米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)移設問題で5月末の決着は絶望的となったが、鳩山由紀夫首相の言動はなお首尾一貫してブレ続けている。「政治の本質は揺らぎ」が持論の首相は「場当たりな発言は一切ない」と強弁するが、野党側も「どこかが決定的におかしい」(石破茂自民党政調会長)といぶかるほど。首相の口癖である「思い」の中で整合性はとれているのか。

  [フォト]首尾一貫して(?)ブレる首相 現実と遊離したままだが…

 「首相のあまりにも軽い発言が、国民の政治に対する信頼を失わせることを憂慮している。一国の首相が、政策もよく分からないで国民を狼狽(ろうばい)させるような発言を繰り返してしまう」

 一見、今月4日の沖縄訪問時に「学べば学ぶほど米海兵隊の抑止力が分かった」と述べた首相に対する批判に見える。だが、実は平成20年11月、民主党幹事長だった首相自身が、当時の麻生太郎首相について「朝令暮改だ」と指摘した際の言葉だ。

 「私もどんなに打たれても美しく行動できれば」

 首相は沖縄訪問前日の3日には芸能関係者の会合でこうあいさつした。米ワシントン・ポスト紙に「loopy」(現実と変に遊離した人)と揶揄(やゆ)されたためか、最近は普天間問題での自らの迷走を「愚直」「誠心誠意」と肯定的な言葉を多用して美化に努めている。

 首相はもともと、米軍は日本に駐留せず、有事に限って駆けつけるという「常時駐留なき日米安保」を提唱していた。東アジアの安定維持も、日米同盟の双務性も無視した“空論”だが、昨年12月の時点でも「その考えは封印しなければならない」と述べただけで、撤回はしていない。

 昨年9月の政権発足以降、外務、防衛両省からは「官邸が外交・安保に関心を示さない」という悲鳴が漏れていた。それでも首相は周囲に「オバマ米大統領は話せば分かってくれる」と語るなど危機感を持ち合わせていなかった。

 「何か本質的な間違いというか、本質的な考え方がどうも違う。それが結果として表面的な失言につながっているのではないか」

 これもやはり首相が20年11月、麻生氏に浴びせた言葉だが、見事なブーメランとなって跳ね返っている。社会学者、マックス・ウェーバーが政治家の決定的な心理的資質と位置付ける「現実をあるがままに受けとめる能力」が、首相には欠けているのではないか。(阿比留瑠比)

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