氷ノ山に続いて中国山地東部・但馬山群(たじま)となる鉢伏山(はちぶせ)、高丸山に登らせて頂きました。
中国山地の最高峰は鳥取県の大山(1729m)ですが、氷ノ山を中心とした"氷ノ山後山那岐山国定公園(ひょうのせんうしろやまなぎさん)"という山岳自然公園が人気です。
兵庫から鳥取、岡山と県境を跨って山々が連なっており、登山家で冒険家の植村直巳氏が登った蘇武岳(そぶだけ)もあります。この辺りの山群を登り尽くしたと聞きますから氷ノ山も鉢伏山も登ったんでしょうね。
さて、鉢伏と言えば鉢伏高原、スキー場ですね。私はスキーは興味ありませんし出来ませんが、子供の頃、林間学校か遠足なんかでこの辺りに来た記憶があります。
△△△
@4:00
起床
@5:15
自宅出発
@5:47
名塩サービスエリアにて小休止。
朝食のおにぎり等と昼食を購入。昔ながらのオニギリとかいう品が滅茶苦茶美味かった。
@6:08
再出発
@7:03
フレッシュ朝来(あさご)サービスエリアにて小休止。
@7:10
再出発
氷ノ山山行時と殆ど同じ道程です。
この後87号線に入り、福定の分岐を右に、大久保へ。分岐を左に行くと、前回の氷ノ山山行の福定親水公園(ふくさだしんすい)・国際スキー場方面となります。
途中、車と接触したのだろう、鹿が悲惨な姿で死んでいた。いろいろ考えさせられます。
@8:19
大久保到着。
全但(ぜんたん)バス鉢伏駅の前。見逃しそうな小さい駅です。周りは旅館だらけ。
この辺りで良いのか少々迷いました。登山向けのこれといった目印、標識はありません。
唯一、『氷ノ山・ホードー杉登山口』とペンキで書いた手製の看板が。
左手向こうに氷ノ山、正面から右手にかけて鉢伏山が見えてます。
。
大久保の民宿建ち並ぶ村を抜けて川沿いを進みますが途中から山に入る道がどうにも良く分からない。
集落のあちこちに咲いてました。
ここまでは順調に見えたこの山行。
しかし、この先で行き止まりになってしまい、また集落まで引き返すハメに。
地形図とコンパスを手にあれこれチェックして、それらしき道に分け入りますがどうにも怪しい。
川沿いをもう少し上がってみたが途中から畑。
間違いない所まで一旦戻り、軽トラックに乗ったオバサンに道を尋ねる。
あまり面白くないが車道を通って行く分かりやすいルートも教えて頂いたがそれはやはり面白くない。
やはり川沿いを上がった所をさらに進むようだが、まだ夏前という事もあり、地元の自治会の方々が山道整備をしておらず藪漕ぎのようになるかもとの事。
おばさん:
まぁ氷ノ山行きはったくらいやったら、あんたら行けんことないけどな。
クマ鈴持っとる?大きいの持っとるか?あぁほんならええわ。
まぁほんまはラジオとかの方がええけどな。
私と相方:…ゾゾーッ…
この辺りの山にクマが居るのは氷ノ山で知っていたが、地元民に言われると非常にリアルです。
しかも今から行かんとするルートはまだ整備されていない山道。人の気配がまだない。
しかし昨年の上高地での体験もあり、その後、それなりに山に入らせて頂き初心者なりに経験は積んできたつもりなんでそう怖さはありません。
というわけで再出発。
いきなりの急登をぐんぐん進みます。何日か前に誰か入った踏み跡がありますが、人の気配はなし。確かにまだ整備されていない感じですね。
中々山深い山道がしばらく続きます。とてもいい雰囲気ですが、氷ノ山と違い森林木立の中なんで、クマの事を考え、ちょくちょく『ホッ!』とか『えい!』とか声を出します。
もちろん相方とお話ししながら登ったりしますが、息が切れるのでずっと喋るわけにはいきませんからね。
急登を登りきるてっぺんの手前が視界の切れる瞬間なので危ないそうです。上がるとクマが、イノシシが、と出くわしたりするとか。
先日買ったストックを鉢合わせてカンカン鳴らすのもそれなりに効果があるそうです。
しばらく進むと山道脇の大木のそばに何者かがズリズリと地面を擦った後が。しかも大きいではないか。
さらに進んだところで今度はウンチ。まだ若干生々しい。『しかも大きい』。
何者とははっきり言わんが恐らく月の輪某ではなかろうか。
不思議とそう怖さはなく、ちょっと興味津々で観察。後で聞きましたが相方はかなり恐怖だったらしい。
そんなこんなで声出したりカンカンしたりと色々しながら歩いていたが、何だかだんだんテンションが上がってきて猿の鳴き声やら犬の吠える声やら、
歩くリズムに合わせて『エンヤコラヨットット』とか『ヨッシャシャシャシャ』とか声出したりして、クマがどうより、声を出すことが面白くなってしまいました。
高原を軽くトレッキング~
のつもりが、この山深さ・・・
ああ、しかし恐怖のあまり脇目も振らず登り続けたため
写真があまりなく。
しかし、恐怖写真その1。
テレビでクマのそういう習性を見たこと、あるようなないような。
この少し前に、ものすごく大きなフンも・・・
もう、休憩もそこそこにひたすら登ります。
いいかんじのブナ林も、クマ鈴をガンガンに響かせて
急ぎ通り過ぎます。
しまいには、私なんぞは、クマ鈴を手に持って
リンリン鳴らしながら歩く始末・・・
さて、そうこうするうちに木立を抜けて右手に丘陵地が。
上は稜線!尾根道!おぉ!あれが噂のミニミニアルプス尾根か!もうすぐだ!
丘陵地にはちらほらと山菜採りをしている人が。
今来た森林木立を左手にして歩き出してすぐ、木立の中から『グルルルル~』と何やら異様な音が。
思わぬ不意打ちに血の気が引き、数メートル後ろの相方まで行き『ヤバい!引き返せ』と(相方いわく凄い形相で)言い数歩後ろへ。
しかし何もないようで、まぁ山ではいろんな音や鳴き声が聞こえますから。冷静になって通り過ぎます。
すると、むむ?何やら足跡が。『しかし大きい』
イノシシや鹿や犬とは明らかに違う形。月の輪某かも知れないですね。山は人のものではないのです。彼らのもの。
山道を右に折れて尾根に向かってグンと登ります。途中から高原というか丘陵の素晴らしい景観。遮るものがないので風も強くなってきました。
わらびがたくさん生えてます。
高原のほうを見ると、山菜取りにきた人たちがけっこういらっしゃいます。
な・に・か・の、足あと・・・
この形・・・クマっぽくないですか?
シカの足あともいっぱいついてました。
おおーっ!
やっと視界が開けた~
もう、こうなるとクマも怖くねぇっす!
しかし、この直後、恐怖映画のような形相で急ぎ引き返してくるウ氏。
笹ヤブから声が聞こえてきたそうです。
そのあまりの形相に、心臓が痛くなった私でした・・・
ウ豆知識:本当に怖いときの顔は、役者並みである。
ステキー!
ウ氏、なにかを発見。
石の下に、かくれました。
フンころがしの、つがい?
ウ豆知識:どんなに怖くても、虫探しを忘れない。
振り返ると、大久保の集落。
いや、ハチ高原のペンション群・・・?
あんまり急いで登ったので、どのくらいの距離を歩いたのかわかんなくなりました。
視界が開けた、開けたっ
鉢伏山への道のり。
ん~!アルプスちっく。
稜線が近くなり、風が強くなってきました。
@10:48
氷ノ山・ホードー杉/鉢伏山(ハチ高原)分岐の尾根道へ出る。
これは素晴らしい。実に素晴らしい。左手はホードー杉~氷ノ山、右は高丸山~鉢伏山。
この鉢伏山へ至る尾根道の素敵なこと!たまらないですね。
分岐にて暫し休憩です。稜線の風がさすがにキツいのでジャケットを着ます。下は今来た森林木立。距離はさほどではないですがスリリングでしたね。
標識かわいらしい~!
1019鞍部に到着~!
1019鞍部より、ハチ高原を望む。
ステキすぎて、テンション上がりまくり!
ここで、やっと座って休憩です。
つづく。