虹の下には宝物がある
(15話を読む)
ミサキさんのお弁当は最高においしかった。
ミサキさんのサプライズがあまりにも嬉しくて、
「とってもおいしかったです。ミサキさんのような女性を奥さんにできる人は羨ましいですね」
と現実世界のニートの僕では、絶対に口にすることのないワードがこぼれでてしまった。そんな僕の言葉にミサキさんが、
「隆さんってもてそうですね。他の女性にもそんなこと言っているのでしょう。」
と疑惑の目で僕を見ている。
そんなミサキさんを見た僕は慌てて、
「そ、そんなこと無いですよ。だって本当にそう思っただけですから。」
と返すと、
「ありがとうございます。では素直にその言葉を受け取りますね。」
と笑いながらミサキさんが答えてくれた。
からかわれてしまったような気がするが、ミサキさんの方が一枚上手だということだろう。
結婚したら尻に敷かれるな。
と、特大妄想をする僕が居た。
横で岬と勇君がなにやら指を差している。その指を差している方向に目をやると、
虹だ
凄く鮮やかな虹が出ている。
僕は岬と勇君に、
「虹の下には宝物がたくさん埋まっているのを知ってる?」
と聞くと、
「本当?じゃあ、今虹の下に行けば宝物があるの?」
勇君が興奮気味に聞いたので、
「今から宝探しに行ってみょうか?」
そんな僕の言葉に、さっそく勇君は靴を履こうとしている。
勇君を見た岬さんが、
「もう、いつもこうなんだから・・・すいません」
と困った顔をしている。
僕はミサキさんに、
「良いですよ。虹の方に何かおもしろいアトラクションがあるかもしれない」
と言うと、
「そうそう。あの虹の方角に一度行ってみたかったアトラクションがあるんですよ。」
と岬さんが何か考えのあるような顔をした。
「一度行ってみたかったアトラクションって、どんなアトラクションなんですか?」
とミサキさんに聞いてみると、
「凄く良くあたる不思議な占い師さんの館があるんですよ。何でもズバッと答えるので、知り合いが凄く怖いって言っていましたよ。」
凄く当たる占い?おもしろそうだ。
「じゃあ、僕も占ってもらおうかな。ちょっと怖い気がするけど」
とミサキさんに言うと、
「じゃあ、私も勇気を出して占ってもらいます。良いことを言われると良いのだけど」
と少し心配そうな顔をしていた。
勇君に何気なく言った。
虹の下には宝物がある
それが本当のことだと知るのは随分後のことだった。
(17話に続く)
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