【PickUP@国内ドラマ】「夜行観覧車」 | U-NEXT [ユーネクスト]

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怖い!このドラマすっごく怖いんです!! が、怖いもの見たさでハマり度満点!! 「告白」の湊かなえさん原作の連続ドラマ、現在地上波連動配信中です。

「夜行観覧車」です!


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真弓(鈴木京香)は、高級住宅地・ひばりヶ丘に住む主婦。2013年1月のある日。真弓の家の向かいの瀟洒な一軒家で、殺人事件が起きる。殺されたのはエリート医師の夫・弘幸(田中哲司)。そばで妻の淳子(石田ゆり子)が血まみれで錯乱しており、次男で中学生の慎司(中川大志)が行方不明になっていた。

遡って3年前。平凡なサラリーマン家庭ながら、高級住宅地に小さな一軒家を建て、幸せいっぱいの真弓。しかし実際に暮らしてみると、町内の婦人会長で排他的な小島(夏木マリ)らは、新参者に陰湿な仕打ちを繰り返す。そんななか、淳子の一家だけが真弓たちに親切だった。淳子に救われる真弓だったが、やがて真弓の家庭のなかにひずみが生じはじめる。真弓の娘・彩花(杉咲花)の中学受験失敗、学校でのいじめと反抗期によって強められる劣等感、そして夫・啓介(宮迫博之)が抱え始める秘密…。一方、淳子の家庭でも、3年後の事件につながる何かが静かに始まっていた。

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湊かなえさんのストーリーは、描かれる感情の微妙な動きに説得力がありすぎますね! 圧倒されてしまいます。

ちょっとした言葉の掛け違いから生まれる、取り返しのつかない亀裂。人間を本当に追い詰めるのって、その人を傷つけようとして発した言葉よりも、無意識に放った何気ない言葉の数々の蓄積だったりする。身近な存在だからこそ無意識に傷つけ、小さな綻びがじわじわと広がって悪意となり、気づけば雪だるまのように巨大化して怪物のようになっていく。

第1話の冒頭に、凄惨な殺人事件という“結果”を持ってくることで、そこに至ってしまうまでのふたつの家族のドラマを、不穏に、そしてある意味執拗なまでに繊細に、サスペンスフルに、描いていきます。

高級住宅街という特異なコミュニティに漂う違和感もスゴイ。特に婦人会長という自負から排他的になり、主人公に嫌がらせを続ける仕切り屋のマダム・小島さんを演じる夏木マリさんの怪演などは、わかりやすく怖い。でも、怖さのなかに、虚しさや可笑しみが漂うのは、さすがです。

ですが、やっぱり、何が怖いって、一番怖いのはテーマが“家族”ってところですよね。誰にも、どんなに幸せな家族でも、きっと心当たりのある、小さな違和感。これが巨大化していく様に、震撼します。

しかも、それぞれが秘密と、ダークサイドを抱え、それをひそかに増幅させている。そのそれぞれが、ひとつのドラマになりそうな濃密さを持っているんです。それを癒すはずの家庭が歪んでいるという、どこにも帰れない人たち。それはそうですよね、家庭をかたちづくるのは家族。その全員がどこか壊れているのですから。

時間軸を自由に行き来し、しかも、ある意味群像劇のようにそれぞれの登場人物の心理を重層的に描いてく展開がスリリング!

中盤からは、これまたクセのありそうな担当刑事(演じるのは高橋克典さん)の動きも不穏さを増して、どう絡んでいくのか目が離せません。

現在、第5話まで配信中。

せっかちさんには、「夜行観覧車 スタートナビ」と、5話までの各話のみどころをまとめた「夜行観覧車 ダイジェスト」も配信しているので(見放題)、こちらで今までのストーリーをザックリ把握して、これから迎えるクライマックスに便乗しちゃう、というのも手です。

結末の予想がつかない、家族の崩壊(と、たぶん再生…すると願いたい!)ドラマです。


どうぞお楽しみください!



※PPV

「夜行観覧車」:http://www.tbs.co.jp/yakoukanransya/


番組表<国内ドラマ>
http://pc.unext.jp/title/view/68