パートナーズDVD映像作品の感想録(レビュー)の初回として、平成17年(2005年)制作の
№11「ハイテク渓流講座①/げに恐ろしきかな秋ヤマメ編/佐藤 忠雄」
について記します。
雑誌編集者だった忠さん(佐藤 忠雄さん)が雑誌社をお辞めになり、平成16年(2004年)に パートナーズを創業してから2年目、11作品目として発売された作品です。
渓流シリーズとしては3作品目となりますが、平成4年(1992年)に忠さんが著した「渓流のルアーハイテク講座」 の事実上の続編と言えると思います。
1枚が約1時間で2枚組となっております。
時系列サムネイルで内容を説明します。
序盤は水量・川幅の大小・落込み・瀬など、状況に合わせた釣り方の実釣解説です。
次に忠さんの道具立てやベストの中身についての紹介です。
ちなみに、冒頭のこの画像にあるロッド「Chuu D・N・A Japanese Standard 凜 RIN-50」は、当時、パートナーズ会員限定で販売された限定生産品で、何年も前に売り切れとなって、 現在は販売されておりません。
ロッドは実際にルアーとリールを付けて振ってみないと、感触は解らないものなので、映像や記事のみで判断してはいけないということを、痛い思いを何回もしている経験から、痛切に感じております。
幸いにも忠さんから、現場で実釣させてもらいましたが、私感として、カーディナル3(33)装着を前提とした重心とガイドの設定になっており、竿振りに対して腕への負担が少ないというのと、ヘビーシンキングミノーの操作ができる硬さ且つスプーン・スピナーが操作できる軟らかさが両立した調子に仕上がっていると感じました。
そして、2004年の禁漁間近、閉伊川水系で尺ヤマメを釣り上げるまでの過程の映像です。
ヘビーシンキングミノーによる釣りの重要な要素として"慣性スライド"について、その釣り方の紹介があります。
"慣性スライド"というのはスミスのヘビーシンキングミノー「Dコンタクト」の代名詞となるくらいに、広告や、生みの親である平本仁さんの一連の記事や映像で謳われております。
しかし、忠さんが提唱する"慣性スライド"は、理屈は同じでも、釣りとしての応用の仕方が 全く違います。
尺ヤマメを釣り上げる場面ですが、詳細は伏せておきます。
そして最後が忠さん・チャップ横田さん・阿部 悟さんによるミノー・スプーン・スピナーによる同時釣行の実験映像です。
ちなみに、この画像は今年の釣行記で紹介した場所 です。
後にパートナーズDVD№23「ミノー・スプーン・スピナー①~3タイプ釣果テスト・状況別最強ルアーは何?」として発売されておりますが、そのために撮影した内容を、おまけ映像とされております。
ミノー・スピナーに反応がなく、最後にスプーンをキャストしたところ…!、…詳細は伏せておきます。
午後、天気は良くて水は澄んでおり、全員のルアーに対して魚が反応しなくなります。
そして、各自のルアー限定縛りを解除して、忠さんがスプーンからスピナーに代えたところ、忠さんのスピナーにのみヒットするようになります。
本作品の締めの画像です。
この作品は、忠さんと出逢う前に購入して視聴しておりましたが、ルアーに転向して間もない頃でしたので、漠然と"要は慣性スライドっていうのとルアーを代えるっていうのが重要ということなんだな"としか見ることができませんでした。
しかし、ルアー釣りの経験を重ねていくにつれ、そんな単純なことではないことに気づくようになり、映像を見る度に戦慄というのでしょうか、そういうものを感じるようになりました。
自分の経験上の比較ですが、作品序盤の釣行シーンにおいて、場所ごとのアプローチ、水量ごとのロッド操作とリールの回転速度など、特にテロップが出ていないシーンで、簡単にはできそうにないことをサラリとやっておられるのです。
初心者としては、これらの画像と実際に似たような状況とを比較できれば、とても参考になります。
あと、"そういえば"的な感じで気づくのですが、"慣性スライドの解説の後に、チャップさん・阿部さん達の映像という流れになっているのは偶然だろうか"とか、"あの魚はスプーンというルアーの形や尻振り等のスプーン特有の動作が理由で反応したのだろうか…、キャストをよく見ると…"とか、"忠さんがスピナーに代えて連続ヒットしているが、その前に阿部さんがスピナーを使っていたよな…、ということは…、"等々、あくまで私の勝手な見方ですが、いろいろな"何故…"について考えてしまいます。
そして最後に、上の画像が流れるのですが、これを見る度に、尚更、上述のような感覚を覚えるのです。
パートナーズDVD作品に、道具に触ったことがないような初心者向けの作品がありません。
そうした初心者向けの内容は、先に紹介した「渓流のルアーハイテク講座」の本とVHSビデオで紹介されており、この作品を続編と捉えると、私感として納得できます。
私は初心者として、この作品に接しておりますが、平成4年辺りに「渓流のルアーハイテク講座」をご覧になった方が、この作品を見ると、どの様に感じるのでしょうか。
初心者にも勉強になりますが、この作品は何かしらの明確な意図を基に、ベテラン向けに制作されたのだと感じます。
これ以降、続編となる№28「ハイテク渓流講座②」や、スピナー・スプーン・ヘビーシンキングミノーの三種について、それぞれのマニュアル的な作品も制作されております。
その他、多種多様な渓流シリーズがありますが、この「ハイテク渓流講座①」が、それら作品の根源という位置づけとなるように感じております。
この作品は、何度見ても新鮮に感じてしまいます。
20年前の「渓流のルアーハイテク講座」 と同様に、この先もずっと色褪せることはないで しょう。
以上です。
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【補足1】
パートナーズによる本作品の紹介記事を転記します。
パートナーズDVD №11【ハイテク渓流講座①】
●出演:佐藤 忠雄(チャップ横田・阿部 悟) ●映像時間:約120分(DVD2枚組)
渓流ルアーアングラーのバイブル『渓流のルアーハイテク講座』の著者・佐藤 忠雄が挑むのは激戦区、岩手・閉伊川水系の “秋ヤマメ”。夏ヤマメは確かに機敏で難しいターゲットだが、禁漁間際、秋のヤマメはそれ以上に手ごわい。増水、水温低下など、ちょっとしたことで反応しなかったり、予期せぬ所から走ったり、やる気の無いチェイス、しまいにはルアーを無視して逃げ惑ったり・・・。
その気難しい“秋ヤマメ”をターゲットに短時間で攻略するノウハウを公開。31㎝の尺ヤマメを手にするまでのプロセスが見所。
おまけとして秋田の渓流でのスプーン&スピナーの釣りも収録。
【補足2】
これまでのパートナーズDVDの全作品ラインナップを、感想録内で系統分けして記事で紹介しておりますので、参照下さい。
…渓流・鮎等の作品
…サクラマス・海外遠征・アメマス・イトウ等の作品
【補足3】
一般的に、雑誌社や映像会社が販売しているDVDや書籍付属の映像作品は、生産終了後に在庫が無くなれば、入手が困難となります。
しかし、パートナーズDVDの場合は、忠さんが注文の都度に、注文の数だけ手作りで増刷しているので、平成16年(2004年)に販売された№1から現在販売されている最新作までの全作品が、1枚単位で新品として現在購入可能です。
秋田市ではドジャースさんや上州屋さんが展示販売なさってますし、それ以外の地域でも、東北を中心に多くのお店でネット通販や展示販売がされております。
上州屋さんでも扱っているので、最寄りの上州屋さんで取り寄せが可能の様です。
【補足4】
各都道府県ごとの販売店および、ここで紹介した以外の作品についての詳細は、パートナーズHP上の紹介ページ(ここをクリック)
を御覧下さい。
ネット通販用サイト開設の形で取り扱いをされているお店のリンクです。
秋田県秋田市:ディスカウントショップ ドジャースさん(パートナーズ商品特設コーナー有り!)
埼玉県熊谷市:プロショップ オオツカさん
埼玉県所沢市:タックルアイランド椿堂さん
東京都千代田区神田:山口屋釣漁具さん(ブログのみも記事問合せからの電話・Mail通販受付)