「応援」の心理 | 広告魂|コウコクダマシイ

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2月27日に放送された日本テレビ「所さんの目がテン!」のテーマは「応援」でした。「応援によって選手の成績はどれくらい良くなるのか」「正しい応援のかけ声」「なぜ他人を応援してしまうのか」など、応援が持っている力を徹底検証という内容。

以前、ご紹介したアニメ「おおきく振りかぶって」(第12話 応援団)で、「応援団は選手を元気にも出来るけど、選手のやる気を一気に奪うことも出来る。スタンドの何が選手のやる気を奪うのか・・・。それは“ため息”。応援団は“ため息”をついてはいけない」という内容や、鳴り物(太鼓やトランペットなど)を使う(メジャーリーグとは異なる日本式の)野球の応援にも疑問を感じていたこともあり、「応援」のテーマは実に興味深かったです。

以下、備忘録としてメモ

野球(スキル系)で検証
上智大学野球部の選手がバッティングセンターの上級者モードに挑戦して、上智大学応援団(ソフィア)の「応援なし」「応援あり」で、20球中で何球バットに当てられるか比較。

1人目 [応援なし]17球⇒[応援あり]10球
2人目 [応援なし]16球⇒[応援あり]12球
3人目 [応援なし]14球⇒[応援あり]13球

[応援なし]⇒平均15.7球 [応援あり]⇒平均11.7球

応援されると成績が下がる結果に叫び

長距離走(エネルギー系)で検証
大学の陸上選手1人と普段運動しない2人を招集して、ルームランナーで10分間走ってもらい(自分の限界まで走る)、「応援なし」「応援あり」で、距離を計測。

大学の陸上選手 [応援なし]2.23km⇒[応援あり]2.40km (+170m)
普段運動しない人 [応援なし]1.92km⇒[応援あり]2.21km (+290m)
普段運動しない人 [応援なし]1.88km⇒[応援あり]2.10km (+220m)

応援されると成績が上がる結果にニコニコ

野球と長距離走は何が違うのか?
日本大学文理学部体育学科の水落文夫教授(スポーツ心理学の先生)によると、「(長距離走)体力を重視するエネルギー系なのか、(野球のバッティング)技術を重視するスキル系なのか、応援の仕方によって効果が変わる」との事。

[スキル系]⇒「野球」「ゴルフ」「カーリング」
集中力・繊細な技術が要求される為、応援をストレスに感じ逆効果になる場合がある。
※スキル系の種目でも重要な場面以外(競技の事前事後)の応援は選手の気分が盛り上がる為、効果がある。

プレーの事前事後に盛り上がるメジャーリーグの応援は、「理にかなっている」と感じました。メジャーリーグに挑戦した日本人選手が「メジャーリーグのファンは野球を良く知っている」と発言するのを聞きますが、応援にもいえるのかも!?と思いました。

北海道日本ハムファイターズの稲葉篤紀選手が打席に入る前に行われる「稲葉ジャンプ」は効果がありそうです(笑)。



打てなくても“ため息”をつかないことも応援のコツ(「おおきく振りかぶって」より)。

[エネルギー系]⇒「マラソン」「水泳」「クロスカントリー」
体力・瞬発力を要求される為、応援によって精神力を維持できるため効果がある。

[スキル系&エネルギー系]⇒「サッカー」「バレーボール」「フィギュアスケート」

効果的な応援のかけ声とは!?
[ガンバレ系]⇒もっと力を出せと選手を励ます応援の言葉。
[ほめる系]⇒充分に力を出している選手をほめる応援の言葉。

高いところが大の苦手の男性6人を招集して、クジ引きで3人ずつにAチーム(30秒に1回「ガンバレ」と励ます応援)とBチーム(30秒に1回「カッコイイ」とほめる応援)に分かれてバンジージャンプに挑戦し、飛ぶまでの平均時間を比較。

Aチーム(30秒に1回「ガンバレ」と励ます応援)⇒平均9分39秒
Bチーム(30秒に1回「カッコイイ」とほめる応援)⇒平均2分33秒

ほめる応援は、かなりの効果が出る結果にニコニコ

励ます応援⇒既にがんばっている選手にガンバレと言っても、あまり意味はなく、逆にストレスに感じてしまう。

ほめる応援⇒ピンチや不安になっている選手をほめることで、現在の状況に安心して前向きな思考になる。

「ジミーちゃん頑張ってる?⇒お前も頑張れよ(ジミー大西のギャグ)」を思わず連想にひひ。ジミーちゃんには、ほめる応援の方が良いのでしょうか(笑)。

ジミー大西 ※動画は内容と関係ありません。


そういえば、「おれに頑張れとは何だ!」ということがトラブルに発展?していき・・・というのがありましたが、実際のところはどうだったのでしょうか!?

なぜ他人を応援してしまうのか?
プロレスを見たことがない男女9人が試合を観戦しながら、手元のボタンでどちらの選手を応援しているか判別。

[知らない選手同士の試合]⇒人はどちらのファンでもないと、負けている方を応援することが判明。
[試合前に選手のプロフィールを配布(輝かしい経歴の選手vs不幸な経歴の選手)]⇒(不幸な経歴の選手を応援し)興味のないプロレスが楽しめる結果に。

たった1枚のプロフィールで、この結果だったということは、日本代表だったり、地元のチームだったりすると、気合入って応援してしまうことになるいうことでした。

誰もがプロフィールを知っているフィギュアスケート女子の浅田真央選手を日本中が熱狂して応援するのが、改めて分かる気がしました。

日本大学文理学部心理学科の厳島行雄教授によると、「応援するっていう心理には、自分がその選手に投影されている“同一視”ってメカニズムがあり、弱者を見ると、すごく感情移入しやすい。相手を応援しているということは、自分自身に言っているのと同じ」との事。

「応援する理由」→(選手やチームに)感情移入⇒応援⇒楽しい。

ということであせる、明日の(今まで通算3回抽選漏れして、一度は走ってみたい)東京マラソン走る人は、心置きなくクラッカー、選手には「ほめる応援」、一般ランナーには「励ます応援」をしてみます(笑)。

お後がよろしいようであせる