2日前、イギリスもシリアのISISへの爆撃を行う件に関して、国会で投票がなされ攻撃開始が決定されました。
10時間の白熱した議論が行われ、私もBBCの生放送で投票前後の時点だけはその様子を見ていました。
国会議事堂の外では、イギリスの参戦に反対する大規模なデモ隊の「No War! No War!」という怒号をあげ、議員の集まる議会内にも響き渡っていました。
国民から熱烈な支持を得ているジェレミー・コービン氏の率いる労働党が、攻撃を一押しする保守党に対してどれだけ健闘するか期待していたのですが、労働党のうち67人が攻撃へ賛成し、最終的には397票対223票でイギリスの攻撃が決定しています。
「恥を知れ」 イギリス政府がシリアのISIS攻撃投票に賛成し、戦争に反対するデモ隊がロンドンで行進を行う
‘Shame on you’: Anti-war protesters rally in London as UK govt votes to bomb ISIS in Syria
昔からずっと戦争に反対で、シリア参戦も最初からずっと拒否していたコービン氏が労働党党首になってから、イギリス労働党に加入する国民の数が急増して加入者数は史上最高になり、多くの国民だけはコービン氏を支持しているのに、メディアや他の議員は彼に対するどうでもいい人格批判ばかりだし。
投票時にも外からはデモ隊の「戦争やめろ!」の声が響き渡っているのに。
デイビッド・キャメロンがコービンと労働党に対して「テロリストのシンパ」などと表現したことに対して、コービンは何度もキャメロンに対して「謝罪してください」と言っているのに、キャメロンは毎回話をそらすし。
もうイギリスの議会は国民の声など、まったく聞いていないということがこれほど明らかになったこともないですね。
この投票の数日前には、ロンドン周辺で「不審物発見」など恐怖心を煽るような事件がいくつかあったので、ヤバイなと思ってはいたんですが、案の定すぎる結末で。。。
イギリスの日本大使館からも「英国政府は、2014年8月に国内のテロ脅威レベルをこれまでの「3」(5段階中)から「4」に引き上げ、今回のシリア空爆開始後もこの脅威レベルが維持されております」なんてメールをいただきましたが。
普通に考えてもイギリスのシリア空爆なんて敵をさらに作り出す行為だし、もっとシリア難民を生み出すだけじゃ?しかもそのテロリストを支援しているのが西側諸国だなんて、今やマスコミでも言っているのに?
石油のことしか頭にない西側の攻撃は市街地ばかりを狙って民間人にばかり被害を出している中、ロシアがISIS攻撃のためにシリアに空襲し、着々とISISに実際的なダメージを与えていて、陸からも15万人のロシア人兵士、そしてロシア精鋭(最強)の特殊任務部隊スペツナツまで参戦しようかという時に、イギリスがあえて参戦なんて普通に考えたらいらないでしょう。
バイバイ、息子達よ
私はシリアに行って、君達と同じ年頃の子供たちを爆撃しなければならないんだ
イギリス国内では緊縮財政で、病院や学校、警察や図書館などからは予算が削られる一方で、政府は毎日のように増税ばかり叫んでいる中、シリア参戦で、すでに億単位というかなりの軍事費が使われたそうです。うちの頭上を飛ぶ戦闘機の数も一時は減っていたのにまた増えていて、昨日は娘の学校に行っていた間にも戦闘機が通り、それまで皆で平和の歌を歌っていた発表会の雰囲気が台無しになりました。
一部の活動家は激怒りで、連日のように緊急デモが呼びかけられています。
私も、
「そんなにISISを止めたいなら、資金援助を止めたらいいやん?!」
「あいつらから石油を買うのを止めたら?!」
「ロシアがトルコとISISの関係を証明していたのとか、完全スルーやん?!」
「外の国民の声が聞こえないのか?それとも聞いても気にもならないのか?完全無視やん?!」
と怒り心頭になっていたら、こんな素敵な記事を見つけました。
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シリアのISISへの爆撃に対する13歳の回答が異常に賢すぎる
12月4日【Metro】http://metro.co.uk/2015/12/04/13-year-olds-word-on-bombing-isis-in-syria-is-unfathomably-wise-5544536/
Daniel Rebbeckという名の教師が、彼の教え子の13歳の少女の回答が素晴らしすぎてFacebookでシェアしたところ、最終的にこの情報がメトロというロンドンのメディアで公開される運びになったようです。
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https://www.facebook.com/profile.php?id=100010378441974 より翻訳
一人の教師として、私が受け持つ13歳の生徒の格言をお伝えしたい思います。
「(イギリスの)首相はバカなんですか?
だって友達が誰かに棒で叩かれた場合、校庭にいる全員を棒で叩いて周ったりしてはいけないなんて、私でも知っていますよ?
そんな時は、棒を取り上げたらいいんですよ。
そして、そもそもその棒をその人にあげたのが誰なのか、見つけ出したらいいんじゃないですか?
それで、その人が棒を見つけた場所を探すんです。
それからその棒を全部、なくしてしまったらいいんです。そしたら誰も棒で叩こうとは思いませんから。
皆、怒るかもしれません。でも棒がなければ、その人たちもそれほど危険じゃなくなりますよね」
私は彼女の素晴らしい分別にお祝いの言葉をかけました。
「先生。これは分別なんかじゃないですよ。
わかりきったことです。
誰かに人を叩くようにと棒を上げたら、私は退学させられますから。
もし私がその棒を誰かに売りつけてた場合、私がどれだけ怒られて大変な目に遭うか、考えてもみてくださいよ!」
(翻訳終了)
実際にはそうやって棒を悪人に売ったり、あげたりしている人たちは退学になるどころか生徒会長になっているのが現実のようです。
(画像 https://www.facebook.com/profile.php?id=100004468609392 から拝借)
こちらの記事を元に、こんな素敵なミームを作っていただきました!
嬉しいのでアップさせていただきます。ありがとうございますm(__)m
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そして、前からずっと気になっていたエコノミストの表紙のエリザベス女王。
イギリスの女王もこの写真にいることに気がついた人はあまりいないようですが、こんなところにこっそりと隠れていたようです。
【追記アリ】遅れながらも流行りに便乗して妄想する(bebeさん) より勝手に拝借させていただきました。
フランスの事件の時に、またこのエコノミストの表紙について騒がれていましたが、アリスの近くでイギリスの女王がジープ ランドローバーに乗っていたんですよね。スカーフを巻いた彼女の姿の元の写真は、イギリスでは有名なものです。
ランドローバーからもISISや砂漠などを連想しますが。
フランスの事故をキッカケに、イギリスも対ISIS戦に参戦することは決まっていた?
というか、女王(イギリス)がテロリスト(の支援者)とか。そのまますぎでしょうか?
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