二ートの僕が子育てをしたら 第1章(15) | ニートの僕が子育てをしたら

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皆さん、こんにちは。
黄金龍星です。

主人公 隆に舞い降りた究極のサプライズ。

隆は人生初のできごとに舞い上がっております。
その舞い上がり具合は本編をどうぞ。

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二ートの僕が子育てをしたら 第1章 15話

究極の料理
(14話を読む)

手作りのお弁当

それは古(いにしえ)より不老長寿、権力を求める古今東西の英雄が、あらゆる手を尽くし探し回った究極の品だと僕はインターネット上で聞いたことがある。


どんなに財を投げうっても、どんなにそれを追い求めても手に入れることはできず、過去には、この品を求める人達の間で戦(いくさ)が起こることもあったらしい。

豊臣秀吉が千利休に切腹を命じた背景に、この品が関係すると指摘する研究者もいる。

そんな「手作り弁当」を食べる機会が、自称ではあるがニート界の若きプリンスと
呼ばれる僕の身に舞い降りてきた。

僕達は施設内にある大きな芝生の公園でお昼ご飯をすることにした。
しかし、この公園も本当に整備されて美しい。

手作り弁当の奏でるハーモニーを堪能するシチュエーションとしては
最高の舞台だ。

空には金色の尾っぽがひらひらした鳥が飛んでいる。

僕の現実世界では見たこともないような花や木が咲き誇っている。
奥の方には桜そして紅葉が並んで咲いている。

ちなみにバーチャル・パレンツの世界は僕が生きている
現実世界のような季節というものが存在しない。

桜も紅葉も僕の世界では一緒に咲くことはないが、
この世界では、その美しさを一緒に堪能することができる。

僕達は公園内にある芝生の上にシートを敷いた。


「どうぞ、手を拭いて下さいね」


とミサキさんがウェットテッシュを渡してくれた。


ミサキさんは手際よく僕達の前に手作りのお弁当を並べている。
目の前に拡がるおいしそうな料理。


ざっと皆さんにご紹介するとメニューは以下のとおりだ。

・    北京ダック
・    蟹を蒸したもの
・    フカヒレスープ
・    チャーハン
・    彩が綺麗な前菜


中華料理のフルコースだ。


「凄いなぁ、ミサキさんは。」


とご馳走に見とれていると・・・ミサキさんが、


「お口に合いますかどうか。」


と言いながら箸を渡してくれた。


僕はそんなミサキさんの言葉に、

「神様ありがとうございます。生きていれば良いことがあるというのは、
本当なんですね。今まで信じることができなくて申し訳ございません」

と一人懺悔を密やかにした。


「では頂きます。」


まずは前菜から口に運ぶと・・・これがまたうまい。
現実世界の僕はろくなものを毎日食べてこなかった。


だって現実世界の僕は、この世界の僕と違ってニートだから食べ物に
贅沢が言える身分ではない。


おいしい料理と美人


この絶妙なハーモニーがもたらす至福の時間。
ニートとして暗黒な毎日を過ごしていた自分がこんな幸せを体験できるなんて。

もし、あなたが今ニートであったとしても諦めないで欲しい。
幸せは思いがけないタイミングであなたの身に舞い降りるから。

岬とミサキさんに出会えたことに心から僕は感謝している。


(16話に続く)

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