二ートの僕が子育てをしたら 第1章(17) | ニートの僕が子育てをしたら

ニートの僕が子育てをしたら

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こんにちは。
黄金龍星です。

ゴールデン・ウィークが始まりましたね。
皆様はどんなお休みにしますか?

私は普段できないことに取り組んでみょうと考えています。
*でも仕事ばかりしている可能性も無きにしも非ず

今日のお話は主人公 隆が・・・なにやら不思議な人物と出会うようですね。
どうなるのでしょうか?

ではお楽しみ下さい。

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二ートの僕が子育てをしたら 第1章 17話

占い師の館

(16話を読む)

勇君が、


「虹ってどこまで行っても遠いね」


と言いながら、虹を一生懸命追い掛けている。
そんな勇君に僕は、


「そうだね。でも確実に近づいているんだよ。諦めなければ宝物は絶対に手にできるんだよ。」


と答えると、


「うん。絶対に宝物を見つける。宝物が見つかったらお母さんと岬ちゃんにプレゼントしてあげるんだ」


と目をキラキラさせていた。

僕達は虹を追いかけている内に、例の占い師の館に着いた。
占い師の館の名前は、

バーチャル・ウィッチ

という名前だ。


「たくさん並んでいますけど、どうしますか?」


とミサキさんが聞いたので、


「せっかくだから並んでみましょう」


と答えるとミサキさんが、


「そうですね。でもなんだか怖いなぁ」


と少し不安げな顔をしている。

僕はそんなミサキさんに対して、

「何を言われるのか。確かに怖いですよね。でもミサキさんはきっと良い事を
言われると思いますよ。」

と答えると、ミサキさんは嬉しそうな顔をしていた。

しばらく並んでいると僕達の順番になった。
ミサキさんが僕に、


「お先に行ってもらえますか?」


と言ったので僕は、


「わかりました。終わったらあそこのベンチで待ってますね」

と伝えてバーチャル・ウィッチの中に岬を抱いて入った。

ぼんやりと明かりが灯してある通路、壁には不思議な感じの絵が飾ってある。
ヨーロッパのお城のような雰囲気を僕は感じた。

通路の先にある扉を開けると、
上品で良い匂いが部屋の中に充満していた。

僕は緊張しながらドアに立っていると、

「どうぞ。その席にお座りなさい」

と奥から女性の声が聞こえた。
言われたとおりに僕は岬を抱いて、その椅子に座った。


「かわいい女の子ね。お名前は岬ちゃん。」

と言いながら奥にいた女性がカーテンを開けて出てきた。

長い黒髪、目が切れ長で色白の女性。
そしてネコを抱いている。

「どうして、この人は岬の名前を知っているんだ?」

僕は混乱していた。

「あなたはおもしろい人ね。これからあなたの人生は大きく変化していく。良い方向に変るか、悪い方向に変るかはあなた次第だけど」

僕はその女性に、

「僕の人生はどのように変化するのでしょうか」

と尋ねると、

「そうね。解り易く言えば・・・仮にあなたの人生のパターンが二通りあるとすると、あなたがこれから、そのどちらを選択するかによって人生が良くも悪くも変化するってことかしら。人生に良いも悪いも本来は無いことだけど」

僕は彼女の話を黙って聞いた。

「本当のところは、そんな単純なものではないのよ。あなたはこれまで何かに逃げてきた。その逃げてきたものに恐怖を抱いたまま逃げているとあなたの人生はそれでお終い。

でもその恐怖に対峙し前に歩き出せば今のあなたには想像できない世界が目の前に拡がるわよ。

すでにあなたの目の前の世界が動き出していることにそろそろ気づいても良い頃ね。

岬ちゃんは本当に親孝行な子。

パパに褒めてもらわなきゃ。
この子もあなたの人生のキーを握っているわよ」


僕には、彼女の話が何のことだかわからなかった。
そんな僕に対して、お構い無しに彼女は話し続ける。

「あなたはこれから、この世界で様々な人達と出会うわ。そしてあなたはどんどん本来の自分に戻っていく。変るのではなく戻るの。

あなたが現実と思っている世界のあなたは本来のあなたでは無いの。

あなたが本来の自分を取り戻したければ、流れに逆らわないこと。
流れに乗りなさい。

色々と困難なこともあるでしょう。
修正しなければならないことや色々なことを身に着けて行かなければならないから。
でも、それをこなして行くことがとても大切なこと。

こなして行けば、そのうちに色んなことが見えてくる。
そうする内に、今のあなたの中にある問題が少しづつ解けていく。

いつかわかるわよ。
あなたの心の中にある拒絶は、すべてあなたの誤解だということを。

その時にあなたは知るでしょう。
愛を。

あなたは人に恵まれているから。」

僕には彼女の言うことが理解できなかった。
なぜなら、僕は現実世界では関わってきた人全てを拒絶してきたからだ。

戸惑っている僕に対して彼女は、

「大丈夫よ。その時は必ず来る。」

と言いながら笑顔を浮かべている。

「他に何か聞きたいことがある?」

そんな彼女の言葉に、

「僕の現実世界は地獄です。愛なんて感じたことはありません。そんな僕が人に恵まれているなんて。」

と答えると彼女は微笑みながら、

「それはあなたがまだ何も知らないからそう思うだけ。時期に分かる日が来るのよ。
では一つヒントをあげましょう。あなたの現実世界とこの仮想世界はリンクしているのよ。あなたの目の前に同時に存在しているの。この世界であなたが行ったことは必ずあなたの現実世界にも反映する。だから何も心配しなくて良いのよ。

あなたは、この世界で素晴しい人に巡り合うでしょう。そして現実世界でも必ず素晴しい人達と巡り合う様になる。全てはあなたの内なるものが引き寄せるの。

でも臆病な心に惑わされたり、逃げてしまうと何も変らない。
せっかくのチャンスも全部あなたを通り過ぎてしまうわ。
疑うことなく、全てを受け入れて歩きなさい。
今のあなたに必要なことはただそれだけ」

彼女の言葉に、僕はただうなづくことしかできなかった。

「女性を大事にしなさいね。きっとあなたの力になってくれるから」

そんな彼女の言葉に僕は、

「僕に女性の味方ですか?」

と尋ねると彼女は笑顔を浮かべながら、

「そうよ。あなたは女性と関係が深いから。」

と言った。

僕の現実世界で関係する女性は母親だけ。
この世界では、

岬とミサキさんと、この前知り合った三上さんだ。
この人達のことだろうか。

そんなことを考えているとベルが鳴った。

「ではこれで良いかしら。また聞きたいことがあったらいつでもどうぞ。」

僕は彼女に丁寧に頭を下げて部屋を出た。

「良いことなのか、何なのかわからないけど。とりあえず彼女に言われたことを受け入れて頑張ってみよう」

僕は素直に彼女の言葉を受け入れることにした。

彼女が僕に伝えてくれた言葉。



その意味を知るのは随分後のことだった。

(18話に続く)



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