東電労組は春闘を再開しろ! | Wattan Net Life

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  春闘要求を全面撤回=原発事故受け―東電労組
  時事通信 3月31日(木)2時31分配信

 このたびの、福島第1、第2原発事故に及んで東京電力は、その初動対応で事実経過を隠蔽してきた。結果、対応が送れ更なる2次災害(人災)をもたらしたのである。高濃度放射線漏れを広範囲な地域にわたり被ばくさせた責任は重大である。とうぜん、経営者一同のみならず、原発を推進させてきた全ての公職者もその責を負わなければならない。
 
 そして、電力総連の下部組織である東京電力労働組合は、東電の「原子力エネルギー開発」を「安心・安全」などと言いながら、原発はらむ危険性をオブラートで包み隠すような言質で、それを後押しつつ自社の労働者(正規・非正規)の賃金アップ・職場待遇改善を要求してきた。当然そういった要求も今年の春闘で要求されるはずであった。ところが、東電労組は、福島原発の原子力災害を受けて急遽、春闘要求を全面撤回し会社との交渉を取り下げたのである。

 まったくもって、誤った考えである。

 労働者の組合であるならば、春闘要求の撤回ではなく、大はば見直し(変更)で交渉を継続するべきであろう。今回の福島原発だけでなく、すでに過去の原発事故を事例に挙げても明らかなように、原子力発電所の運転は危険極まりないものであることを前提として、そこで働く労働者の安全配慮義務の周知徹底や施設内の安全基準管理に最善を尽くすべきである。そして、事故による危険な状態に原発が陥ったなら速やかに現場から職員を撤退させて安全確保に努めることが大事である。そのような、危険の付きまとう職場であること前提として、現場労働者の賃上げ要求や正規・非正規労働者の格差是正、労災の充実、専門医療設備の充実を要求していくべきであろう。

 労働者は自らの権利を「会社都合の人災」ごときで放棄してはならない。つまり、「会社都合の人災」とは、そもそも原子力発電所を建設していたことから起因するのであるが、そこで起きてしまった事故が突発性のものであれ、その対応に会社の監督者が誤った判断を下せば2次災害へとつながる。このたびの原発事故はまさに人災であった。

 東電労組は、自社非正規労働者・下請け会社の労働者の労災のみならず、現に被ばくした者、または被ばくする恐れのある周辺地域の100ミリシーベルト測定値下で「屋内退避」している住民、そこから避難してきた住民たちに対しても、放射線漏れ事故による被災と認めて、その補償を会社側に要求するべきである。そして、東日本の全ての産物に放射能汚染という重大な被害を及ぼしたことへの責任を組織的な総括・自己批判を経て、社会に向けて回答するべきだ。

 それこそが、東電労組の春闘である。