得点ランク独走の17歳のFW宝田沙織の代表招集はあるのか?【C大阪堺Lvsオルカ】 | ヒロ・ゴラッソ

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得点ランク独走の宝田沙織

 17歳のFWの代表選出は?

プレナスなでしこリーグ2部第9節】

開催日:2017年5月20日 14:00 KICK OFF

会場:キンチョウスタジアム(大阪府)

C大阪堺L 0-0 オルカ鴨川

【得点者】なし

 なでしこ2部の上位対決となったC大阪堺Lvsオルカ鴨川。この日はキンチョウスタジアムで開催。

 

 なでしこジャパンが6月9日にオランダ、同13日にベルギーとそれぞれ敵地で戦う欧州遠征が近づいています。

 

 前回の代表戦は4月9日の『キリンチャレンジカップ2017~熊本地震復興支援マッチ がんばるばい熊本』のコスタリカ戦。そのメンバーにはなでしこリーグ2部やチャレンジリーグ(実質3部相当)所属の選手が招集されていましたが、今回もそのようなサプライズ選出があるかもしれません。

 

 セレッソ大阪堺レディースのFW宝田沙織選手。身長168cmの本格派の大型ストライカーは、現在17歳。開幕からの6試合連続得点を含む、ここまでの9試合で10得点。

 

 得点ランクトップを独走する女子高生は、世論を味方につけるだけの結果を残しています。

 

 果たして、17歳のサプライズ選出はあるのか?上位対決となった4位・オルカ鴨川FC戦を宝田選手にスポットを充ててレポートします!

 

昇格争い直接対決で問われる真価

 

先発平均年齢は18.0歳のC大阪堺L。エースはもちろん、得点ランクトップの17歳FW宝田沙織だ。

 

 完全に夏がやって来た感が満載だった5月20日。セレッソ大阪のトップチームがアウェイ戦、J-GREEN堺でも大きなイベントがあった事もあり、C大阪堺レディースはトップチームが使うキンチョウスタジアムにて、プレナスなでしこリーグ2部・第9節のオルカ鴨川FC戦を開催しました。

 

 今季のなでしこリーグ2部で第8節終了現在で首位に立っているのは、日体大FIELDS横浜。6勝2分と唯一の無敗をキープし、勝点差3で追う2位・C大阪堺Lを1歩リードしています。

 

 C大阪堺Lはここまでの8試合で25得点を記録。1試合平均3得点を越える圧倒的な攻撃力を擁して2部昇格2年目ながらも2位をキープしています。

 

 対するオルカ鴨川は今季から2部へ初昇格して来たチーム。クラブの創設から僅か4年目ながらも、開幕3連勝を挙げて大躍進。地元企業や自治体と密接な協力関係を構築し、チャレンジリーグ(3部相当)で圧倒的な成績以上に観客動員を記録して2部昇格を果たしたチームは選手の待遇面が良く、1部リーグの経験が豊富な選手を多く獲得して今季を戦っています。

 

 ただ、オルカは4戦目以降は4試合連続の引き分けを喫し、前節はASハリマ・アルビオンを相手にホームで敗れて初黒星。無敗記録をストップさせ、順位もそのハリマに抜かれて4位へと後退。急失速の原因はやはり8試合で8得点という攻撃面。2部初昇格の新興クラブだけに、守備組織の構築からチームが作られていて、こちらは8試合で5失点という強固な基盤を築く土台となっています。

 

 C大阪堺Lの方も第7節の日体大戦で無敗同士の首位攻防戦で敗れ、無敗がストップ。次戦で5-0と快勝し、宝田選手にも得点が生まれましたが、上位対決となるこの日は、チームとしても宝田選手個人としても、その真価が問われます。

 

なでしこジャパン招集は時期早々か?

 宝田沙織の課題が見えたオルカ戦

アウェイながらも、多くのサポーターが来場していたオルカ鴨川のゲームプラン通りで試合は進んだ。

 

 試合はアウェイのオルカのプラン通りに動いていました。スピードやテンポを上げたいC大阪堺Lに対して、DFラインを低めに設定しながらも、ビルドアップとポゼッションを安定させたオルカはテンポを落とす事で主導権を握りました。

 

 そんな中、C大阪堺LのFW宝田選手は、チームの劣勢を跳ね返したり、得点という形で結果を残すことはできませんでした。

 

 チームとしての特徴である素早い攻守の切り替えと、宝田選手の持ち味である裏への抜け出しは本来、非常に相性が良く、この日もボール奪取から間髪置かずにDFラインの裏を狙う宝田への鋭い長めのパスは出ていました。右サイドからアーリークロスや浮き球で長めのスルーパスを狙うのが多いのは、こうしたチームと左側のFWに位置する宝田の特徴から生まれているはずです。

 

 しかし、この日はあまりに単調。ドリブルでもパスでも、自らのシュートで得点も狙える左サイドMF松原志歩選手が前を向いてプレーする機会が少なかった事もあり、攻撃に関わる人数も少な過ぎました。

 

 そんな中、宝田選手は41分、相手陣内左サイドのスペースに蹴り出されたクリアボールを追い、相手DFから自らボールを奪い、そのまま角度のない位置から逆サイドネットを狙った惜しいシュートを放ちました。

 

 スコアレスで折り返した後半、スペースを消されて攻撃が停滞するC大阪堺Lは早い時間帯から選手交代を使って攻勢を仕掛けようと試みみました。ただ、この積極采配により、宝田選手は63分という残り30分間をボランチとしてプレー。長身でポストプレーもこなしますが、ゴール前に放り込んだクロスを強引に叩き込むような強靭さは確かにないし、得点の欲しい時間帯でシュート力というキック力を活かすならボランチ起用もアリだと思います。

 

 しかし、「ボランチ=宝田」は後方で止まったままゴール前には顔を見せず。かと言って、守備では軽い対応も多くて狙い目になってしまっていました。宝田選手より2学年若いFW田中智子選手の投入により、宝田選手がボランチへ下がる布陣変更はこれまでも何度か見られましたが、正直何が狙いなのかが全く見えて来ないし、彼女自身もそこにモチベーションを見いだせているようには見えません。

 

 男女問わず、日本サッカー界から正真正銘のストライカーが台頭しにくくなっているのを、遂に現れた本格派ストライカー=宝田選手の起用法で何が暗い部分が見えたのが残念に思えました。

 

 課題が全て伸びしろでもある、17歳の宝田選手自身も、まだまだ足りない部分が多いからこそ、このような起用法にもなるのでしょう。実際、彼女自身も昨年のFIFA-17W杯ではFWではなく、MFとして出場していました。

 

 フル代表となる、なでしこジャパンへの招集は時期早々。まずは今年の10月に中国で開催されるAFC U-19女子選手権2017でアジア制覇を狙い、上位3カ国に与えられる来年8月開催の2018 FIFA U-20女子W杯フランス大会出場を目指す。そして、準優勝に終わったU17W杯を越える結果を残すのが、日本代表としての彼女の現在地になるでしょう。

 

次節で中断&リーグ杯開催

 

 これでちょうど折り返し地点の第9節が終了したなでしこリーグ2部の現在の順位は下記の通りです。

 

 チームによって特徴が異なる魅力的なコンペティションになっていますが、逆に1部から降格して来た岡山湯郷ウBelleとコノミヤ・スペランツァ大阪高槻がいきなり降格圏内に沈むなど、厳しいリーグです。

 

 最後まで激しい競争が続くであろう、今季のなでしこ2部は5月27,28日開催の次節(第10節)で3カ月近くの中断に入り、6月からはプレナスなでしこリーグカップ2部が始まります。

 

 未だ見ぬ有力選手が思わぬところから現れる2部の魅力を今後もレポートしていきたいと考えております。今後ともご閲覧よろしくお願い致します☆

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【なでしこリーグ1部全チーム紹介】

今季第9節終了時のなでしこリーグ1部の順位表。
  

 当ブログでは先週末から開幕したプレナスなでしこリーグ1部参加の全10チームを1チームずつ紹介する記事を掲載しています。この機会に是非、ご一読ください。詳細は下記バックナンバーをクリックして下さい☆
 
【なでしこリーグ1部全チーム紹介~『Shooty』リライト版】
 
第1弾、<マイナビ・ベガルタ仙台編> 
第2弾、<浦和レッドダイヤモンズL編>
第3弾、<ちふれASエルフェン埼玉編>
第4弾、<ジェフユナイテッド千葉L編>
第5弾、<日テレ・ベレーザ編>
第6弾、<ノジマステラ神奈川相模原編>
第7弾、<アルビレックス新潟L編>
第8弾、<AC長野パルセイロL編>
第9弾、<伊賀FCくノ一編>
第10弾、<INAC神戸レオネッサ編>
 

さらに、なでしこリーグ2部についてもチームを紹介するためだけの記事はないのですが、取材した試合でチームの特徴を捉えた表現は使っておりますので、気になるチームは以下からご一読ください。

 

【なでしこリーグ2部の観戦記】

 

『ASハリマ・アルビオンVS吉備国際大学Charme』

『C大阪堺Lvs岡山湯郷Belle』

『C大阪堺Lvs日体大F横浜』

 

 それでは皆さん、今週末も各サッカー会場でお会いしましょう!
 
 それではまた(^.^)/~~~

 
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