【橋下府政ウオッチ】「答えが出せないなら知事会は解散だ」。米軍・普天間など沖縄の基地機能や訓練の分散移転について、鳩山由紀夫首相が13日、全国知事会(会長、麻生渡福岡県知事)に協力を要請したことを受け、大阪府の橋下徹知事は、府庁内で記者団に言い切った。

 さらに、「今まで基地を受け入れていないところが受け入れるべきで、真っ先に考えないといけないのは関西だ」と続け、受け入れにも含みを持たせている。

 今回の問題で、橋下知事は昨年11月から一貫したメッセージを発信し続けている。あくまで個人的な見解と断ったうえだが「国から正式な話があれば(議論を)受け入れる方向で考えたい」という内容だ。

 当初は「個人的な見解」だったが、橋下知事はそこから踏み出し、12月の知事会では「知事会として同じテーブルで協議すべきだ」と問題提起。多くの犠牲者が出た沖縄の地上戦に触れ「沖縄には多大な負担をかけた」と説明し「地方が政府に対し対等の関係を求めるなら責任も負うべきだ」と語っている。

 だが、会合に出席した大半の知事からは「時間が足りない」といった意見が相次ぎ、このときは「継続」として議論は持ち越された。5月27日の知事会では鳩山首相が沖縄問題について提案を行う注目の会議。ここでも知事会が何の回答も出せないと、知事会の存在感にもかかわることになるだろう。

 ただ、こうした橋下知事の動きには違和感も感じている。議論が府民不在で進められているように見えるからだ。これまで関西での基地受け入れが議論されたことは皆無に等しい。想定される受け入れイメージもなく、府民が基地問題を考える判断材料があまりにも不足していると思うのだ。

 19日の定例会見で橋下知事は、沖縄の負担軽減についての見解を問われ「日米安保についてどれだけの金やマンパワーが投じられているのかが目に見えていないことが問題」と指摘したうえで「子供たちに修学旅行で米軍基地を見せるべきだ」とも語っている。

 会見のなかで橋下知事は「今、思いつきました」として「子供たちの修学旅行で米軍基地に行かせたらいいと思う。府教委にいえばだめといわれるかもしれないが…」と発言。「広島、長崎も大事ですが現実に軍隊がどんなものか見る必要がある。僕も知らなかった。大人になるまで分からなかった」と話し、騒音や危険の問題を含め、基地の抱える地域の現実を知る必要もあるとした。

 また、軍事力の問題は政治家による決断が重要だとし「国民のうち1千万人が反対しても1億1千万人が賛成すれば進めるべきだ。そうしないと沖縄の問題は解決しない」とも語った。

 受け入れを議論するとしても、イメージなしでは話をするのも難しい。実現できるのならば修学旅行も実施すればよいと思う。具体像もなく、知事が本気で関西受け入れを考えるのであれば、空港問題や大阪都構想を訴えたように、基地問題をテーマにしたタウンミーティングなどを開いてみるのはどうだろうか。(今西和貴)

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 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)移設問題で5月末の決着は絶望的となったが、鳩山由紀夫首相の言動はなお首尾一貫してブレ続けている。「政治の本質は揺らぎ」が持論の首相は「場当たりな発言は一切ない」と強弁するが、野党側も「どこかが決定的におかしい」(石破茂自民党政調会長)といぶかるほど。首相の口癖である「思い」の中で整合性はとれているのか。

  [フォト]首尾一貫して(?)ブレる首相 現実と遊離したままだが…

 「首相のあまりにも軽い発言が、国民の政治に対する信頼を失わせることを憂慮している。一国の首相が、政策もよく分からないで国民を狼狽(ろうばい)させるような発言を繰り返してしまう」

 一見、今月4日の沖縄訪問時に「学べば学ぶほど米海兵隊の抑止力が分かった」と述べた首相に対する批判に見える。だが、実は平成20年11月、民主党幹事長だった首相自身が、当時の麻生太郎首相について「朝令暮改だ」と指摘した際の言葉だ。

 「私もどんなに打たれても美しく行動できれば」

 首相は沖縄訪問前日の3日には芸能関係者の会合でこうあいさつした。米ワシントン・ポスト紙に「loopy」(現実と変に遊離した人)と揶揄(やゆ)されたためか、最近は普天間問題での自らの迷走を「愚直」「誠心誠意」と肯定的な言葉を多用して美化に努めている。

 首相はもともと、米軍は日本に駐留せず、有事に限って駆けつけるという「常時駐留なき日米安保」を提唱していた。東アジアの安定維持も、日米同盟の双務性も無視した“空論”だが、昨年12月の時点でも「その考えは封印しなければならない」と述べただけで、撤回はしていない。

 昨年9月の政権発足以降、外務、防衛両省からは「官邸が外交・安保に関心を示さない」という悲鳴が漏れていた。それでも首相は周囲に「オバマ米大統領は話せば分かってくれる」と語るなど危機感を持ち合わせていなかった。

 「何か本質的な間違いというか、本質的な考え方がどうも違う。それが結果として表面的な失言につながっているのではないか」

 これもやはり首相が20年11月、麻生氏に浴びせた言葉だが、見事なブーメランとなって跳ね返っている。社会学者、マックス・ウェーバーが政治家の決定的な心理的資質と位置付ける「現実をあるがままに受けとめる能力」が、首相には欠けているのではないか。(阿比留瑠比)

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 全国健康保険協会(協会けんぽ)の国庫負担を健保組合などが「肩代わり」する特例措置を盛り込んだ「医療保険制度の安定的運営を図るための国民健康保険法等の一部を改正する法律案」は5月12日、参院本会議で可決、成立した。

 新制度は7月に施行する。財政が悪化する協会けんぽの再建を支援するために、後期高齢者支援金の負担を軽減するとともに、保険給付の国庫補助率を16.4%(現行13%)に引き上げる。後期高齢者支援金については、算定方法を今年度から3年間、加入者数に応じて組合の負担額を決める現在の「加入者割」から、組合ごとの総報酬に応じた「総報酬割」に一部切り替える。
 
 本会議では厚生労働委員会の柳田稔委員長が、審議経過のほか、政府案の採決で可否同数となり、委員長決裁で可決とした結果を報告した。また、本会議での採決に先立ち反対討論が行われ、自民党の中村博彦氏は、「新しい高齢者医療制度を含む医療保険制度の全体像が打ち出されないことから生じた一時しのぎの保険財政のつけまわしであることが大きな問題だ」と同法案を批判した。



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