皆さん、こんにちは。
黄金 龍星です。
今日から第3章です。
第3章は第2章と違って、「生きる技術」を主人公 隆は身につけます。
生きる技術とは、
ビジネス能力ですね。
マーケティング・セールス・コミュニケーション術などのスキルについても、色々と参考になると思いますので、楽しんでくださいね。
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二ートの僕が子育てをしたら 第三章 生きる知恵 編 第一話
ビジネスプログラム
山田君との最後のことを引きずっていた日々も少しずつ和らぎ始めた頃、
「こんにちは、坂上さん。三上です。今日、マイヅル先生とお会いするので坂上さんもご一緒しませんか？エデュケーション・センターのいつもの喫茶店にいます。 三上」
三上さんからメールがあった。
いつまでもクヨクヨする訳には行かないので、このお誘いを受けることにした。
「わかりました。すぐに準備をしてそちらに向かいます。 坂上」
とメールの返信ボタンを押した。
エディケーション・センターの喫茶店に入ると、
「あ、坂上さん。ここですよ」
と三上さんの明るい声がした。
「こんにちは」
と僕が挨拶をすると、
「どうですか？少しは落ち着きましたか。今は色々と考えることもあるかと思いますが、この体験を人生の肥やしにすることも大切です。前を向いて行きましょう」
とマイヅル先生が笑顔で言った。
マイヅル先生に対して僕は、
「ありがとうございます。もう随分落ち着きました。僕にとってはとても大きなことではありましたが、とても良い経験をしたと思っています。ここまで気持ちが落ちたことは今までの人生ではありませんでしたので、色々と考え込んだりしましたが、もう大丈夫です」
と答えた。
すると三上さんが、
「じゃあ、先生。そろそろ私が次に体験するプログラムに坂上さんも誘ってみてはどうかと思うんですけど」
そんな三上さんに、
「そうですね。それは私も考えていた所なのです。坂上さん、いかがですか？三上さんと一緒にビジネス・プログラムを受講してみませんか？」
とマイヅル先生が新しいプログラムを勧めてくれた。
僕は、
「はい。もうこうなったら何でも受講します」
と即座に答えると、二人とも大笑いをしていた。
「では、すぐにでもはじめましょう。このプログラムはビジネス・プログラムと言って、
ビジネスを成功に導くための考え方や方法が学べるプログラムです。
三上さんは社会人としての経験があるので、すぐに慣れると思います。
ただ坂上さんは色々とわからないことが出てくると思いますので、何かわからないことがあった時は三上さんに相談して下さいね。三上さんと協力して、しっかり学んでください。では、これから始めましょうか」
とマイヅル先生が言うと、
「坂上さん！一緒に協力して、このプログラムの内容を自分の力にしましょう。私も応援するから」
と三上さんが張り切っている。
急な展開に少し戸惑いを感じる僕だったが、部屋に閉じこもってウジウジと考えていても仕方が無いので、ビジネス・プログラムに向けて気持ちを切り替えることにした。
さっそく僕とマイヅル先生と三上さんでビジネス・プログラムが用意されている部屋に向かった。
「では、二人とも椅子に座ってください。例のサプリメントも飲んで下さいね。このプログラムは坂上さんが、前回体験したプログラムほど精神的プレッシャーは強くありませんが、念のために飲んでおいて下さい。それではゴーグルをさっそく付けてください。ではスタートします」
僕と三上さんはスーツを着て、大勢の人達が座っている部屋にいる。
前回もそうだったが、突然風景が変ることには中々慣れない僕がいる。
「三上さん、ちょっと聞いて良いかな」
と僕が三上さんに声を掛けると、
「はい。そこ私語をしない」
とメガネを掛けた30代前半の男性に注意をされた。
三上さんが小さな声で、
「多分、今の私達が居る場所は会社の研修会だと思うよ」
と教えてくれた。
会社の研修会
僕は社会人の経験が無いので、会社の研修会がどんなものかはわからない。
とりあえずはじっと話を聞いてみょう。
「はい、皆さん！こんにちは。今日から君達はゴールドパレンツ社の研修を受けて頂きます。ゴールドパレンツ社は能力開発を専門とした会社であることは皆様もご存知だと思います。このゴールドパレンツ社の主力商品はこのブレイン・ゴールドです。
すでに皆様も飲んで頂いているものと思いますが、このブレイン・ゴールドはとても素晴しいサプリメントです」
メガネの男性が持っているサプリメントはマイヅル先生が僕にプレゼントしてくれたサプリメントだった。
「このサプリメントは手にする人の能力を飛躍的に高めてくれます。またストレスなどから脳を守ってくれる効果もあります。使用されている成分のすべてが自然界のものを使用しているので、肉体に対して悪影響を受けずに済みます。
つまり副作用などの心配が無いと言うことですね。
何かお聞きしたいことがありますか？」
とメガネの男性が私達に言うと、
「あの、ブレイン・ゴールドが能力を高めるというのは具体的にどういうことですか？」
と前方にいる男性が質問をすると、
「このブレイン・ゴールドには神経伝達物質を活性化及び正常にコントロールする力があります。脳内ではドーパミン、セロトニン、アセチルコリンなどの神経伝達物質が外部の刺激によって、それぞれ分泌します。
ドーパミンは快楽を司る神経伝達物質、セロトニンは精神を安定させる神経伝達物質、アセチルコリンは記憶に関係する神経伝達物質で、これらの神経伝達物質が過剰に分泌したり、逆に分泌が低下したりすると病気になったりすることがあります。
そうですね。ドーパミンは意欲を高めます。報酬を得ようとする欲求が強まることにつながりますね。セロトニンは精神状態を安定させる作用があり、常にフ
ラットな精神状態を保つことにつながります。アセチルコリンは記憶を司る神経伝達物質ですので、記憶力や脳の回転をスムーズに働かせます。
これは余談ですが、人が年を重ねると物忘れが増えたと言うのはアセチルコリンの分泌が減少したことが原因だと医学的に言われています。
アルツハイマーという病気がありますが、この病気は短期記憶が消される病気です。このアルツハイマーにもアセチルコリンの分泌の減少が患者さんに見られますので、アセチルコリンを増やせばアルツハイマーの進行を遅らせることができるという説が医学的にあります。
いかがですか、ご理解いただけましたでしょうか」
とメガネの男性が質問に答えた。
周囲の人はその説明に納得しているようだ。
正直に言って、僕にはドーパミンだのアセチルコリンだの、何を言っているのかわからない。
三上さんはまじめにノートに書き写している。
そんなことを考えていると、
「皆様には、このゴールド・ブレインの販売員として活動してもらいます。
これから皆様に販売を指導する先生をご紹介します。
ビジネスコンサルタントのダイゴ先生です」
とメガネの人が紹介した人はちょっと怖い雰囲気の男性の先生だった。
この人が僕の今後の人生に大きな影響を与える人になるとは、この時の僕には知る由も無かった。
第二話につづく