

この点は国会で明確にしなければならない。

(青い部分は20~30年後の予定 国交省資料より)

現地を視察した太田国交相はこう語る。

(News-i 9月12日)

「堤防自体は全域にわたり、同レベルにできていた」

これは明らかなウソ、まさに事実の隠蔽じゃないか!


無責任・隠蔽・国民泣き寝入り

これが日本の本質だと、僕はこのブログで何回も書いてきた。

同じことが、日本全国で繰り返されている。


<④につづく>