「世界で最も貧しい大統領」の愛車VWビートルに100万ドルの申し入れが


'World's poorest president' gets $1mn offer for old VW Beetle

11月7日【RT】http://rt.com/news/203107-volkswagen-car-uruguay-president/


(写真 Peru.com ムヒカ大統領の愛車VWビートルと愛犬)



あるアラブの族長が「世界で最も貧しい大統領」として知られているウルグアイのホセ・ムヒカ大統領が現金の緊急支援を必要としているのではないか、と考えているようだ。

その族長は、ムヒカ大統領の象徴とも言える1987年製VWビートルに100万米ドルを支払う申し出を行った。しかしこの大麻を愛好する大統領は、そのお金は(もしもらったとしても)ホームレスの人に寄付するつもりだと話している。

この話を公開したのは、ウルグアイ週刊紙Busquedaであるが、その後に行われた記者会見の場で、元ゲリラ出身だがつつましいムヒカ大統領は、「そんなに大事なことだとは思っていません」と話している。

「私は車には特に執着はしていませんから」と続け、彼の愛車をこれほど長く所有していた理由は、大統領が飼っている三本足の犬、マニュエラのためだったとジョークを交えて語ってくれた。

どうやら在ウルグアイのメキシコ大使が、ムヒカ大統領に車を売ることを勧めていたようだ。大使館内の匿名の情報提供者によると、この二人はそのお金で4WDを10台を買うことができるな、などとと冗談を言い合っていたという。

もしその100万ドルの取引が実現された場合、ムヒカ大統領はその資金すべてをホームレスへ住居を提供するプログラムに募金するつもりだ、と話している。もしそれでトラックを入手したとすれば、大統領はそのトラックをウルグアイの公共健康機関か大統領の政治活動の関係者に寄付すると誓約している。


自身の決心について、大統領は次のように説明している。

「人間には、少しフェティズム(物を神のように崇拝すること)な傾向があります。特定の物質的なシンボルが必要なのです」

そして、大統領の父親からもらった古いハンマーとショベルをいまだに持っていることを明らかにした。

「世界にとってはなんていうことのない物ですが、各人にとってはとても価値のあるもののことです」




(写真 Reuters / Andres Stapff 自宅の前にて)

ムヒカ大統領が住んでいるのは、妻名義の荒れ放題の農園だ。しかし彼の資産で、本当の物質的価値のあると考えられているのは、この1987年製のフォルクス・ワーゲン・ビートルの方である。

公開資産額によると、ムヒカ氏は月給11,000米ドル(約130万円)で、うち20%は大統領の政治的活動に使われている。報道によると、彼は給料の残りのほとんどを貧しい人を支援するチャリティー団体に募金しているという。


ウルグアイ国内の社会的風土は2010年にムヒカ氏が大統領に就任してから激変した。元ゲリラの大統領は、ドラッグに関する政策を徹底的・根本的に見直し、他の南アメリカの国に模範となるような例を示している。

彼の政策のカンナビスの合法化により、ウルグアイ当局は近隣のパラグアイからの麻薬取引に立ち向かうことが可能となった


ムヒカ大統領は、世界でも最も地に足のついた指導者として広く世界中から見られているが、また、物質に興味を集中させずにお互いに愛し合うことが必要であることも強調している。

ムヒカ大統領(アルジャジーラのインタビューで)「大統領とは、機能を果たすために選出された高位の当局者です。大統領は王様でもなければ、神でもありません。何でも知っている部族の呪術医でもないですし、公務員でもありません。

大統領として奉仕し、代表する対象である国民の大部分と同じような生活をするのが、(大統領として)理想的な生活だと思います」


中毒について、ムヒカ氏は重要なのは「愛」だけだと話している。





(翻訳終了)



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【コメント】

その後、この件についてムヒカ大統領は、「私のビートルは友人達からもらったものだから、やはり譲り渡すことはできない」と話しています(nikkan sports)。

米紙ワシントン・ポストによると、車の価値は普通の場合は2800ドル(約32万円)だそうですが、その断った理由も素敵です。


偉そうなボスって嫌いなんですが、こんな指導者だったらついていきたくなってしまいます。




「ボスとリーダーの違い」


ボスとは、自らに与えられた権威(お金も含む)を行使して他人に命令を与える人で、

リーダーは、自分がお手本を示すことで、他人が勝手について来る人といったところでしょうか。









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