マグネシウムはアトピー性皮膚炎を改善する by 『マグネシウム健康読本』 | 橋本三奈子のSalt Revolution(わじまの塩に魅せられて)

マグネシウムはアトピー性皮膚炎を改善する by 『マグネシウム健康読本』

一昨日のブログ で、独立行政法人・水産総合研究センター中央水産研究所の和田時夫所長より、「わじまの水塩」で、肌が白くなったり、シワが消えたり、痒みが消えたりするのは、マグネシウムの働きだと伺ったことを報告しました。

昨日は、マグネシウムと美肌との関係についての文献を紹介 しましたが、今日は、その内容をさらに掘り下げた文献で、アトピー性皮膚炎とマグネシウムの関係についての解説をご紹介します。

東京慈恵会医科大学の横田邦信先生の著書『マグネシウム健康読本』 (現代書林・2006年)の「セラミドの合成・産生を高め、アトピー性皮膚炎を改善する」という章を引用します。

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アトピー性皮膚炎で悩んでおられる方は少なくありません。

アトピー性皮膚炎の原因の一つに、戦後の食生活の変化、社会環境の変化との関連が考えられています。

とくに食生活では、穀物の大幅な摂取量の減少にともなうマグネシウムの摂取量の減少が強く関連していると考えられます。

現在のアトピー性皮膚炎の治療は、ステロイド外用薬などの薬物療法、アレルゲンなど悪化因子の除去、それにスキンケアの3種類が主体になっています。

スキンケアの目的は皮膚の機能異常の補正で、アトピー性皮膚炎で炎症のないところの皮膚は、正常の皮膚と異なって乾燥しています。

そのため、皮膚(角質層)のバリア機能の低下が見られます。

アトピー性皮膚炎の大きな悩みは、痒みです。

痒みを感じやすくなっているために、発汗、温度や湿度の変化、石鹸やシャンプーに
含まれる界面活性剤といったわずかな刺激で痒みを感じます。さらに、精神的ストレスによっても痒みを生じます。

痒みのために掻いてしまうと、皮膚のバリア機能は破綻します。

こうなると、アレルゲンを含む刺激物質の皮膚からの侵入も容易になり、
皮膚の炎症が起こりやすくなります。また、細菌感染も引き起こしやすくなります。

こうした点から、アトピー性皮膚炎ではスキンケアが大切になります。スキンケアのなかでも、保湿が重要です。

保湿薬の機能として、次のような作用が求められます。

(1)角質層をやわらかくする作用
(2)水分を保持する作用
(3)皮膚バリア機能を強化する作用

ただし、現在、この3点を全て備えた保湿薬はありません。

皮膚には角質細胞同士を結合し、皮膚を丈夫にするセラミド(角質細胞間脂質)があります。特に、アシルセラミドの減少がアトピー性皮膚炎の乾燥皮膚の原因になっていることが証明されています。

セラミドを配合した保湿薬も出まわっていますが、それは皮膚バリア機能に重要な役割を果たすアシルセラミドではありません。

そのために、大きな効果は期待できないのが現状です。


そこで期待をかけたいのが、マグネシウムです。マグネシウムは保湿効果が強く、また、マグネシウムの作用によって、アシルセラミドの合成が高まり、皮膚のバリア機能が回復してくるからです。

セラミドは、皮膚の近くで合成されます。セラミドを効率的に合成しようとすれば、体内にマグネシウムを十分に取り込むことが近道になります。

また、アトピー性皮膚炎の人が海水浴にいくと、皮膚の調子がよくなったという話をよく聞きます。塩分の強い温泉も、アトピー性皮膚炎に効果があるといいます。

タラソテラピー(海洋療法)というフランス発祥の治療法もあります。

こうした効果は、まさに海水中のマグネシウムの保湿作用、アシルセラミドの合成の高まりによる皮膚のバリア機能の回復が大きく作用していると考えられるのです。

そうした効果を考えると、たとえば良質のニガリの水溶液をつくり、外用剤として使うことも相乗効果が期待できます。

それを皮膚に塗ると、カサカサがかなりの割合で取れ、皮膚のバリア機能が回復し、アトピー性皮膚炎の悪化を予防することも可能です。

もう一つ、ニガリを浴槽に入れると、マグネシウムの保湿効果、保湿効果から、塩分の濃い温泉にいった効果も期待できます。

アトピー性皮膚炎に悩んでいる方は、マグネシウムの十分な摂取とともに、薄めたニガリの外用剤やニガリ入りのお風呂を一度試してみられたらいかがでしょうか。

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上記で「ニガリ」と出ているのは、塩が結晶化する後に残る液体のことで、主成分がマグネシウムですから、「わじまの水塩」に置き換えて読んでかまわないと思います。

「わじまの水塩」はナトリウムも含んでいるので、塩分の濃い温泉と同様の効果が期待できそうです。