宇佐美は3点目のアシストで魅せたが~イラク戦の日本代表選手採点&寸評 #日本代表 #ガンバ大阪 | ヒロ・ゴラッソ

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宇佐美は3点目のアシストで魅せたが・・

【キリンチャレンジカップ】

日本代表4-0イラク代表

得点者<日本代表>本田(5分)、槙野(9分)、岡崎(32分)、原口(84分)


 2軍のイラク相手に当然の快勝


 今年初頭に豪州で開催されたアジアカップでベスト4に進出したイラク。同大会のグループリーグ第2戦では当時のハビエル・アギーレ前監督時代の日本とも対戦。日本にとってはグループ内最大の敵でしたが、PKによる1得点のみでの勝利でした。その後、日本はベスト8でUAE相手にPK負けを喫する中、イラクはベスト4進出。特に最近のU22以下の下部年代の代表で現在の「アジア最強」を誇る若手集団です。アジアカップの招集メンバーの平均年齢も22.68歳と参加16チーム中で最も若いチームの躍進ぶりは見事でした。


 しかし、この日の日本代表の前に現れたイラク代表はアジアカップのメンバーからは格落ちの2軍クラス。後半からMFヤセルなどが投入されたものの、直後のW杯予選へ向けて主力は温存された模様。(その後、W杯予選のインドネシア戦がFIFAからの指令で解除になった)また、時差調整も出来ていないような印象で身体が重そうな選手が多いイラクの控え組相手にホームの日本が4-0と快勝する試合でした。


 5分、自陣で中盤のルーズボールを拾ったMF柴崎岳から最前線で相手DF裏を狙うMF本田圭佑へワンタッチで球足が長い速いスルーパスが通り、本田が落ち着いて持ち込んでGKとの1対1を制して先制。続く9分には左CKからニアで擦らしたボールで相手GKが不用意な飛び出し。ボールがファーサイドに流れ、DF槙野智章が無人のゴールへ押し込んで追加点。32分には中盤でのパスワークからバイエルエリアのギャップでボールを受け、前を向いたFW宇佐美貴史がドリブルで仕掛け、相手DFの密集を引き付けて左側にスペースを作り、そこへ走り込んだFW岡崎慎司へ流す最高のお膳立て。岡崎がタイミングを外しながら冷静に決めて3点目を奪い、前半だけで3得点の大量リード。シュート数も日本の11本に対してイラクは終了間際の直接FKでの1本のみという内容で折り返しました。


 後半は運動量が落ちた日本。選手交代も遅く、停滞したムードが続きました。ただ、66分に途中出場したFW原口元気が84分に積極的にアピールしたい気持ちを全身に漲らせて表現したドリブル突破からのゴールが決まって4点目。そのままに日本が大差で勝利した試合となりました。



宇佐美は確かに魅せたが・・・

 危惧される「スター決め打ち」報道



 中4日の火曜日に行われるロシアW杯2次予選の初戦となるシンガポール戦へ向けて快勝でした。ただし、後半は観ているサポーターは誰もが思ったんではないでしょうか?「前線の選手はやる気ある?3得点で満足してしまったのか?」と。特に得点した本田や岡崎、実績のある香川真司が調整的に前半だけで3得点した親善試合の後半で流しながらプレーする、というのなら理解できますが、宇佐美がアシストしただけで「調整モード」に入るのはいただけない。


 確かに3点目のアシストというより「お膳立て」と表記した方が良いかもしれない一連のプレーは絶品のクオリティが詰まっていました。少し前に僕が書いた「アルゼンチン人FWを想起させる」という部分も感じられるようなDFを引き付けるドリブル。岡崎へのパスも、相手DFと勝負するよりも、まず相手GKと駆け引きした上でパスしているからこそタイミングをズラすような最高級のアシストになったと言えます。しかし、その最高級のプレーを見せた後、前半の残り15分間でボールタッチ僅か1回。後半は21分までのプレーで同7回。少なすぎます。そもそも2点リードからのアシストであった事も勘定に入れると、どう考えてもヒーローインタビューにはそぐわないプレー内容と言えます。


 本田は先制点だけでなく右サイドから中央へ走り込んで得点に絡もうとするプレーも多く、宇佐美と同時に交代でベンチに退く間際にも右サイドからカットインしての強烈な左足ミドルシュートをポスト直撃させています。香川は中盤と前線をリンクするために走行距離はチームトップを記録し、岡崎はFWとして得点を記録した上でボール際の競り合いで粘り続けていました。じゃあ宇佐美は?


 「クオリティ」だけ魅(見)せて消えて行った選手はたくさんいます。宇佐美の能力が本田・香川・岡崎よりも上なのはサッカーファンなら誰もが分かっている事であると言えます。それは初めて日本代表に招集された2011年の段階から分かっている事。そこから何が出来るか?を見せて欲しいのに、あれだけで・・・。もちろん、アルベルト・ザッケローニの「超」がつくほどの固定メンバー起用の弊害を受けて経験値を積み上げられなかったのが宇佐美であり、柴崎。彼等が現在になって活躍する事よりも、ブラジルW杯が終わった時点で22歳になった段階に置いて共に代表キャップがゼロだった事の方が「サプライズ」です。この日は途中出場だったFW武藤嘉紀が大学リーグで3年間プレーしていながら、宇佐美や柴崎よりもキャップ数でリード(武藤が12試合、柴崎が8試合、宇佐美が3試合)しているのは何が問題なのか?単純に守備やハードワークという部分だけではないのではないでしょうか?


 また、宇佐美がヒーローインタビューなのは、マスコミが試合前から決めていたはずの「新たなスター決め打ち」報道であるのも危険。競技内容ではなく、単純に華のあるスター選手にだけ頼る報道は結果と内容が違ってくれば違和感どころか白けさせられる「一卵性共倒れ双生児」になる。「個人技に頼っている」のはマスコミなのかもしれない。柿谷曜一郎を絶賛していた日々はどうへ行ったのか?


 では、最後に日本代表出場選手の個人採点と寸評をお楽しみ下さい☆


【選手個人採点&寸評:MOMは柴崎が妥当】



GK川島永嗣 5.0 相手が2軍でコンディションも悪く、ほぼボールも来ず。それでも慌ただしい対応を見せて不安定なプレー。


DF酒井宏樹 5.5 長友が攻撃で幅を提供したのと比べると・・・内田篤人の不在を感じさせる低調な出来。武器のアーリークロスを狙うキックを観たい。


DF吉田麻也 5.0 疲労?ビルドアップでもミスがあり、味方を殺す方のキラーパスもあった上で、簡単に裏を取られて川島や槙野を慌てさせる場面も。


DF槙野智章 6.5 最も気合いが入っていた選手。相手FWに前を向かせないように対応して締めた。得点まで決めたのだからMVP級の働き。


DF長友佑都 6.0 誰よりもスプリントを繰り返して試合勘を取り戻そうと奮起。クロスやパスが相手に当たる事が多くて快調とは言えないが、観ていて不満はない。


MF長谷部誠(76分まで出場)6.5 やはり彼を越えるボランチがいない。「変えていく勇気」という著書を発表したベテランMFがいるが、彼こそが「変えていく勇気」を体現している選手。まさかドイツでアンカーとしてプレーする姿を浦和レッズ時代からは想像できない。


→MF谷口彰悟(76分から出場)5.5 縦への意識だけで間延びする事が多かった試合。ボールを落ち着けて修正に注力。彼は川崎フロンターレではボランチとしてプレーしているらしい。実況はあてにならないと分かった。


MF柴崎岳(85分まで出場)7.0 先制点のパスだけでなく、中盤のルーズボールの回収やプレッシングのカヴァーリングで彼が成長を見せた事がこの試合の大きな収穫。


→MF山口蛍(85分から出場)短時間出場のため採点不可も、いきなり高い位置からのボール奪取でフィニッシュ直結のプレーを見せるなどアピール出来たはず。


FW本田圭佑(66分まで出場)6.5 何だかんだで最も身体を張ってプレー。トップ下でなくても貴重な先制点だけでなく、それ以外でも「主役ぶり」を感じさせた。


→FW永井謙佑(66分から出場)5.5 スピードある抜け出しで4点目に絡む動きもあったが、クロスを送るタイミングなど判断力が遅く、スピードはあっても相対的に「遅い選手」になっていた。


MF香川真司(66分まで出場)6.0 中盤が間延びする試合運びになる中で唯一その部分を意識して調整。現状はそれが「適任」かもしれない。


→Fw原口元気(66分から出場)6.5 久しぶりの代表戦での嬉しい気持ちとアピールしたい闘争心を高い次元で融合させてプレーで得点以上に持ち味を見せた。


FW宇佐美貴史(66分まで出場)5.5 アシストは最高級だったが、プレーに絡む回数があまりに少ない。少ないなら少ないで決定的なプレーを常に狙って欲しい。代表での立ち位置を模索中。あのヒーローインタビューや後半のプレー、交代時の表情を見ていると、シンガポール戦の先発は確約されているのではないか?


→FW武藤嘉紀(66分から出場)5.5 中盤からのパスを引き出す動きや、クロスを入れるタイミングを見ていると、国内組の攻撃陣の中では最も心得ている。


FW岡崎慎司(73分まで出場)6.0 プレーに絡むとタダでは終わらない粘り強いプレーでボール際をマイボールにしていく姿はこんなにも尊いものなのか?と感心させられる。


→FW大迫勇也(73分から出場)5.5 持ち味のポストプレーで特徴は見せたが、シュートを狙える場面で打てず。これではケルンでの立場と同じ「良い選手」止まり。


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アンケート

「宇佐美貴史と武藤嘉紀、どちらが日本代表や欧州で活躍できる?

 当ブログでも取り上げております同級生ライヴァルFWである宇佐美貴史と武藤嘉紀。今後の日本代表や近い将来での欧州移籍が噂される2人を読者の皆様はどうお考えでしょうか?


 "ザ・エリート"の宇佐美と、遠回りしてきた武藤。Jリーグだけでなく、日本サッカーの育成やユース組織の在り方まで問われそうな2人のキャリア。今後はどちらがリードしていくのか?それとも切磋琢磨し続けるのか?それとも、どちらも尻すぼみなのか?選択肢のない場合は【その他】を選んでいただき、【コメント欄】に記入をお願い致します。

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